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November 09, 2013

山本太郎議員の手紙手渡しについて

 秋の園遊会で天皇陛下に手紙を手渡した山本太郎参院議員が憲法で定めた「天皇の政治的利用の禁止」に抵触するとして自民党から議員辞職勧告決議案を提出すべきだとの意見も出たが、最終的に参院議長による厳重注意と以後の皇室行事への出席を禁止する処分になった。

 このことについての私の意見は、こんなことはどうでもいいということだ。私個人は天皇に手紙を渡すという行為がよろしいとはまったく思わないが、だからと言って山本氏に議員辞職を勧告することもないと思う。山本太郎参院議員が園遊会で天皇に手紙を渡した、ふーん、そうなのか、で終わりである。これ以上、これ以下でもない。

 むしろ、熊本市の県庁でくまモンが天皇と対面したということを知った時は、これは「不敬」であろうと思った。後に皇后陛下がくまモンに会いたいとの希望だったということを知り、そうだったのかと思った。

 また、違和感ということでは、今年の4月28日、政府が行った「主権回復・国際社会復帰を記念する式典」に天皇・皇后両陛下を招き、式典の最後に「天皇陛下、バンザイ」を三唱して締めくくったことに違和感を感じた。この「天皇陛下、バンザイ」は、新年の一般参賀での「天皇陛下、バンザイ」とは意味が違う。天皇は、沖縄はこの式典には反対していることを知っておられると思う。しかるに、その式典に天皇を招くということに無理矢理感があることは否めない。式典をやりたいにならば政府が政府だけでやればいいのであり、天皇を持ち出してくることはないであろう。

 当然のことながら、今の憲法では天皇は「国事に関する行為のみを行い、国政に関する権能を有しない」。しかしながら、太平洋戦争の敗戦で大日本帝国は日本国になったが、国体そのものものは維持・継承されているため日本人社会における天皇の意味は変わることなく続いている。

 今、変わることなく続いていると書いたが、江戸時代の人々は天皇というのは京都にいる公家の一番偉い人程度の認識しかなかった。また太平洋戦争の敗戦でアメリカの占領統治になった時、天皇の存続は占領統治に役立つということで継続された。この時、GHQが日本の天皇制をなくすという決定をしていたら、その後の天皇制はなくなっていた。つまり、戦後、天皇の政治的利用はないとされているが、GHQが天皇制の存続を認めたことこそ、天皇の政治的利用そのものであった。戦前であろうと戦後であろうと天皇と政治は切っても切れない関係にあり、天皇の存在そのものが政治なのである。

 山本太郎議員が天皇に手紙を手渡そうとしたのも、天皇が政治的に意味があるからそうしたのである。天皇を例えば、ただの神主の一番偉い人だと思っていたら、こんなことをしないであろう。国会で「天皇に手紙を出す」という行為がこれほどの大騒ぎになるというのみ、天皇が政治的に意味があるから騒いでいるのであり、しつこいようだけど天皇をただの神主の一番偉い人だと思っていたら、こんなに騒ぐことはないであろう。もちろん、天皇はただの神主の一番偉い人であるだけではない。「日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。」としているのは日本国憲法だけであって、実際の日本社会ではそうはなっていない。

 この「そうはなっていない」というのはなぜなのか。「そうはなっていない」のをそうさせよとは思わない。憲法とは理念であって実情を述べているものではない。しかしながら、「そうはなっていない」ということや「そうであるべきなのだろうか」ということを我々は時折考える必要がある。

 山本議員が天皇に手紙を渡した行為に対して議員を辞職させよと騒いでいる政治家たちの姿は、突き詰めて考えていくと、今の時代の国務大臣や自衛隊員も含めた国家公務員が持つべき意識としての日本国国家とはそもそもなんであるのかということになる。しかしながら、今回、山本議員への厳重注意と以後の皇室行事への出席を禁止する処分でこの話は終わりになるようだ。

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