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July 19, 2014

地方の衰退の先には東京の衰退がある

 現在のペースで地方から大都市への人口流出が続けば、20~30代の女性が30年間で半分以下に減る自治体は過疎地を中心に896市区町村に上るとの試算を「日本創成会議」が発表したという。

 「日本創設会議」によると、全体のほぼ半数の市区町村が消滅の可能性があるという。なぜか。若い女性が地方では雇用の機会が少ないので、みんな東京に出て行ってしまうからだ。この地方の雇用の問題は極めて深刻なものになっている。原発を誘致した地方自治体は好きで原発を誘致したわけではなく、雇用の場として原発に頼らざる得なかったというところは多い。それほど雇用の場がないということは切実なことであるということだ。

 人口減少について対策が数多く論じられているが、ここで日本の人口が上昇に向かうとはとても思えず、人口は今後も減少し続けるだろう。するとどうなるのか。予測されているように、人口が少なくなった地方自治体の財政は極めて困難なことになる。これはもう避けることはできないだろう。都市は食品を生産しない。地方に人がいなくなり東京に人が集まるということは、農業や林業、漁業、畜産業などといった第一次産業が衰退していくということだ。食品は国内で生産するよりも海外から購入する方が安い。第二次産業の製造も地方から離れている。外国の方が人件費は安いので、よほど特別な意味がない限り地方で大規模の工場が建設されることはなくなっている。第一次産業にせよ第二次産業にせよ、従来の姿のものではもはや日本国内で大規模な雇用の場は生まれることはないだろう。

 地方自治体はかなり思い切ったことをやらなくてはならなくなっている。ところが、地方が地方独自のことがなかなかやりにくいのは、この国は中央集権になっていて国の主導でしか物事が進まないようになっていることが理由として大きい。道州制にして地方自治体にこれまで以上の権限を与えなくては地方は思い切ったことができない。「日本創設会議」の報告にも国の長期ビジョンが必要だとしているが、国になにかを期待することはもはやできないのだと割り切って、地方は自分たちでやっていく覚悟を持った方がよい。「国」という枠組みで対策を立てても、もはやなにもならない。そういう状況になっている。

 人口増加の鍵は、20~30代の女性と次の世代の20歳未満の女性をどれだけ確保できるかということにある。それらの年代の女性たちは無尽蔵にいるわけではない。数は限られている。端的に言ってしまうと、若い女性たちを確保できる地域とそうでない地域に分かれるということである。もちろん、若い女性たちがいたとして、その雇用の場があったとしても、子供を育てることができる環境がなくては子を産み育てようとは思わないだろう。

 しかし、人口が増えようとも減ろうとも、もはや地域格差が広がるということだ。これもまた端的に言ってしまうと、これからは東京だけが豊かになり、それ以外はそうではなくなるということだ。東京への一極集中は今度も進むだろう。しかし、それではそのままずっと東京は豊かなのかというとそういうわけにはいかない。やがて東京でも人口の減少が起こり産業の停滞化が起こるようになる。そもそも日本全体が人口の低下と産業の停滞になっているので、東京だけが豊かになるといってもそれは一時的なものだ。地方の衰退の先には東京の衰退がある。東京がそうなることで、かくて日本はオワリということになる。

 「オワリ」というのは、これまでの経済成長至上主義のような価値観から見れば「オワリ」であるが、社会のあり方としては人口が少なく、ほどほどの産業しかなくても社会としてありうる。そうした意味では「オワリ」ではなく始まりである。人口が少なく、ほどほどの産業しかない日本が世界の中でどのように成り立っていくかがこれからの考えるべき課題になる。また「東京だけが豊かになり、それ以外はそうではなくなる」と述べたが、それは全体的に見てそのようになるということであって、地方でもやりようによってできることがある。この「やりよう」は、東京もやがて衰退していく一地方になるので東京も地方も区別はない。

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