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May 12, 2013

アベノミクスというより、アベノバブルと言うべきだ

 10日の東京外国為替市場の円相場は1ドルが101円台まで下落し、日本経済が回復しつつあるという。いわゆる、アベノミクスである。日銀の自動車や電機などといった輸出企業が円安効果により業績が向上しているという。

 為替の変動に左右されずに安定した収益が得られる国際的な競争力を持つことが必要なのであって、円安になったから業績が上がったというのは、勿論、そうしたことは事実であると言えば事実であるが、だからといって諸手を挙げて喜んでいる場合ではない。

 もともと、最近まで製造業の低迷化の原因は、ガラパゴス化した日本の製造業がアメリカ・中国・韓国に対抗することができなかったためと言われていた。これは、まったくその通りの正しい見方であり、「為替の変動に左右されずに安定した収益が得られる国際的な競争力を持つ」ためには、なにをどうしたら良いかを模索していた。

 それが、安倍政権によるアベノミクスとらやらで株価が上昇し、円安になり、製造業はまともな国際競争力を持つのではなく、株価と円安で業績が上がるという安易な方向に向かってしまった。アメリカ・中国・韓国と真っ正面から向き合い、日本経済に欠けているものはなんなのかと自問自答する態度がマスコミにも感じられなくなった。

 日銀によるカネのバラマキは、この失われた20年間の間で何度も行われきた。それでも、日本経済は回復しなかった。今回のアベノミクスとやらは、そのバラマキの規模が大きいだけであって、やっていることは同じである。このやり方では、物価上昇と本当の意味での景気の拡大はできない。できないということが、この20年でわかったはずなのにまだやっているということは、もはやこの方法以外のことができないのだろう。

 何度も繰り返して申し訳ないが、日本の製造業は「為替の変動に左右されずに安定した収益が得られる国際的な競争力を持つ」ことが必要なのであって、それ以外のことは必要ない。しかしながら、アベノミクスとやらは、日本の製造業をそうした方向に進ませることはなく、株価と円安でひたすら延命を図るというまったく逆の方向へ進ませている。

 もちろん、株価と円安により大きな利益は得られる。しかしながら、そうした利益は「為替の変動に左右されずに安定した収益が得られる国際的な競争力を持つ」ことために使うべきであり、そうであるからこそ安易な景気回復にはならないはずだ。日本は、今が我慢のしどころであって、今はそれこそ臥薪嘗胆としてアメリカ・中国・韓国と戦う力を養う時なのである。しかし、マスコミはそうした論調にならず、日本経済が回復したかのような気分を煽っている。この「気分」で景気を良くしよう。具体的に言えば、ものをどんどん買う世の中にしようというのである。

 その一方で、円安により輸入価格が上昇し、食品や電気・ガス料金など生活必需の商品やサービスの値が上げ、さらには物価全般が上昇し、これによりデフレから脱却するというシナリオなのだろう。

 これはアベノミクスというより、アベノバブルと言うべきだ。またもや、バブル頼みなのである。

 アベノミクスでは、本当の意味での物価上昇と景気拡大は実現しない。後に残るのは、膨大な政府債務だ。そして、日本円や日本国債に対する国際信認が失墜したとき、日本の財政は破綻し、国民の生活は困窮へと真っ逆さまに落ちる。

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