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October 09, 2013

韓国に言うべきこととは

 10月7日の産経新聞のコラム「正論」。朴大統領がベトナムを訪れた際、ベトナム戦争中の韓国兵による婦女暴行や住民虐殺への謝罪は一切なかった。この点に日本が何らかのコメントをすることが日韓関係の改善に役立つのではないかと述べている。

「韓国の朴槿恵大統領は9月7日から5日間、ベトナムを訪れた。滞在中、大統領の口からは、ベトナム戦争中に南ベトナムに派兵された、約30万人の韓国兵が犯した婦女暴行や住民虐殺への謝罪は一切なかった。この点に日本政府が何らかのコメントをすることが、中長期的な日韓関係の改善に役立つのではないだろうか。」

 当然のことながら、こんなことで改善などするわけがない。韓国からの(不当と言われる)批判に対する日本側の姿でよくあるのが、おまえらもやっているんだから、そんなことをいえる立場ではない。よって、うちらも謝罪する必要なし、というものだ。最近も、従軍慰安婦なんかどこに国もある、だからうちらが非難されるいわれはないという発言をした政治家がいた。そう思っている日本人は数多くいるのではないかと思う。

 つまりこういうことなのだろう。ベトナム戦争中の韓国兵による婦女暴行や住民虐殺はどうなるのか、日本に文句を言うのならば、自分たちがまずきちんと謝罪しろよ、と韓国に言うことにより、韓国側がなるほど!その通りである、自分たちが間違っていた、日本に謝罪要求をする立場ではないなと気がつくという論法なのであろう。

 しかしながら、韓国がでは日本からそう言われることで、なるほど!その通りである、自分たちが間違っていたと思うかというと、思うわけがない。逆に日本が韓国にそうしたことを言うことによって、日韓関係は改善するどころか、低レベルの泥試合が延々と続くことになる。

 また産経「正論」は、米国が行った原爆投下の是非について日米はこれを政府間の協議事項とはしなかったので今日強固な日米同盟ができていると述べる。

「「米国が広島、長崎に投下した原爆は何十万という日本の市民を殺戮(さつりく)した。これを人道的な罪だとする認識と、これ以上の米兵の犠牲を防ぐためには原爆投下によって戦争を終結するしかなかったとする認識があるが、日米はこれを政府間の協議事項とはしなかった。それによって今日強固な日米同盟ができている」と。」

 べつに日本が、アメリカに東京大空襲や原爆投下といった戦争犯罪行為を糾弾することをしないから同盟関係を維持できているわけではない。そんなことはない。アメリカの戦争犯罪については、日本がきちんと言わないだけだ。しかしながら、仮に日本がこれをアメリカに言ったとしても、それで日米同盟がどうこうなるということはまったくない。歴史認識と現行の外交は別であるのは常識なのである。少なくともアメリカは、そのことをよくわかっている。

 歴史はいわば昔の話であって、もちろんそれは重要なファクターであるが、今現在の目の前にある国益や危機に優先することではない。今及びこれからがあってこそ、過去のいついつのコレコレはどうであったという話があるのであって、歴史認識がどうだから今現在の国益を得ることや直面している危機に対処することをしないとしていたら、そんな国は滅びる。だからこそ、どこの国も必死になって外交をやっているのだ。あの国は60年前の行為を反省してないから気にいらない、で済むのならばそれでいいが、先日書いたように不幸にも今の韓国にはそうした余裕はない。

 韓国に言うべきことはそうした国際感覚のなさ、現実感覚のなさである。今のボーダーレス経済は「日韓」「韓中」「日韓中」というのは、もはや様々なレイヤーで「ひとつのフレーム」になっていて、これらのフレームの動きが実質的な東アジアの国際社会を作っている。この流れから韓国も逃れることはできない。日本の歴史認識がどうこうという話は別として、この流れの中でその場その場で正しい対応をしていかないと国や企業は成り立っていかない。

産経「正論」のような、あんたの国もやっているんだから文句言うなと言うことはあまりにも低レベル過ぎる。また、日本はアメリカにそんなことを言わないから強固な日米同盟ができている、とか言うことはあまりにも対米従属丸出しであろう。

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