数字は保健所の検査状況を表している
ここ数日、東京都の感染者数が少ない件数を維持しているということであるが、そもそも検査数が低いので、これで全体がわかる数になっていない。感染者の数が減っているのか増えているのかわからない状態になっている。
この数は今のこの国の感染状況を表すものではなく、今のこの国の保健所の検査状況を表しているにすぎない。それも全国の保健所からのデータをリアルタイムで正しく集計するシステムも仕組みもないので、曖昧な数値である。これでは今の状況も今後のこともわかりようがない。
しかしながら、このへんのことを考えることはせず、ただ本日の感染者数は何人でした、自粛がきいています、さらに今後も自粛をお願いしますと言い、適当なところで出口戦略なるものをやるのであろう。信頼できる数理データを出して判断するということはせず(なぜならば、できないのだから)、なんとなく雰囲気で物事を進めていくのは今に始まったことではない。
この先、このままでは生活が成り立たない等の政府への批判、不満の世論の様子を見て、頃合いをみて新規感染数が抑えられてきたからなどと言って緊急事態宣言を解除するであろう。この曖昧で不正確な数字をもって、我が国は欧米諸国とは違い、こんな低い数字で新型コロナを収束させましたと言うだろう。
国民への一律給付金10万円の支払いに、次はないであろう。政府は補償をこれ以上行うことはしたくないのである。解除も本来であれば、どの範囲の事業について、どのような自粛が必要なのであるのかということについての定量的データに基づく判断が必要なのであるが、そうしたことを行うとはまったく思えない(なぜならば、できないのだから)。
できないのは、これまでの平時の仕組みでやろうとしているからだ。今は平時ではないので、平時の制度でやろうとすればそりゃあできないであろう。今は平時ではない、制度の仕組みを変えるのが政治家の務めである。この認識が根本的に欠落しているのである。
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