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September 10, 2016

北朝鮮の核実験

 北朝鮮は9日、同国が開発した核弾頭の威力を判定する爆発実験を「成功裏に実施した」と発表したという。

 産経新聞はこう書いている。

「国連安全保障理事会は、日米韓3カ国の要請を受け、緊急会合を開催する方向で調整に入った。また安倍晋三首相は9日、オバマ米大統領と電話会談し、北朝鮮に新たな制裁を含めた対応をとる必要があるとの認識で一致。これに先立ち首相は声明を発表し、核実験の強行を「断じて容認できない」と非難した。」

 北朝鮮の核兵器開発にどのように対応すればよいであろうか。答えは簡単だ。相手にしなければいいのである。北朝鮮が核ミサイルを10発持とうが、100発持とうが、1000発持とうが、アメリカも中国もロシアも日本も韓国も、今後、北朝鮮がどうなろうと一切関与しないということにすればよいのだ。

 一番やるべきではないのが、産経新聞が言うような「国際的な圧力を高めることはもとより、日米韓として暴走を食い止める方策を急ぎ模索しなければならない。危機を回避するため、核戦力を含む抑止力の強化を話し合うべきだ。」というものである。こんなことをするから、ますます北朝鮮は核兵器で対抗しようとしているのである。

 もともと、北朝鮮という国が生まれた背景にはアメリカと中国の存在が大きい。第二次世界大戦の終結により大日本帝国の朝鮮統治が終わった後の韓半島で、朝鮮の人々によるひとつの朝鮮の国ができていたらどれほど良かったことであろうかと思う。

 しかしながら、現実はそうはならなかった。ここにアメリカが介入してきたからである。思えば、北朝鮮は約半世紀前のこの時からアメリカの脅威の前にさらされて続けてきた。北朝鮮側のこの心情が理解できなければ、北朝鮮はなぜ今日ああいうことをやっているのかがわからない。

 朝鮮戦争の時、米軍は核攻撃までするつもりだったのである。朝鮮戦争が休戦になった後も、アメリカは韓国に北朝鮮に対抗する様々な軍事兵器を持ち込んだ。その中には、当然のように核ミサイルもあった。韓国から米軍の核兵器が撤収されたのは1991年であり、それまでは北朝鮮は核兵器の標的になっていたのである。現在、北朝鮮の核実験について国際社会は非難をしているが、この事実を忘れている。

 韓半島を南北に分断したのはアメリカと中国であり、アメリカは北朝鮮を核兵器の標的としてきた。このことをまず我々は理解する必要がある。その上で、ではどうするのかを考えなくてはならない。

 一方、国際社会側としても、核兵器を持つ国はそれなりの保有責任、管理責任を果たすことができる国でなけば、とても安心ができないということがある。今の北朝鮮がそうした国ではないことは明らかである以上、国際社会が北朝鮮を非難することは当然のことであるのかもしれない。

 「韓半島を南北に分断したのはアメリカと中国であり、アメリカは北朝鮮を核兵器の標的としてきた」のは歴史的な事実であるとしても、では、今でもアメリカと中国はそうなのであるかというとそうではない。今のアメリカも中国も、できることならば北朝鮮とは関わりたくもないというのが本音であろう。

 抑止力とは、攻めてくるかもしれない敵がいて、その敵を抑止するためにある。北朝鮮など、どこの国も攻めることはないということなれば、抑止力を持つ意味などなくなる。

 では、どこの国が北朝鮮に攻めてくるというのであろうか。

 ここで話は最初に戻る。今回の北朝鮮の核実験に対する各国の反応は、北朝鮮側から見れば「脅威」に見え、今後、さらに核実験を続けるであろう。いわば、お互いがお互いを「脅威」とみなしていることで、関係がますます悪化していくとういうサイクルになっているのだ。

 必要なことは、このサイクルを絶つことである。今なら、まだこのサイクルを絶つことができる。北朝鮮にとって、核兵器とは純軍事的な兵器ではなくシンボリックなものになっている。従って、我々は北朝鮮の核兵器は脅威ではない、とすることで、北朝鮮側の核の抑止力の根拠を消滅させるということが必要なのである。

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