素直な目で世界を見て、基本に戻って考える
先日、「日本の家電産業の終焉」というブログ記事を書いたが、日本の家電産業が終わってしまっては私も困るし、我々の税金で保護される産業になってもらっても困る。「日本はこれからそもそも何でメシを食っていくのか」ということを考えねばならなくなる、ということは、もっと具体的に言うと、中国・韓国との競争に、どうすれば対抗できるかということを真剣に考えなくてはならない、ということだ。もっと言うと、中国・韓国に勝つためにはどうしたらいいのかを考え実行していく、ということだ。
中国・韓国の製品の方が品質も十分で価格も安い。だから、日本企業は勝てません。どうしましょう。で、以上オワリ、では話にならない。NHKスペシャルや日経新聞の番組や記事であればそれでいいだろうが、企業の現場はそうはいかない。
この状況ではどうあっても勝ち目はない、という状況であっても勝つ方法を考えるのが経営戦略の務めである。実際のところ、こうした中国・韓国に対しての今の日本の置かれた状況であって、いくつもの策は考えられる。ようは、マネジメントの話であり、戦略の話なのだ。そのために経営戦略論がある。
戦後半世紀間の「ニッポンのやり方」が通用しなくなっただけのことであり、新しい状況の中で、新しいやり方を考えていけばいい。もう一度、白紙の状態から今の状況を客観的に正しく捉え、中国・韓国がコレコレであるのならば、我々はコレコレでやっていこうと進むべき道を見いだすのである。それは素直な目で世界を見て、基本に戻って考える、ということだ。
新しいことを考える、そしてその考えに基づいて新しいことをやっていく。日本経済が弱いのはこの点だ。戦後半世紀、先人が作ってくれた「ニッポンのやり方」をただ実直に守り、黙々と働き、アメリカ及び世界のマーケットに自動車や家電を売って経済大国であり続けたのだから、そうなったのもしかたがないとも言える。しかし、この先それが通用しなくなったのだから、いつまでも「これまでのニッポンのやり方」に従って終焉するのを待つのではなく、「新しいニッポンのやり方」を作って中国・韓国の企業に対抗していかなくてはならない。
新しいやり方がわからない、作れない、日本を取り巻く今の国際社会(そこには、アメリカやヨーロッパだけではなく、中国もあり、韓国もあり、香港、台湾、ベトナム、タイ、マレーシア、シンガポールがあり、ロシアがある、インドがある)がどういうものかわからない。だから、古いやり方に固執するしかなくなる。しかし、心の中では、このままでは、この国の将来はないことはみんなわかっている、でも、新しい道がわからないからどうしようもない。今の日本社会の閉塞感の原因はここにあると思う。ガラパゴスな日本で、閉塞感の中で衰退していくだけになってはならない。中国・韓国と戦うために、やるべきことは山のようにある。
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