台湾・韓国に学ばない日本
今回の新型コロナウイルスへの対策に、台湾と韓国の政府は優れた対応を行っていることは言うまでもない。日本政府の対応が大きく遅れたの理由のひとつに、台湾と韓国が行ったことを真似したくないからであるという声がある。これはあながち間違ってはいないだろう。特に韓国のやっていることを日本政府はま正面から見たくないのだろう。韓国を格下に置きたい、韓国を見下したいという政治意識が今のこの国にはある。
韓国にせよ台湾にせよ共有していることは情報の公開性であり透明性でありスピード感だ。どこの国だからどうこうということではなく、他国の優れているところはどんどん積極的に導入していく、ということが今のこの国にはできないのである。
休日の読書は、先週、ジェームズ・C・スコット著『反穀物の人類史』(みすず書房)を読み終えたので、今は三中信宏先生の分類学の本を読んでいる。この人の本を最初に手に取ったのは、池袋のジュンク堂で倉谷滋著『地球外生物学』(工作舎)を棚からとって、しばらくパラパラと読んで棚に戻した時、その隣に三中信宏著『分類思考の世界』(講談社現代新書)があった。ふーん分類学かと手に取ってページをめくってみると、分類学の本でありながら歴史の話が多そうで、これはおもしろそうと感じた。
この時は買わずに、自宅でAmazonで見てみるとさっきの本の前に『系統樹思考の世界』というのが同じ講談社現代新書で出ているようだ。後日、この2冊を買ってきて、まず『系統樹思考の世界』を読んだ。生物の進化や系統という思考と世界樹の思考はつながっているというのはよくわかる。続いて『分類思考の世界』を読む。こういう文科系と理科系が融合した本はたいへんおもしろい。サイエンスのひとつの側面はこの世を数理的に見るということであるが、もうひとつの側面はこの世の物語を読むということだ。この世の物語を読むということは人文学も変わらない。
このコロナ状態で人々の暮らしが変わるという声があるが、世界の数多くの人々が今思っていることは早く元の生活に戻ることだろう。
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