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January 12, 2014

今の自分の課題

 アベノミクスとやらは上っ面の楽観で景気を良くし株価を上げる演出と、いわゆる財政のバラマキである。この国には絶望的な財政問題があるのであるが、もはや日本の財政問題をなんとかすることは不可能だと結論づけたのか、それを解決しようという意欲はまったく見えず借金になる国債をバンバン発行している。

 これらの国債は、本来ならばもっと別の有意義なものを使われるはずのお金であった。将来、この返済を押しつけられる今の若い世代はたいへんだろうなと思う。

 今必要なことは実体経済の構造改革なのであるが、アベノミクスは実体経済の構造を改革するものではない。ビジネスモデルやマネジメントの根本的な変更、教育の改革、脱工業化社会のインフラ整備、不必要な公共事業や独立行政法人などの廃止や民営化、等々、やることは山のようにある。当然、これらをやると景気は悪くなる。

 つまり、将来のための正しい布石を打つことにより景気は悪くなるのである。本来、今のこの国は景気は悪くならなくてはならないのだ。それであって10年後、20年後に中国や世界と互角に渡り合える小さくても強い日本ができる。将来のためには「(正しい)景気の悪さ」というのはどうしても避けて通ることはできないのである。先の民主党政権がやるべきだったことはこのことなのであるが、民主党政権は改革が不徹底かつ間違ったことをやっていた。そのためこの国は、大きな方向変換になるはずだった機会をなくしてしまった。

 今、この国は景気は良くなった、景気を良くしなくてはならない、という声だけになり、今は景気を悪くしても将来の発展を目指していこうという(以前はそれなりにあった)声がさっぱりなくなった。ようするに、そういうことはもうやりたくないのだろう。

 去年はネット政治元年と言われたが、ネットで政治は変わることはなかった。自民党一党体制になり、原発は再稼働になり、秘密保護法は成立した。思えば、インターネットの黎明期の1990年代、アメリカではネットで政治がどんどん変わっていくのを見て、この国でもネットが本格的に普及すればネットワークが新しい公共空間になり、政治は変わると数多くの人々が思っていた。僕も心の底からそう思っていたし、さかんに書いていた。しかしながら現実には、この国は今そうはなっていない。ITで政治も経済も変わったことは変わった。しかしながら、ITがなしうるあるべき変化は起きなかった。

 なぜそうならないのか。この20年でなにが間違っていたのか。これからどうなるのか。それを考えることは、今の自分の課題なのだろうと思う。

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