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August 2008

August 14, 2008

『ドラゴン・キングダム』を観る

 『ドラゴン・キングダム』を観た。ジャッキー・チェンとリー・リンチェイ(ジェット・リー)の初共演のアクション・ファンタジー映画である。ジャッキー・チェンは、あの年齢で見事な、ジャッキー・チェンらしいアクションをしている。特に、ひさしぶりに見る酔拳がいい。ジャッキー・チェンのコミカルさもあって、ジャッキーは酔拳が実にいい。リンチェイは、いつも通り少林拳の優等生とも言うべき見事な少林拳の動きを見せる。この二人が出て、戦うということで、それだけで、全世界のカンフー映画ファンはこの映画を見るであろうが、それだけではなく、アクション・ファンタジー映画としても楽しめる内容になっている。この二人が出るとなると、シリアスな武侠物語ではなく、ファンタジーでやるしかないのかもしれんなと思う。

 五行山とか孫悟空とか白髪魔女傳(はくはつまじょでん)のキャラクターも出てきて、アメリカの映画ながら、中国の武侠物語、カンフー映画をよく知っている人ならば、おなじみの話がベースになっているのでわかりやすい。さらに言えば、暴力に弱い青年が、旅と武術の修行によって強くなり、最後に自分をいじめたヤツをやっつける、かつ、美少女との出会いもあって、という、いわばこのジャンルの物語の王道の話になっている。

 ただし、ジャッキーとリンチェイのアクションそのもので言えば、動きの見せ方がよくないような、見ていてよくわからないような見せ方をしてる。アクション監督が同じユエン・ウーピンでも、『スピリット』の方がだんぜんいい。

 リンチェイは、過去の映画の中でドニー・イェンと2回戦っているが、この2回ともカンフー映画史に残る見事なアクションシーンなのであるが、今回のジャッキーとリンチェイが戦うシーンは、それらと比べて良いかというと、うーむ、良くない。見せ方がよくない。まあ、この二人の戦いのシーンについてだけなのだけど。

 この二人は戦いのアクションの内容が異なる。コミカル・アクションで京劇的なジャッキーと、少林拳の見事な表演的なアクションのリンチェイの二人が戦うシーンはむずかしいだろうなあとは思う。さすがのユエン・ウーピンでも、それはできなかったのか。

August 10, 2008

もう一度、国際柔道について

 もう一度、国際柔道について考えたい。

 当然のことながら、試合はルールに縛られる。今の国際柔道が、柔道どころかレスリングのようなもの、それも本当のレスリングならばもっと見事の寝技をかけることができるが、中途半端なものになっているので、柔道でもレスリングでもない、なんなのかわからん、少なくても断じて柔道ではないものになっているのは、すべて今の国際柔道の試合ルールによるものだ。

 選手であるのならば、試合に勝とうとする。試合での勝利を求める。そのためには、あらゆることをやる。自分の稽古のすべてを試合に即したものにする。ルールという限定された動きの中でどうやってポイントをかせぐかか目的になってしまった。ここでは、本来の柔道はどうであるのか、どうであるべきなのかという意識はない。何度も書くが、そんなことを考えていたら試合に勝てないのである。試合で勝ち負けを競い合う。それはスポーツとして当然のことであるが、それが今日の柔道を本来の姿とは大きくかけ離れたものにしてしまった。特に、オリンピックの柔道は、スポーツ化した柔道が行き着いた先の姿だと思う。それが、あれなのだ。何度も言うが、あれは柔道ではない。

 ちなみに、空手もまたオリンピックでの公式競技になろうとする動きがある。結局、スポーツになると、やることは最後はオリンピックで試合をすることのようだ。日本柔道の誤りを空手もまた繰り返そうとしている。

国際柔道は柔道ではない

 北京オリンピックの柔道の試合を見て、毎度、思うことであるが、国際柔道は柔道ではないなと私は思っている。何でまあ、柔道がこんな姿になってしまったのか、ということと、全世界の人々が、「これが柔道なのだ」と思っていることを考えると怒りすらこみ上げてくる。

 もともと、柔道がこうなってしまったことは、大きな枠組みで考えると、明治の時代に、嘉納治五郎が柔術から柔道をつくった時から始まっていたとも言える。しかしながら、それでは嘉納治五郎が悪いのか、講道館が悪いのかというと、そんなことは一切なく、今日の柔道は、なるべくしてなったとしか言いようがないものがある。

 しかし、国際柔道がこうなってしまったというのは、これは「なるべくしてなった」とは言えないであろう。とりあえずまず、立っている状態での手で足を掬う行為は禁止とすべきである。それと投げられたら素直に受け身を取ること。投げられまいとして、もがく姿を見ていて見苦しい。投げられた時、いかに見事に受け身をとるかということは、実はものすごく大切なことなのである。それから、審判員の眼とか、ポイントをかせぐとか、そんなもん一切意識することを禁止としたい。いや、それは試合なんだから当然だろと言うかもしれないか、国際柔道の試合って、そうしたことが多すぎるのである。いずれにせよ、国際柔道の試合ルールには理解し難いことが多い。これは柔道ではない。

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