なぜ南北の統一ができないのか
1日の産経新聞の黒田勝弘氏のコラムによると「韓国では近年、北朝鮮の核開発への対抗措置として「核武装すべきではないか?」との主張が出され」ているという。
隣にこういう国があるとなると、北側も核兵器へのこだわりを捨てることはできないだろうなとは思うが、南側からすれば隣に核兵器を使うと言っている国があるので、こちら側も対応せざる得ないということなのであろう。
いずれにせよ、あの狭い朝鮮半島で核ミサイルの撃ち合いをやるつもりなのであろうかと、隣国の島国に住む私などは思ってしまう。
黒田さんはこう書いている。
「独自核武装論の背景には、北朝鮮の核軍事力への脅威感もさることながら、それよりも、北朝鮮問題ではいわば最大の当事者であるはずなのに、事態を動かす有効手段が何もないとの無力感と欲求不満がある。」
この南側の北側への「事態を動かす有効手段が何もない」。だから核兵器を持とうということはどういうことなのであろうか。南側は軍事で対抗する以外に北側との対応方法がないというのが信じがたい。朝鮮半島に複数の国々にあって互いに争っていたのは遠い古代の話であり、そうであるのならば、今の北も南も10世紀の初統一王朝である高麗に遙かに劣るということになる。
ここで、大ざっぱな話をしたい。
大ざっぱに言って、朝鮮戦争が休戦になって60年以上になっても、なぜ今だ北と南に分裂しているのか、とっとと統一国家になるべきではないか。もちろん、ドイツがそうであったように、統一した当初は、南側は大きな負担を強いられることになる。しかし、負担があろうがなかろうが、「同じ民族」として高麗の時代以来、朝鮮戦争の以前の姿に戻るべきではないのだろうか。なぜ、これが今だできないのか。しっかりとした統一国家になって、巨大な隣国である中国とロシアに対処していかなくてはならないはずである。国際社会の中で、ますます影響力を大きくしていく隣国の中国をどうするのであろうか。北も南も、核兵器がどうのこうのと言っている場合ではないはずである。
なぜ、統一ができないのか。その大きな理由として、このブログで何度も書いているように外国の存在がある。当の本人たちは、そうしたくてもできないということはあるだろう。
しかしながら、そうした外国の力をはねのけ、かつての「朝鮮国」にもどろうとする意思は、北側と南側にはないのであろうか。どうも今、南側は、統一については今のままの「南朝鮮」で良しとしているように見えてならない。北側は北側で、理解し難いことをやっている。今後、100年、200年の朝鮮半島の未来というのがさっぱりわからない。なぜ統一朝鮮になることができないのか。その理由について、様々挙げることはできる。歴史知識や国際政治などの観点から挙げることはできる。
しかしながら、素朴な心情から見てみると、よくわからない。
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