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February 2010

February 27, 2010

中国はチャイナ・ウェイを歩く

 News Week紙(Dec 8, 2009)の記事"Why China Won't Rule the World"について考えたい。

 このタイトルは、イギリスのジャーナリストのマーチン・ジャクスの新刊本"When China rules the World"からきているのだろう。この記事が言わんとすることは、簡単に言えば次の二つである。ひとつ目は、中国にはまだまだ数多くの問題があるということであり、もうひとつは、そのことを当の中国人自身はよく知っているということである。ミンシン・ペイのこの指摘は正しい。

 正しいが、例えば、政府系の投資ファンドの中国投資有限責任公司(CIC)を、まるで取るに足らない、いち投資ファンドであるかのように見ているのは間違っている。その意味では、古森義久の『アメリカでさえ恐れる中国の脅威!』の方が、というか、アメリカ議会の常設政策諮問機関「米中経済安保調査委員会」の方が、CICの存在を大きく見ている。国のカネをバックにして、採算を度外視して、政府の方針に従って投資を行うCICは、自由資本主義を前提とする今の国際金融の中でいかにやっかいなものであるか、ミンシン・ペイはそのことが理解できていないようだ。

 外交について言えば、時に国際法を無視しても自国の利益を追求する巨大な国家がここに発生した、ということの本当の意味が理解できていない。ミンシン・ペイは、Another puzzle: if China is so strong, why doesn't it show more leadership in addressing global problems? だから、中国は国際的なリーダーシップをとることができない、と書いているが、こんなことはpuzzleでもなんでもない。そもそも、中国は、欧米が定めたルールに、すべて従う意志は毛頭ありません、という国なのである。欧米が定めたルールに基づいたリーダーシップなど、とるわけがないではないか。

 このへん、同じNewsWeekで、国際版編集長のファリード・ザカリアは、中国は超大国になるのだから国際社会のルールに従い、世界の先進国の仲間に入るべきだみたいに書いているが、そんなことを中国がやるわけがない。中国は、堂々と(笑)インターネットに検閲や規制をかける国なのである。

 我々は、思想や情報の自由や表現や交換こそ文化の中核であると考えている。しかしながら、中国はそうは考えない。少なくとも、今の中国政府はそう考えていない。だからこそ、グーグルは中国から撤退したのだ。グーグルの中国撤退は、たんにビジネスの話しだけではなく、欧米と中国の社会思想の違いとしても捉えたい。ただし、ネットは欧米の普遍性とも違うワールドだ。いかなる国家も、ネットを管理することはできない。中国ができるものならやってみろ!である。

 かつて19世紀、東洋の小国日本は、欧米の中国侵略を見て、自国もまた近代国家になり、欧米列強の仲間に入ろうとした。その具体的な方法として、日本は欧米が作った国際社会のルールを学び、そのルールに従い、そのルールの上で、帝国主義をやろうとした。このあたりは、いじらしいほど、日本は欧米が作った国際社会のルールに協調してきた。(しかしだからといって、侵略された側はたまったものではなかったが。)

 しかしながら、今の21世紀の中国はそうではない。中国は、欧米が作った国際社会のルールに協調しつつも、中国のやり方で国際社会に関わっていくだろう。中国は、チャイナ・ウェイを歩く。

 中国には、中国の普遍性がある。今、起きていることは、中国という新たなパワーが出現したので、欧米の普遍性に基づき世界覇権がアメリカから中国に移動する、もしくは移譲する、ということではなく、欧米の普遍性とは別種の普遍性が、この地球社会に表れわれた、ということなのである。

 中国は欧米の普遍性に同意し、その上でのリーダーシップをとる意志はないだろう。中華帝国としての中国の世界覇権とは、中国が自ら覇権国として行動するのではなく、(その昔は、朝鮮とか倭国とかいった)周辺の国々の方から自ら進んで、中国皇帝の前で頭を垂れ、中華文明に徳化されることを求めるといことである。今の中国が求める未来の夢は、燦然と光輝く中国の前に、欧米が自ら進んで頭を垂れ、中華文明に徳化されることを求めるということであろう。

 大陸的規模で市場を持ち、豊かな天然資源を有し、膨大な人口を抱える中国は、現在の世界覇権国であるアメリカを越える可能性が高い。ちなみに「越える」と明確に言うのが、例えばNewsweekに最近よく書いているマーチン・ジャクスである。今の私は「越える可能性が高い」としか言えない。その理由は別途書きたい。

 いずれにせよ、100年のタイムスパンで見た場合、政治的にも経済的にも軍事的にも、弱小パワーとなる欧米が中国の普遍性を前にしてどうするのかということなのである。

 これはもはや、国際社会でのリーダーシップを中国がとるとか、とらないとか、そういう低レベルの話しではない。

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February 23, 2010

中国の脅威!!

中国の脅威!!


 産経新聞社の古森義久氏の最新本『アメリカでさえ恐れる中国の脅威!』を読む。内容は、アメリカ議会の常設政策諮問機関「米中経済安保調査委員会」の2008年度の年次報告書の抜粋である。この機関の主目的は「米中両国間の経済関係がアメリカの国家安全保障に及ぼす影響を調査する」ことであるという。この報告書によると、中国は人民元を操作し、膨大な資金を持つ国営ファンドを運営し、高度な科学技術を有して、大量破壊兵器を保有し、時には国際法を無視した主権拡大の策謀を行い、アメリカや日本にサイバー攻撃をしかけるという「中国脅威論」そのものの報告書である。

 ある意味で、国際社会から見た中国はその通りである。ある巨大な国が、これから国際社会の中で大きな位置を占めようとしているのだから、こうしたことは「当然のこと」であって、驚くべきことではない。アメリカから見れば、中国の台頭は「困ること」であろう。しかしながら、アメリカが困ろうが、日本がどうなろうが、中国は中国の道を行くわけであり、アメリカはこれまでそうしてきた。同じことを、中国もやりますよというわけである。

 いまや経済大国第二位の国になった中国がこうしたことやっているのは、何度も書くが「当然のこと」であって、驚くことでもなんでもない。そうしたことに対して、では、こっち側はどうするのか、ということなのである。

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February 20, 2010

中国新声代

中国新声代

 ふるまいよしこの新刊本『中国新声代』を購入する。

 この本は極めて重要な本だ。この本は、今の中国の、女優、漫画家、ブロガー、企業経営者、文化人、ビデオクリエイターなどの人々のインタビュー本である。まず、そういった人々の声を日本のメディアは扱わない。しかしながら、当然のことながら、中国にもそうした人々がいて、いろいろなことを考えている。

 中国は、共産党の独裁国家である。中国のような巨大な国が、国家として統治するためには、ある程度の独裁国家である必要がある、のか、そういうわけではない、と考えることができるのか。このへん、ヤヤコシイ話しになるので、ここでは触れない。

 触れないが、自由に発言したり、自由に書くことができない、というのは「おかしい」と私は思う。この「おかしい」と思うのは、私が20世紀後半の日本に生まれ育ち、21世紀の東京に住む日本人であるからそう思うのであって、例えば、江戸時代以前の人であれば、そうしたことを「おかしい」と感じることはないであろう。しかし、21世紀の今日、中国の人であろうとなかろうと、やはり、そうしたことは「おかしい」と感じるのが当然だ。

 今の中国に対して、そうした「おかしい」と感じる感じが、このインタビュー本を読むとよくわかる。その感じ方が、例えば、日本の東京にいる私も共感できる感じなのである。特にネットは、中国のような言論統制社会において、ものすごく大きな意味を持つ。日本のような、意味があるんだか、ないんだかわからないものとは違う。

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February 17, 2010

三島なう

三島なう
仕事で三島へ行く。

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February 11, 2010

iPad買うかも

 iPadが出版業界の危機を救うか。ていうか、数多くのみなさんがiPadで活字を読むようになるかどうか。とりあえず、日本でもiPadが出たら買うかどうか考えている。いや、買うだろうな。アメリカの新聞や雑誌もリアルタイムで買えるし、本もすぐに買えるのだから。一昔前から見れば夢のような時代になった。

 最近、電車に乗っていて、結構よく見かける光景が、タッチスクリーンで新聞やレポートなどらしきものを読んでいる光景だ。それがiPhoneなのかどうかまではわからないのだけど、iPhoneなんだろうと思う。だんだん、小型メディアのディスプレイはタッチスクリーンになっていて、指先で画面をなぞってスクロールさせる方法が多くなってきたのかもしれない。携帯電話でiPhoneを使いたいとは思わないのだけど、ネットを見たり、メールを読み書きしたり、情報管理をしたりするツールとしてはiPhoneはいい。あー、となると、iPadを買う前にiPhoneを買うかも。

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考えるな 己の心を見ろ

 前回の大河ドラマ「龍馬伝」で、吉田松陰が龍馬に「考えるな。己の心を見ろ。」と語る。この言葉に感動する。このシーン、松陰が龍馬をボカリと殴り、「考えるな」と言った時点で、ワタシのアタマの中ではブルース・リーのあの名言が浮かんだが、松陰は続いて「己の心を見ろ」と言った。ブルース・リーの言う「感じろ」ということよりも、より具体的なのである。

 「考えるな。感じろ。」というのは、武術において重要なことであるが、松陰先生が龍馬に言った「考えるな。己の心を見ろ」には、もっと人生全体を覆うような大きな意味を感じる。さらに、松陰は言う「そこにはもう答えがあるはずじゃ!」と。このへん、史実としての吉田松陰のキャラクターに合っていて説得力がある。吉田松陰というのは、こういう人だったのだろう。

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