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December 14, 2014

衆院選

 安倍首相は十三日夜、東京・秋葉原での演説で「企業の生産性や競争力を強くし、雇用を増やして賃金を上げ、消費を拡大、景気を回復させていく政策だ」と述べたという。一国の首相が経営コンサルタントのようなことを言うのだなと思ったが、そういうこともあるだろう。しかしながら、アベノミクスとやらが「企業の生産性や競争力を強くし、雇用を増やして賃金を上げ、消費を拡大、景気を回復させていく政策とはまったく思えず、この20年間、政府がやってきて、なんの効果も上げず、結局、国の借金を増やすだけの結果に終わったということを、この人はなにも学んでいない。この人がどうこうというよりも、自民党政権そのものが、なにも学んでない。

 当然のことながら、選挙で投票する。これだけでは世の中は変わらない。政策は1年、2年で結果がでるものではなく、ものによっては10年、20年かかるものもある。例えば、今、どの政党が政権党になっても、今すぐに景気が良くなるわけではない。来年も日本経済は再生しそうにない。日韓関係も日中関係も良くはならない。少子高齢化が止まることもなければ、地方から大都市への人口の流動が止まるわけではない。

 昭和30年に自由党と日本民主党が「保守合同」により結成された自民党の、その当時の目標は戦後日本の復興だった。それがかりに高度成長と昭和39年の東京オリンピックによって達成できたものとするのならば、自民党の政策の結果が出るまで10年はかかったということになる。

 ただし、なにをどうするれば日本は復興するのかということが明らかな時代だった。国際社会は冷戦という単純な構造だったし、西側陣営の一員になり、安保で軍備にカネをかけることなく、外国から資源を輸入し、国内でテレビや冷蔵庫や自動車を製造して、それを世界の市場で売って外貨をかせぐということをやればいいだけだったと言えば、そうだったと言えるだろう。朝鮮戦争やベトナム戦争といった近隣諸国で戦争が起こり、その戦争には派兵することなく、軍需景気で儲かる一方だけの時代だった。

 そうしたいわば日本にとって恵まれた時代が終わりつつあったのが1980年代である。これまでのことを、ただやっているだけではすまない時代になってきた。この頃から政治は大きく不安定になった。逆に言えば、この頃から政党は「これまでとは違うことをやる」ことを考える政党になるはずだった。それがそうしたことをすることなく、かくて今に至る。

 2000年に入り、メディアは自民党と民主党という二つの政党の対立の構図を作っていた。そして、2010年代に入ると、メディアは結果として民主党がダメな政党であったという「事実」を作り、自民党以外にはマシな政党はないなという構図にもっていった。かくて今に至る。

 実際のところは、民主党以外の非自民党政党のおのおのに、それぞれの主張があるのであるが、そうした複数の政党の主張を詳細に見て、総合的に考えるという構図にはしてこなかった。かくて今に至る。

 今日の選挙は投票率は低く、自民圧勝になると言われている。現状を鑑みると、どの政党も話にならない状態なのであるが、そうであっても投票するとなると、どこかの政党に投票せざる得ない。自民党の政権であることが、確実に自分たちの利益になる人々は自民党に投票するであろうが、そうでない人々の方が数は多い。そうした大多数の人々は、自民党以外の政党を支持する理由がなければ、「とりあえずは自民党だな」ということで自民党に投票する人々も多いだろう。その程度の選挙になってしまったのは今に始まったことではないが、とにかくに、この国の選挙はその程度のものになってしまった。そして、それに憤る若者が数多くいるということで香港の方が優れている。

 香港の若者たちから見れば、まっとうな普通の選挙ができる日本は恵まれているのだろう。しかしながら、その日本国の住人たちにすれば、この国はまっとうな普通の選挙ができる国なのであるが、まっとうなことをやる政党がないという不幸におかれている。日本の見事な点のひとつは、国の政策が話しにならないものであっても、現場レベルで対応していくということである。ただし、これは長続きするものでもなく、また、できることにも限りがある。

 先に選挙で投票しても、世の中はすぐに変わらないと述べた。しかしながら、低投票率と自民圧勝の次に起こることは容易に予想できる。311はなかったことにされ原発の再稼働が進む。労働者派遣法が変更される。集団的自衛権の法整備が進む、秘密保護法も問題なしということになる。政府は 「この道しかない」という。「この道しかない」という世の中になる。「この道」の閉塞感しかない世の中になる。

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