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November 2008

November 24, 2008

「格安生活圏」ビジネスはさすがです

 ブログ「Chikirinの日記」の「格安生活圏」ビジネスを読んで、これはなるほどと思った。収入に格差があるのに、今の日本では、支出に格差がない。つまり、年収200万の人々がいれば、それらの人々に合わせた格安の生活環境(住居費、光熱費、教育費、食費等)があってしかるべきなのであるのに、今の日本ではそうしたものがない、という主張に、言われてみるとなるほどと思った。確かに、外国では格安の生活環圏が当然のようにある。日本ではなぜないのか。タテマエ的に一億層中流の社会だったので、そうしたものが必要なかったのであろう。しかしながら、これからそうした階層が大きくなれば、それを対象としたビジネスが出てくるのは当然である。

 しかし、この国で格安生活圏を作ろうとすると、ワカイモンの多くがそっちへ行ってしまうから、そんなものは作ってはイカンと言うヤツがいるだろうなと思う。日本の国際競争力が低下するとかなんとか言うであろう。であるのならば、正規雇用の場をきちんと作るべきだと思うが、そうしたことはしないのである。

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2008年の大統領選挙を考える その1

 民主党の時代の始まり

 2008年のアメリカは、イラク戦争の泥沼化や金融危機といった大きな問題に直面していた。これに対して、共和党は72歳の老人マケインと、アフリカを国名だと思っていたというアラスカ州知事のペイリンをもってくることしかできなかったということに、もはや勝敗は決まっていた。メディアがオバマ支持に偏向していたと言われているが、基本的にアメリカのメディアはリベラル系と保守系に別れている。リベラル系のメディアがオバマを支持するのは当然であろう。結果として、民主党のバラク・オバマが大統領に当選した。合衆国史上初のアフリカ系の大統領である。連議会の上下両院選でも民主党が、上院・下院ともに過半数を大きく上回った。以後、アメリカは民主党の時代になる。

 ただし、だ。「もはや勝敗は決まっていた」とも言える程、マケインの勝利はなかったのであるが、実際の選挙結果を見てみると、オバマが大量投票数をもって勝利したわけではない。こんな「マケイン・ペイリン」であるのに、それでもなおも共和党に投票する人が数多くいた。オバマが圧倒的多数の支持で大統領になったというのは、獲得選挙人の数であって、投票率では、オバマは53%、マケインは46%であった。オバマは選挙人が多い州で、票を獲得しただけだ。その意味では、選挙戦術が巧みであった。このへんが、アメリカのアメリカたるところであろう。全米の46%もの人々がマケインがいいと判断したのだ。逆から言えば、それほどアメリには多様な考え方があるということだ。アメリカは、全部が一色になることはない。


 富裕階層からの増税は可能なのか

 第44代大統領がオバマになろうと、マケインになろうと、アメリカが抱えている次の問題から逃れることはない。問題とはなにか、政府にカネがない、という問題である。

 そもそもの始まりは、「政府にカネがない」ということだった。大ざっぱに言えば、ベトナム戦争で敗退し、60年代のケネディ・ジョンソン政権に広げた大風呂敷のツケがまわってきた70年代あたりから「政府にカネがない」ということが大きな問題となってきていた。なぜ、カネがないのか。軍事費に膨大な予算を使っているということもあるが、簡単に言うと、福祉・社会保障、教育、公共インフラにカネがかかるということなのである。年々、膨れあがる福祉を前にして、さあ、どうしたいいのかと考えて、出した結論が、富裕階層や大企業に対して減税と規制緩和を行い、自由にビジネスを展開してもらうことによって企業の収益を上げ、結果的に税収を上げようということであり、そして、歳出である福祉や教育の予算は大幅にカットする、従って、政府の財源はこれによって増えることになる、というシナリオであった。

 この政策を掲げ大統領になったのがレーガンであった。レーガン政権以後、基本的には、この路線でアメリカはやってきた。その結果、富裕階層はますます豊かになり、貧困階層はますます貧困になる格差社会がもたらされた。ブッシュ政権の8年間で明確になったことは、富裕階層や大企業を優遇することによって経済を活性化させ、結果的にそれが貧困階層も含めた社会全体の経済を上げていくということは、「ない」ということである。こんなことは、レーガン政権の時から言われてきていたが、これで本当にわかったと言ってもいいのではないか。もちろん、このことにより先端的な産業は飛躍的に進歩した。新自由主義の経済政策の功罪については、これはこれで別に考えたい。

 自由競争、市場主義、規制緩和は、結果として、サブプライムローン問題を起こし、それが世界経済を揺るがすことになってしまったことは否定できない。資本主義は、自由勝手にさせるとロクなことにならないということが、証明されたようなものだ。「資本主義は、自由勝手にさせるとロクなことにならない」ということは、かつての世界恐慌の時に学んだはずなのであるが、同じ誤りを繰り返したことになる。

 しかしながら、そうした共和党の新自由主義の経済政策が間違っていたところで、それでは、「政府にカネがない」という問題に対してどうしたらよいのか。

 オバマ政権の経済政策は、ここから始まると言ってもいいだろう。オバマ政権は、金融機関への援助や国民健康保険制度の改善を述べているが、実際のところ、連邦政府にそのカネはどこにあるのか、ということであろう。なにしろ、勤労者世帯の95%に減税をすると言っているのだ。これを富裕階層への増税でまかなえるのであろうか。今のボーダーレスな時代は、その国では税金が高いとなると、富裕階層は資産を税金の安い国に移動させることができる。国家は、マネーを統制することはできない。企業活動も同様である。あまりにも規制を強くすると、企業はもっと規制が弱い国へ移転することが可能だ。結果的に、国の財源は減り、労働者の職場がなくなることになる。もちろん、そうしたことをオバマ政権はよく知っている。つまり、オバマ政権がやろうとしていることは、ボーダーレス経済におけるニューディールとは、いかなるものなのかということだ。そもそも、そうしたことができるのかどうか。少なくともそれは、国家と経済の関係を再定義することになるだろう。

 資本主義は、自由勝手にするとロクなことにならない。しかしながら、資本主義は自由勝手でなくては大きく活動することができない。であるのならば、資本主義に自由を与える、と同時に規則の徹底化、規則違反への強力な懲罰を行う仕組みを作るしかないであろう。しかし、ブッシュ政権で始まった金融危機はオバマ政権になったから収まるというものではない。むしろ、これから始まると言ってもいい。かつて、クリントン政権の時、国民健康保険をなんとかしようという試みがあったが、とてもなんとかなるものではなくて結局もなにも改善されないままで終わってしまった。あの時期より、状況はさらに悪化している。オバマ政権は、これからそれらに直面する。

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November 15, 2008

Yes We Can - Barack Obama Music Video

 思えば、オバマが大統領になるためには、ブッシュという最低の大統領が必要だった。2000年の大統領選挙でアル・ゴアが選ばれたとしても、ここまで大きな変革は起きなかった。ブッシュのアメリカ、こんな世の中は嫌だという意識がオバマを大統領に選んだ。政治は、希望の光を人々に示すものである。今のアメリカの政治を見ていると、それがよくわかる。

"Yes we can.

It was whispered by slaves and abolitionists as they blazed a trail toward freedom through the darkest of nights.

Yes we can. Yes we can.

It was sung by immigrants as they struck out from distant shores and pioneers who pushed westward against an unforgiving wilderness.

Yes we can."

何度聞いても感動する。

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November 07, 2008

それぞれのアメリカ

 マケインの敗北演説を聴く。オバマとマケインの演説を聞き比べてみると、オバマにはカリスマがあるが、マケインはただの人、というか、年老いた政治家という感じである。オバマの対戦相手になるには、あまりにも役者不足だった。マケインを大統領候補にした共和党は、いかなる意図があったのかよくわからん。

 マケインの敗北演説の会場に集まった人々を見ると、明らかに、みなさん同じというか。少なくとも、オバマの演説会場にいる人々とは違う階層というか、人々の集まりである。こういう人たちが、共和党の支持者なのだなと思う。

 今回のマケインの敗因にひとつにアンチ・ブッシュの世論がある。ブッシュ路線ではダメ、マケイン路線でもダメ。今後の共和党は、どうなるのであろうか。

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November 06, 2008

Yes, we can.

 シカゴでのオバマの勝利演説を聴く。感動する。アメリカ史上初のアフリカン・アメリカンの大統領が誕生した。これによって、レーガン以後の共和党保守主義のアメリカは終わりを告げた。そして、北部の都会のリベラルが大統領になったのはJFK以来のことなのだ。

 しかしながら、共和党時代の数多くの問題がオバマに渡されたことになる。アメリカの覇権は、大きく傾き始めており、元に戻ることはない。その道のりが今始まったと言えるだろう。この先にいかなる困難が待っていようとも、一国の指導者は、人々に希望の光を与えなくてはならない。オバマは、それができる大統領である。

 オバマは語る。
"America, we have come so far. We have seen so much. But there is so much more to do. So tonight, let us ask ourselves -- if our children should live to see the next century; if my daughters should be so lucky to live as long as Ann Nixon Cooper, what change will they see? What progress will we have made? This is our chance to answer that call. This is our moment.This is our time, to put our people back to work and open doors of opportunity for our kids; to restore prosperity and promote the cause of peace; to reclaim the American dream and reaffirm that fundamental truth, that, out of many, we are one; that while we breathe, we hope. And where we are met with cynicism and doubts and those who tell us that we can't, we will respond with that timeless creed that sums up the spirit of a people: Yes, we can."

 そう、Yes, we can. and Yes, they can. アメリカはそういう国だ。

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November 04, 2008

空幕僚長の懸賞論文を読んでみた

 田母神俊雄航空幕僚長の「定年退職」になった問題の懸賞論文を読んでみた。

 一読して、これはどうも産経新聞社の『正論』や文藝春秋の『諸君!』のような内容だなと思った。日本は侵略国家だったというのはぬれぎぬである、ということについて読むならば、小林よしのりの『戦争論』の方がもっといいと思う。コミンテルンの陰謀によって、日本は日中戦争に引きずり込まれた、さらに、アメリカとの戦争もコミンテルンの陰謀であった、だから日本は被害者であって悪くないという論法(?)には、はあっ?としか言いようがない。国際的な謀略があったことは事実である。そして、それに日本は巻き込まれたというのも事実である。しかし、それだけで、大日本帝国はあの戦争を行ったわけではない。しかも、やって負けて、後になって、あれは陰謀の巻き込まれただけだ、俺たちは侵略者ではない、というのが通用すると思っているのであろうか。そうしたことを主張したいとするその気持ちはよくわかる。しかし、英米及び中国側の視点も踏まえた視野で、あの戦争を論じているとは到底言えない。自衛隊の将官が、この程度の世界認識であっては困る。

 なお産経新聞は、「田母神氏は「第2の栗栖」として歴史に残ることになった。」と書いているが、栗栖元統幕長の更迭とは内容が根本的に違う。名古屋地裁でイラクの空輸支援が憲法違反の判決になった時、「そんなの関係ねえ」と言ったことで、現場自衛官の何の意味にならない、この空幕僚長は何を言っているのかと私は思った。その人と栗栖元統幕長を同じにしないでもらいたいものである。

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November 01, 2008

Change We Need

NYTはOct,23の社説でオバマ支持を表明している。
Barack Obama for President
"Hyperbole is the currency of presidential campaigns, but this year the nation’s future truly hangs in the balance.The United States is battered and drifting after eight years of President Bush’s failed leadership."

NYTだけではなく、数多くのメディアがオバマを支持している。今、アメリカは大きく変わりつつある。ブッシュ時代が終わりつつある。

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