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May 02, 2011

古い原子力の時代は終わった

 今回の福島原発事故をきっかけとして、現在稼働中の原発を全部なしにして、危険なのでもう原子力を使いませんという方向に全面転換するかというと、そうはならないようだ。

 むしろ、これまで覆われてきた原発の安全性やエネルギー資源について、オープンかつ活発に論じるようになっってきた。東電がこれまでやってきたことや、危機管理のずさんさ、国の原子力行政の問題を大手マスコミも堂々と扱うようになってきた。ある意味、これは当然のことというか、本来、こうであったはずなのだ。大前研一さんが言うように、原子力の時代は終わったのだろうが、それは、これまでのような原子力の時代は終わったわけであって、これから、原子力も含めて、必要十分な量の、かつ、コストが安く、かつ、安定供給ができる電力を発電し送電し配電するにはどうしたいいのか、ということ最初から考え直すという作業が待っている。我々国民は、これまでそうしたことを電力会社及び政府に丸投げしていた。今回の件で、そうしたことを企業や国にまかせて、無関心であるとロクなことにならないということがよくわかったわけだ。

 これからは、国民が行政や企業を監視するシステムが必要だ。もちろん、本来、そうしたことはメディアの仕事であるが、この国では官・民・マスコミが一体化して利益団体を作るので、社会への健全なチェック機能が働かない。しかしながら、今やその役割をネットが果たしている。

 もうひとつの課題として、今ある原発をどうするのかということだ。継続運転するにせよ、原子力はやめにして原子炉は全部廃炉にするにせよ、今ある原発での災害や事故への事前対策や危機管理、そしてそもそも核廃棄物処理をどうするのかということをはっきりさせる必要があるだろう。そのためには、さらに原子炉や原子力についての知識、技術、ノウハウを蓄積していく必要がある。

 つまり、これから必要なのは、ソフトバンクの孫正義社長が提唱した「自然エネルギー財団」のような自然エネルギーの普及を促進する機関とともに、新しい(というか、当然で普通であたりまえの)原子力テクノロジーの研究・開発や、人々へのパブリシティや教育を行う組織だ。閉鎖的でゆがんだ原子力の時代は終わった。

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