感染拡大はまだ続く
現時点で世界の感染者数は2億を超えた。死亡者数は427万人である。日本は感染者数102万、死亡者数は1万5千人を超えている。パンデミックは続いているが、この国は平気でオリンピックをやってきた。そして、今日、閉会式が行われる。
開会式の不毛さを思うと閉会式もまた不毛なものになるだろう。閉会式を見ながら、この国はもうダメだなと思った人は数多いようだ。開会式は、世界に向かってなにが言いたいのかさっぱりわからない空虚な式典だった。
国家が危機的な状況に陥った時、国家は緊急的に国家の持つあらゆるリソースを、その危機的な状況の突破だたそれだけに集中するというのが古今東西の常識であるのだが、この国の為政者たちにはそういう認識はないようである。本来であるのならば、このパンデミックに対して有効な対応を確立し、実行していくと共に、経済の立て直しをしなくてならない。オリンピックなどというものをやっている暇はないはずだ。この「やっている暇はないはずだ」のことを政府は堂々とやっていることが、国民が危機意識を持つことの妨げになっていることは誰にでもわかることだ。
ワクチンの摂取は完全な対策ではない。ワクチンを摂取することで、まったく感染しなくなるわけではない。
なぜ、新型コロナ感染者の医療病棟をさっさと建てることができないのであろうか。中国の湖北省武漢市では去年、感染者専門の仮設病院を10日間で建設したという。日本でも10日とまではいかなくても、1ヶ月なり2ヶ月あれば病院を建てることは可能だ。なぜそうしたことを国は行わないのであろうか。その一方で、オリンピックはやるのである。
政府は2日、「肺炎などの症状がある中等症のうち重症化リスクが低い人は自宅療養とし、家庭内感染の恐れや自宅療養が困難な場合は、ホテルなどの宿泊療養も可能とする。」という方針を発表した。これは事実上の医療崩壊宣言である。「重症化リスクが低い人」というが、誰がどうやってそのリスクを判断するのかさっぱりわからない。また、当然のことながら自宅療養で感染の拡大を防ぐとはできない。ようするに、感染をこれからもガンガン増やしますと言っているのである。
外国のようなロックダウンは日本の法律ではできないというが、ロックダウンをすると政府は補償金を出さなくてならなくなるのでやらないのである。安全保障法制など自分たちの都合のいい法律は勝手に作って素早く通すのに、本当の意味での国民の生命を守ることをしないのがこの国である。
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