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May 02, 2012

在日米軍の再編

 日本の意図や思いとは別に、というか、日本の意図や思いは無視して、アメリカは行動する。

 これは当然のことであって、日本はアメリカの同盟国だからとか、ゆるぎない日米関係がある(「ゆるぎない」ってナンだよ)(笑)とかいうことはまったく意味を持たない。

 さて、4月29日の日経社説には

「移設をさらに遅らせれば、米議会などの見直し論はさらに勢いづきかねない。そうなれば、現行案は白紙となり、結局、普天間の固定化を招く恐れがある。そんな最悪の結末を避けるため、今こそ移設を急がなければならない。」

 とあるが、沖縄の状況を見れば、辺野古移設はできないことは明らかだ。日経に限らず、日本の大手マスコミで辺野古移設は不可能とはっきり言っているところはひとつもない。むしろ、アメリカの議会の方が正しく現状を正しく認識している。

 何度も書いて恐縮であるが、沖縄は「県外移転せよ」、沖縄以外の都道府県は「うちにくるな」と言っているのである。これが今の状態である。ようするに、沖縄県も含めた日本の全都道府県は在日米軍は日本から出て行って欲しいと言と言っている。

 原発の場合、国の政策と地方の利益を一致させて原発を置くやり方を行ってきた。そして今日に至っても、財政を考えると原発を稼働させるしかないみたいなことを言っている地方自治体はまだある。しかしながら、在日米軍基地の場合、沖縄に対して国は政策と地方の利益を一致させる手をこれまで使ってきたが、もはやその手は通用しなくなった。ここまで話が大きくなった今、辺野古移設が通るようになったのならば、カネで受け入れを承認したのかと騒がれることになるだろう。沖縄はカネはいらないから米軍出いていけと言っているのであり、そうなるとカネで物事を解決してきた政府には打つ手がなくなる。

 というわけで、(何度も書いて恐縮であるが)沖縄は「県外移転せよ」、沖縄以外の都道府県は「うちにくるな」と言っている、ということはどうなるのかというと、普天間に居座るまま、ということなる。

 これを「普天間の固定化という最悪の事態」と考えるべきなのか、どうか、ということである。

 ちなみに、政府及び大手マスコミの思考法だと、これを「普天間の固定化という最悪の事態」と考える、の次には「だから、辺野古移設をすべきだ」となり、「そうすることによって普天間の負担を軽減できる。これが沖縄のためである」と続く。

 しかし、そうなのだろうか。これは「普天間の固定化」になるのだろうか。

 私の考えは、「普天間の固定化」になることはなる。先の述べたように、普天間に居座るまま、ということなる。ただし、おの「固定化」「居座るまま」をどう考えるかといことで見方が変わる。

 この見方について、以下の2点を挙げたい。

 上記の日経社説によると、

「日米合意によると、沖縄に駐留している約1万9000人の米海兵隊のうち、約9000人をグアムやハワイ、オーストラリアに分散させる。グアムには約4000人が移るという。」

 とある。つまり、普天間基地の内容が縮小するということだ。

 今の時代は、沖縄に大規模の海兵隊を置くことはもはや抑止力にならない。親米のみなさんは、沖縄に在日米軍があることで東アジアの安定維持できるとかなんとか言っているが、それは与太話しだと思っていい。

 現に「沖縄に駐留している約1万9000人の米海兵隊のうち、約9000人をグアムやハワイ、オーストラリアに分散させる。グアムには約4000人が移る」。そういうことをやっても、アメリカは安全保障上問題ないからやる。沖縄に大規模な海兵隊を置き続けることは必要ないということだ。このことについて、沖縄の海兵隊を削減するなどとんでもない。沖縄は抑止力として必要だ、とか言っていた親米のみなさんはどうするのだろうか。

 その意味で親米のみなさんは、日本側のことしか考えない人々であり、アメリカが弱体化して欲しいと言っているのだと思って差し支えない。ゆるぎない日米同盟が必要だと言っているのは、日本人と親日アメリカ人だけだ。アメリカは、もはや日本など眼中にない。日米安保条約の範囲内でアメリカはやるべきことはやる、それだけだ。

 今回も沖縄の海兵隊を日本国外に分散は、こうしたことを行っても日米安保範囲内での日本防衛の義務は果たせると判断したから行うのである。アメリカは在日米軍の再編と縮小の方向へ進み出した。

 日本側は、日米安保に基づき、この判断が正しいのかどうか考える必要があるのだが、そうしたことは政府も大手マスコミもしないようだ。

 いずれにせよ、「普天間の固定化」はする、固定化するが、その内容が大きく変わる。海兵隊はこれまでのような普天間依存が低下する。「普天間返還」にこだわり、「普天間返還」ができないのならばダメだ的な見方は短絡である。

 もう1点は、アメリカ議会上院のレビン軍事委員長らの言う嘉手納統合案である。

 私は、この嘉手納統合に成らざる得ないと思う。これからの進むべき方向は、軍事委員会が主張する嘉手納統合だと思う。ただし、これは沖縄から見れば辺野古から嘉手納に変わっただけ、「県外移転せよ」と言っているではないかという声があるだろう。これもどのような内容で嘉手納に統合しようとしているのかということが重要だ。

 在日米軍の縮小は、この先さらに行われるだろう。今後、沖縄の海兵隊のさらに大規模なグアム移転もありうる。北朝鮮が崩壊し、韓半島に統一国家ができれば、沖縄の戦略的意味はさらに変わる。

 普天間がどうこう、辺野古がどうこう、嘉手納がどうこう、沖縄がどうこう、日本がどうこう、というのは部分であって、アメリカはもっと大きなグローバルな視点で、同盟国である韓国やオーストラリアなどとの関係の強化も踏まえて米軍再編を行っている。

 では、日本の安全保障はどうするのだろうか。日米安保に依存し続けてきたこれまでのやり方が、いやでもできなくなる。そうした時代が、もうまもなく来る。

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