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October 24, 2015

バークレー市議会の辺野古移転反対決議

 カリフォルニア州バークレー市議会は9月15日、アメリカの議会で初めて辺野古移設計画の中止を米政府に求める「沖縄の人々を支援する決議」を可決したという。9月17日の沖縄タイムスでは、こう書かれている。

「同決議は、米政府を新基地建設計画の当事者と位置付け、環境や人権の分野における米側の責任にも言及。米軍基地が過剰集中する沖縄の歴史的背景を説明した上で、沖縄が20年にわたり新基地建設計画に反対しているにもかかわらず、日米両政府が工事を強行しようとしている現状を指摘。米国防総省や米国海洋哺乳類委員会、米連邦議会に環境保全の再確認など具体的行動を促し、新基地建設計画に反対する沖縄の人々への支援を約束している。」

 アメリカ国内で、沖縄での新基地建設に異を唱え、中止を求める決議を採択したのは、このバークレー市が初めてとのことである。

 このバークレー市議会の決議について思い出すことがある。2001年9月11日の同時多発テロを理由として、ブッシュ政権はアフガニスタンへの空爆を始めた。このアフガニスタンの空爆開始から10日後の10月16日、アフガニスタン空爆を終決することを求める決議を採択したのが、バークレー市議会である。

 この時のアメリカの世論は、戦争賛成の一色だった。リベラル色の強いニューヨーク・タイムズ紙までもが、アフガン空爆に反対しなかった。アメリカでは、当然のことながらリベラルメディアはリベラル論調であり、保守メディアは保守論調になるのであるが、この時期のアメリカは、ほとんどすべてのメディアが戦争賛成になり、ブッシュ政権に賛同していた。日本からアメリカのメディアを見ていて、この時ほどアメリカのおかしさを感じたことはない。それほど異常な状態に、この時のアメリカ国内はなっていた。

 その中で唯一、アフガニスタン空爆に反対し、ブッシュ政権を批判したのがバークレー市である。この決議には、そうとうの勇気と信念が必要だったと思う。今でこそ、誰でもブッシュを批判しているが、この時、アメリカ国内でブッシュ政権を批判したバークレー市は、やはりさすがとしか言いようがない。

 バークレー市が反対したアフガン戦争の泥沼から、今なおアメリカは抜け出すことができない。

 オバマ大統領は15日、アフガニスタンからの米軍の完全撤退計画を見直し、撤退ペースを大幅に遅くするよう命じたと発表した。

 もともと、オバマ大統領は、自分の大統領としての任期が切れるまでにはアフガン駐留をゼロとする方針を考えていた。それが、現地の情勢の悪化を理由として、軍部が完全撤退に反対し、国際世論もまたアメリカの撤退に反対した。オバマは世界の警察官としてのアメリカをやめようとしているが、同盟国はこれに反対をしている。パックス・アメリカーナの終焉は、国際社会に紛争と混乱をもたらすことを、世界の各国はよく知っているのである。

 しかし、そうはいっても当のアメリカ自身が抱える内政と財政の問題は、もはやアメリカが世界の警察官であり続けることができなくなっている。今後、アメリカがアフガンから完全撤退をしないとしても、それはもはや国内の右派勢力の要求を満たすものだけのものでしかない。

 本来、アメリカが他国に介入するのであるのならば、かつての日本占領統治のように徹底的に介入しなくては成功するものではない。中途半端な介入では、事態はますます悪化するだけである。しかしながら、もうそうしたパワーが今のアメリカにはない。マーシャル・プランやトルーマン・ドクトリンを提唱した時代は遠い昔になってしまった。これからも、アメリカは中東に中途半端な軍事介入を小出しに行い続けながら、やがては世界各地から撤兵していくことになるだろう。今の戦争は、もはや軍団と軍団が戦う戦争ではなくなっている。

 2001年のバークレー市の市議会の決議が正しいものであったことは、15年後の今日、誰もがわかることである。今回、辺野古移転は間違っているというバークレー市の決議も同様に、やがて歴史が証明するだろう。

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