沖縄はなぜ変わらないのか
さる5月15日は、沖縄本土復帰50年の日であった。
沖縄はなぜ変わらないのか。なにが変わらないのかというと、沖縄が本土に復帰して50年たったが依然として沖縄には日本の在日米軍の約70%があるということについてである。
結論を先に述べると、その理由は二つある。ひとつ目は、本土の大多数の国民が沖縄の基地問題について無関心であるためだ。なぜ無関心なのか。沖縄以外の場所で暮らしている者たちにとって、関心がなくても十分に困らないからである。さらにロコツにいえば、沖縄に対して自分たちの同胞と思っていないからである。これはすなわち「差別」であるのだが、我が国の人々の特徴的なことは、「差別している」ことを「差別している」と意識していないということが挙げられる。
もうひとつは、沖縄返還時の日米交渉の中で沖縄に在日米軍が基地を継続して置き続け、アメリカの意思によって自由に使用され続けることが決定しているからである。この点において日本国に主権はまったくなく、いわば日本はアメリカの属国的な位置にある。
仮にここで極東の安全保障を保つために、沖縄に軍事基地が必要だとする。その軍事基地がアメリカ合衆国の軍隊であることが問題なのであって、日本国の軍隊であるのならば話は変わってくる。ただし、沖縄から在日米軍を取っ払うとなると、周辺国の軍事体制にも根本的な変更をもたらすことになり、実現の可能性は著しく低いであろう。さらに今のこの国でまっとうな軍隊を持てるのかというと現状では不可能である。となると、アメリカ軍を日本に駐留させ続ける以外に方法はないということになる。
現在、日米政府は沖縄のアメリカ海兵隊のグアム移転や嘉手納基地以南の土地の返還を検討している。実際のところアメリカ軍は必ずしも沖縄にいなくてはならないというわけではない。しかしながら、沖縄全土から在日米軍がいなくなることはないだろう。ようは、日本の安全保障の負担を沖縄は負っているという事実を日本本土の国民がきちんと意識する必要があるということである。もうひとつは、日米地位協定などといった沖縄というか日本はアメリカに対して従属的な構造の中にあることを変える必要がある。日本国内にアメリカ軍の基地があることはよしとして、日本国側が主体的な対応をとることができる、諸外国と比べて著しく高額な経済負担をしていることをやめるということが必要だ。
アメリカは中国の脅威から日本を守っている、ロシアの脅威から日本を守っているとよくいわれているが、アメリアの対中関係、対露関係に日本国は関係はない。日本は日本で対中関係、対露関係をやっていけばよいのである。
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