読んでみると、まず、プーチンへのインタビューテレビ番組は4回のシリーズになっていて、NHK-BSでやった前後編2回の番組はそのダイジェスト版であった。日本ではNHK-BSでのこの放送の後、Amazonジャパンで4回の全話を有料で見ることができるようになり、さらにDVDが4月から販売されている。書籍版にはこの4回の番組で放送していないシーンも含まれている。Amazonで4回の全話を見てみると、なるほどこういう番組だったのかと改めて知り、この内容があまりにも興味深いものであったので、文藝春秋の翻訳版の原本の"Oliver Stone Interviews Vladimir Putin"をAmazonで注文をして入手し読んだ。本当はプーチンがなにを言っているか正確に知るにはプーチンの会話をロシア語で理解する必要があるが、オリバー・ストーンのインタビューはロシア人の通訳者が英語への通訳を介してのインタビューであったので英語でのオリバー・ストーンとプーチンの会話を読んでみたいと思ったのだ。4回の番組をまた見るのはAmazonでいつでも見れると思ってDVDを買うのは必要ないかなと思っているのであるが、これも近々に購入するであろう。それほど関心が持てるものだった。
かつてプーチンは、ドイツのミュンヘンで開催された第43回「ミュンヘン国防政策国際会議(Munich Conference on Security Policy)」で痛烈にアメリカの政策を批判する演説を行った。この時プーチンが言ったアメリカ批判は至極まっとうで言っていることは間違っていない。多かれ少なかれ、世界の数多くの国々の外交担当者が内心思っていることであり、それをプーチンは堂々と公の場で言ったのだ。だだし、その一方で紛れもなき力関係で成り立っている国際社会で道理が通ることは大変難しいこともまた事実である。もちろん、だからと言ってプーチンの主張はその通りであって、その価値が些かも揺らぐことはない。ただし、アメリカがやっていることは常に正しいわけではないように、ロシアの側もまただからと言って常に正しいことをやっているわけではなく、このことが国際社会とロシアの間を複雑なものにしている。
歴史の教科書で言えば、1951年にサンフランシスコ平和条約により日本はGHQ(General Headquarters)、より正しくはSCAP (Supreme Commander for the Allied Powers) による占領が終わり、独立主権国家に戻るとされている。しかしながら、実は様々な点においてアメリカ軍による統治・介入が行われ続けられるように「できていた」のである。アメリカの占領体制が独立後も維持、継続されているのである。この「決まり」は、日本国憲法よりも上位であり、憲法を超えて優先されている。
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