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January 30, 2016

民間船員ヲ予備自衛官トスル

 1月30日の毎日新聞に以下の記事があった。

「民間船員を予備自衛官とし、有事の際に活用する防衛省の計画に対し、全国の船員で作る労組の全日本海員組合が29日、東京都内で記者会見し、「事実上の徴用で断じて許されない」とする声明を発表した。防衛省は「強制はしない」としているが、現場の声を代弁する組合が「見えない圧力がかかる」と批判の声を上げた。 」

 防衛省は、有事を想定し、九州・沖縄の防衛を強化する「南西シフト」を考えている。だが、武器や隊員を危険地域に運ぶ船も操船者も足りない。というわけで、今年度中に民間フェリー2隻を選定し、平時はフェリーだが有事の際には防衛省が使う仕組みを作るという。では、船を動かす船員はどうするのか。海自の隊員ではなく、民間船舶の船員を予備自衛官にして使おうというわけである。

 ここで、防衛省はもとより、安倍信者やネトウヨたちは、徴兵制ありえない。なぜなら今の戦争は高度に専門化していて、専門の知識や訓練を受けた者でなくては使えない。一般市民が兵士になることはありえないと言っていたことを思い出して欲しい。

 実は、そんなことはことはまったくない。戦争になった際、防衛大学校を卒業した士官だけで戦争ができるわけではない。戦争になれば、猫の子の手も借りたい程、膨大なやらなくてはならないことが発生する。戦場では穴を掘ったり、死体を運んだりすることもある。そうしたことに、それこそ専門の知識や訓練を受けた防大出を使うわけにはいかない。一般市民にやってもらうのである。

 上記の自衛隊が民間船舶を利用することは、軍隊が考えることとして当然のことであり、戦前の陸海軍もそう考え、そう実行した。防衛省が、こういうことを計画するのは当たり前のことであり、またそうでなくてはならない。そして、民間船舶の船員側はこれを拒否するのも、現代では当然のことであり、戦前であれば非国民扱いにされたであろう。事実上、戦前は国家総動員法が定められ、国民は軍隊に協力することを拒否することはできなかった。

 新安保関連法の国会審議の時に、徴兵制はやりませんと言っていたのは政治家であり、自衛官ではない。軍人は、戦争になれば国家総動員になることをよく理解している。それを徴兵というか、動員と呼ぶかはコトバの違いであるだけだ。いざ戦争になった際、徴兵はしないのではなかったのかと言うのならば、これは徴兵ではなく動員であると言うだけである。だから、政府が徴兵はしないというのであるのあらば、では総動員法のようなものも絶対に作ることはしないのかと問うことが必要だったのであるが、そうした質問を出す者はいなかった。

 ちなみに、今日の産経新聞には上記の記事はなかった。このへん、産経新聞は、戦争になれば、国民が戦争に参加することは当然のことと思っているのであろう。もちろん、これは当然のことだ。そうであるのならば、この常識を知らず、一般市民が戦場に行くことはないと単純に信じている安倍信者やネトウヨたちは愚かであるとしか言いようがない。

 限定された戦争はありえない。現代の戦争は、総力戦であり国家総動員の体制で行われる。このことは、第一次世界大戦以後の世界の常識である。前の戦争では、日本は国家総動員で戦ったが、それでも敗北で終わった。今の戦争は高度に専門化しており、専門の知識や訓練を受けた者でなくては使えない、などということはタワゴトにすぎない。むしろ、逆で、今の戦争は正規の軍人だけではなく、一般市民、国民全員が関わらなくてはならないのだ。

 だから、戦争をしてはならないのだ。戦争になるような国家間の紛争は、避けなくてはならない。

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