沖縄から米軍がいなくなることを考えよう
今朝の毎日新聞の一面に以下の記事が載っていた。
「沖縄米軍基地:嘉手納以南返還「普天間切り離し」を撤回」毎日新聞 2013年3月31日
「政府は沖縄の米軍基地問題をめぐり、嘉手納(かでな)基地(嘉手納町など)より南の5施設・区域の返還を普天間飛行場(宜野湾<ぎのわん>市)の県内移設と切り離して進める方針を撤回し、近く発表する嘉手納以南の返還計画に普天間飛行場の返還時期も明記する検討に入った。」
しかしながら、これはおかしい。「普天間を県内に移設すれば嘉手納以南の多くの土地が返ってくる」(政府関係者)ということのようであるが、これらは根本的にアメリカ側が在日米軍再編に基づいてやっていることで、日本政府がどうこうという話ではない。日本側にはなんの決定権もないのが実情なのであるが、日本側の意思でやっているかのようにしているのだろう。むしろ、追い込まれているのは日本の側で、アメリカとしてはいかに日本からグアム移転の負担金を多く出させるかということだろう。
さらに興味深いのは、先日の沖縄タイムズにあった次の記事だ。
「在沖海兵隊 ハワイ知事が受け入れ計画」沖縄タイムズ 2013年3月12日
この記事によれば、ハワイのアバクロンビー州知事は「沖縄の基地は政治的に持続可能ではない、そろそろ解決に向けて動くべきだ」と述べ、最適な海兵隊の移転先としてハワイ島のポハクロア訓練施設への海兵隊移転を提案しているという。
このように、アメリカでは、もはや米軍基地は県外移転どころか国外移転の話になっている。抑止力として沖縄に海兵隊が必要だとか言っていた連中がなぜ黙っているのか不思議でならない。沖縄の海兵隊は、台湾有事や尖閣諸島防衛に必要だと言っていたのではないのだろうか。
ようするに、アメリカ側はそんなことはまったく思っていないということだ。「普天間の固定化は避けたい」とか、「嘉手納以南は返還するから辺野古移設をさせろ」と言っているには日本政府だけだ。アメリカとしては、普天間にも辺野古にも米軍はいなくなる。せいぜい、嘉手納の飛行場は残るということだろう。
北朝鮮の軍隊主導のハリボテ核ミサイル外交は終わりに近づきつつある。北朝鮮の変化に加え、アメリカの国防費の強制削減が加わり、いよいよ、在日米軍が沖縄からいなくなる、その初めの一歩が始まりそうだ。
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