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December 2021

December 30, 2021

2021年を振り返る

今年も昨年に続き依然として新型コロナウイルスで明け暮れた一年であった。

日経新聞によると「東京都は29日、新型コロナウイルスの感染者が新たに76人確認されたと発表した。50人を超えるのは10月16日(65人)以来。直近1週間平均の新規感染者は約44人、前週(約28人)比で157.0%だった。」であるという。いわゆる「オミクロン型」の新型コロナウイルスは世界中で猛威を振るっているが、日本でもこれから増え始める可能性は高い。つまりは、この先もコロナ禍は続くということである。

今年もコロナ禍で外国どころか国内の旅行もままならない一年であった。もう何年も前から韓国への旅を考えているのであるが、とてもではないが行ける状況ではない。次回、外国を旅する日はいつになるのかまったくわからない。この国は列島の上にある。この列島の上で営まれている社会とは、違う社会がこの世の中にはあって、そこで行われていることは、この列島の上の社会に直接的にせよ間接的にせよ関わっている。ところが、この列島に住んでいる人々はともすればその事実を忘れる。忘れるというか、そもそも意識すらしない人々が大半を占めるのがこの列島の住人である。それでいい場合と、それではすまない場合がある。

今年、斉藤幸平さんの『人新世の資本論』(集英社新書)を読み、最も感じたことは気候変動はここでまで危機的な段階にきているのかということだった。思えば1970年代の頃から、このままでは環境破壊が進み世界の文明は崩壊するという話が繰り返し述べられてきた。述べられてはきたが、どこか遠い先の話として受け止められてきた。環境問題は、ごく一部のそうしたことに関心がある者たちだけがいっていることであった。しかしながら、21世紀も5分の一が終わった今日、もはや本当に逃れようもない現実になった。ごく一部の関心がある者たちだけがいっていることではなく、誰の前にもある危機になった。エネルギーをどうするのいうことは、かなり大きな枠組みで考える必要がある。これは文明の根本的な問題である。

11月、イギリスのグラスゴーで開催されたCOP26では、産業革命前からの気温上昇を1.5度に抑えることを世界の共通目標とすることになった。だが、1.5度の目標を達成するためには2050年までに世界の二酸化炭素排出量を実質ゼロにしなくてはならない。これが現実として可能なのかどうかという懸念があるが、世界経済はグリーン・エコノミーに大きく舵を切り始めている。これに対してこの国は化石燃料を使う火力発電を温存することを示している。日本は太陽光パネルや風力発電で世界の企業から大きく後れを取っている。何においても、この国は未来の展望がまったくない。

December 12, 2021

企業の賃金を上げるよりも消費税の減税である

12月10日の日経の記事によると

「自民党の宮沢洋一税制調査会長は10日の記者会見で賃上げ税制について21年度に比べて1000億円台後半の減収になると説明した。22年度の税制改正全体に伴う増減税規模は「測るのが難しい」と述べた。

首相が最もこだわったのが賃上げ税制の拡充だ。全体の給与総額をベースにみた賃上げ率などに応じ、大企業は最大で30%、中小企業は同40%の税額控除とする。従来は大企業が最大20%、中小が同25%だった。19年度の利用実績は13万件程度だ。

黒字の大企業にはペナルティーといえる措置も導入する。継続して働く人の給与総額の伸びが小さく国内設備投資も少なければ、研究開発に関する投資減税の対象から外す。

賃上げ税制の実効性は見通せない。13年度の導入以来、見直しを重ねて継続してきた。厚生労働省の毎月勤労統計によると同年以降、現金給与総額の上昇率は最大1%台前半にとどまる。」

という。

国が企業に賃金を上げろというのは理解し難い。賃金は当然のことながらその企業の利益に基づくものであり、国がどうこうできるものではない。例えば、生産性が上がらなければ収益は上がらない。収益が上がらなければ、賃金を上げることはできない。これで企業が賃上げをできると思っているのならば大間違いである。コロナ禍で収益が赤字になっている企業では、賃金を上げることなどできない。この制度を利用して賃金を上げることができるのは、その収益がある企業であり、その意味ではこの制度によって企業格差がさらに広がるだろう。

むしろ個人の購買力を高めたいのならば、立憲民主党、共産党、社民党、れいわ新選組などが言っていたように、消費税の減税をする方が確実に意味がある。個人所得や法人所得はグローバル化で海外に移転させることは容易であるが、消費は国民全員が行う。消費税は高齢者を含め国民全員が負担する。だから消費税を下げるわけにはいかないという意見があるが、なにもこの先ずっと消費税を減税すべきというのではない(共産党はそう言っているが)。消費税の減税は今の危機的状況への対策であって、通常の状態の経常的な話ではない。国民の消費を高め、景気を上げるための対策である。経済が好調になれば税率を戻せば良いのだ。

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