「米国は世界の警察官ではない」とオバマは言った
坂を転がり落ちるローリング・ストーンかと思うばかりに、アメリカの威信の低下が誰にでも知られるようになった。9月29日の産経新聞の記事「傷ついた米の威信 軍事行動判断先送り」にはこうある。
「オバマ氏は今月10日の演説で「米国は世界の警察官ではない」と明言し「すべての悪事を正すことはわれわれの手に余る」と表明した。イラクやアフガニスタンでの戦争がもたらした厭戦(えんせん)感情や財政負担を考慮した本音だろう。」
厭戦感情や財政負担を考慮を誰がしているのかと言えば、アメリカ市民である。アメリカ市民は、もはやブッシュ政権のイラク戦争のような政府のウソにだまされないようになっている。以前の様に、簡単にメディアを信じなくなってきている。このことは実は大変重要なことで、やはりアメリカは民主主義の国だと思う。米国は世界の警察官ではないというのは、オバマがそう言っているというよりも、議会がそう言っているのであり、つまりはアメリカ合衆国の国民がそう言っているのである。
産経の記事が「米国の抑止力が弱まれば、北朝鮮の核兵器開発や、テロ活動を呼び込む懸念が強まる。」と言っているのは事実であるが、それらは日本の都合であってアメリカ市民が知ったことではない。
市民が政府やメディアを疑い、自分で多くの情報を入手し、自分で考え判断していくことがアメリカのアメリカたるところであり、その意味でアメリカはブッシュ以前の健全なアメリカ市民意識に戻りつつあるということなのだろう。では日本の市民はどうなのであろうか。我々は政府やメディアを疑い、自分で多くの情報を入手し、自分で考え判断しているだろうか。
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