Obama in China
もっかのワタシは、日頃、仕事していたり、食べていたり、寝ていたりしたりしている以外は、中国拳法の稽古をしていたり、中国や韓国の映画を見たりして、日々、(ワタシのイメージする)中国と向き合っているわけであるが、そうした(ワタシのイメージする)中国とは別に、リアルな、というか、日本海の向こう側の中国大陸にある中華人民共和国は、先月、建国60年を迎えた。
第二次世界大戦が終わり、日帝の侵略が終わってさあよかったね、というわけではまったくなくて、現代中国はその時から激烈な内戦に突入し、凄惨な時代になる。元日帝だった隣国リゥーベンは、戦後復興から高度成長へと夢と希望に溢れていた時代、中国では(朝鮮もそうだったけど)陰惨な時代へとなっていった。日本の戦後60年はいろいろなことがあったが、中国の現代史60年も、それはそれはモノスゴイ日々であった。先日レンタルのDVDで見た映画『戦場のレクイエム』は、国共内戦で国民党と戦う人民解放軍の、とある兵士の半生の物語で、日本人が3丁目の夕日をやっていた頃、中国はこうだったんだなと考え込んでしまった。
そうしたモロモロのあった60年を経て、今の中国に至る。
今年の10月1日の国慶節のイベントについて、日本にいると、というかおそらく中国以外に国々でも、あまり見ることはできなかったのではないかと思う。ネットで断片的にしか見ることはできなかった。今の中国の人々にとって、この60年こそ、人生に大きく関わってきた60年だったであろう。この60年、イロイロあったということは、それはそれでわかる。しかしながら、中国人ではない、東夷の国に住む私が「見る」中国は、この60年だけではなく、さらにその前の数千年の時間スケールで中国を「見て」しまう。
中華人民共和国は革命政権である。革命政権は、そのイデオロギーを他国に「強要」する。しかしながら、中華帝国の他国支配の伝統は、他国に自己のイデオロギーを「強要」するのではなく、「順化」させることにある。歴史的に言えば、中国以外の民が、中国を見た時に、「ああ、中国はなんと良い国なのであろう。ああいう国と国交を持ちたい」という気分にさせるナニモノカが中国にあったから、日本も朝鮮も、その他の国々も中華帝国に臣下の礼をとったのである。
では、そのナニモノカが、今の中国、中華人民共和国にあるのであろうか。
ちなみに、現代史で言えば、そのナニモノカをもっているのがアメリカであった。「であった」し、これからも「である」であろう。アメリカの持つ、そのナニモノカとは、一言で言えば「自由」である。そして、これこそ、今の中国の政権にないものである。そして、アメリカもまた革命政権であるが故に、そのイデオロギーを他国に「強要」することも行ってきた。「行ってきた」し、これからも「行っていく」であろう。
16日の上海科学技術館でのオバマの演説を聴いて、上記のようなことを思った。
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