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June 2008

June 26, 2008

経済に国境はない

 もうひとつ、Youtubeで見つけた必見の動画を紹介したい。大前研一さんが若い頃のカナダでの講演の動画である。大前さんのすごいところは、20年くらい前から経済には国境はないことを一貫として主張し続け、実際の世界はその通りになったということだ。かつて、日米貿易不均衡問題があった時、当時、マッキンゼー・ジャパンの大前さんが、日米間に貿易不均衡など存在しない、なぜならば、多国籍企業の業績も含めてみれば、日米の間に不均衡などないし、そもそも、経済はボーダーレスなのに、「日」「米」という国の単位で考えるのは間違っていると指摘したのが大前さんだった。これが、大前さんが日本の論壇に現れた最初だったと思う。当時、大学生だった私は、大前さんのこの主張を聞いて、世界観が変わる衝撃を受けた。

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マハティールは語る

 マハティール・ビン・モハマドは、マレーシアの前首相である。5月23日、来日した彼は、東京有楽町の外国特派員協会で記者会見を行った。そこで、彼は、アメリカは自分自身を変えるべきだと述べている。「アメリカは変わるべきだ」というのは、今、アメリカ国内では大統領選挙でいたるところで言われているセリフであるが、こうやってアジアの第一級の政治家が語る「アメリカは変わるべきだ」という言葉の方がどれほど重いものあるのか、アメリカのみなさんは考えたことがあるのかというと、当然のことながら、そんなものはまったくない。オバマも、マケインも、選挙にインターネットを活用しているが、基本的に選挙とは有権者を相手にして行われるものであり、合衆国大統領選挙の有権者とは、合衆国市民である。従って、合衆国大統領という国際社会で大きな影響力を持つ職席の選挙が、極めて国内的なイベントによって決まってしまうのである。そこに外国からの視点が入ることはない。

 しかしながら、我々は、ネットによって、こうしてマレーシアの前首相の考えを聴くことができる。現代の富とは、軍事力の介入によってもたらされるのではない、とマハティールは語る。

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June 25, 2008

Al Gore Endorses Obama

 16日、デトロイトでオバマを応援するアル・ゴア

 当然だけど、ゴアは、オバマをめっちゃホメである。しかしまあ、ゴアという人は、理想主義に傾き過ぎるところがあるので、ゴアに応援されても、うーむ、ナンだよなあという気がしないでもないような気がするのであるが。ゴアは、いわばアンチ・ブッシュの大御所的存在であり、とにかく、今のブッシュとチェイニーのアメリカが大嫌いな人なのである。だから、オバマを応援しているのであって、オバマ自身と、例えば環境問題について語り合えば、そりゃあもうゴアの方が格が上になる。だから、オバマは、ゴアを応援演説に持ってくることもないのになあと思う。

 今回の大統領選挙には、もちろん注目している。しかし、その反面、今までのようにアメリカの大統領選挙に思い入れを強く持つことができないでいる。なにしろ、アメリカ市民という人々は、あれほど世界の心ある人々が反対したにも関わらず、ジョージ・ウォーカー・ブッシュという人物を合衆国大統領として再選した(つまり2回にわたっても、だ)のである。ようするに、アメリカの大統領選挙というのは、そういうものなんだなと思う。

 我々は変化を必要としている、とゴアは語る。それは確かだ。しかし、本当に変化を望んでいるのかというと、(くどいようだけど)過去2回もブッシュを選択した国なのである。土壇場になって、メディアによって、どうとでも変わるのが大統領選挙なのである。

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June 08, 2008

大阪へ行った

 さる6日(金)は、仕事で大阪へ行った。このところ、何度も大阪へ行っている。

 東京駅、朝6時27分発という、仕事でなきゃこんな時間に乗るものかという新幹線「のぞみ」に、どうにか乗り込み。とりあえず、朝ご飯。

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 一日中かかると思った仕事が午前中で終わってしまった。やったあ。

 というわけで梅田でのんびりしようかと思ったが、ものすごく久しぶりに、千里の国立民族学博物館へ行く。

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 前回行ったのはいつだったか覚えていないぐらい久しぶりである。まあ、行っても、中を見る時間は正味1時間ぐらいしかないのだけど。

 中の展示は、おぼろげに覚えている前回の展示と、同じ部分もあれば、新しい部分もあった、ように思う。平日金曜の午後の博物館の中には、中学生の団体の子供たちと、年配のご婦人の姿がちらほら見えるぐらい。壮年のおじさんなんて、ワタシ一人なのであった。

 国立民族学博物館、通称みんぱくには、世界各地の人類の伝統的な道具が集められている。ただし、これらは道具であって、道具というのは、その道具を使う技術や知識があって初めて意味を持つ。しかし、それらの技術や知識は、歴史の中で次々と消えてしまった。今の時代は、情報と通信と経済のグローバリゼーションによって、人類の生活様式は「同じ」になろとしている。「同じ」になることで、失うものは何であるのか。そうしたことを、ぼおぉぉと考える。

 やはり、一番興味深いのは、朝鮮民族の文化や習俗の展示コーナーであった。これまで、朝鮮文化をさほど意識して見ることはなかったのであるが、今回はなんか注目してしまった。特に感動的だったのは、展示コーナーとは別に中庭のような場所に、古い朝鮮の民家の実物展示があって、なんと靴を脱いで、その民家の中に入れるである。これは、まさに韓国ドラマ「ホジュン」に出てくる民家ではないか。これは、いい。さすが、みんぱくは違う。思わず、「アニヨンハセヨ」と口に出して入ろうかと思ったが、なんか恥ずかしいのでやめた。自分以外に、誰もいなかったんだけど。

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 入ってみて、裏の方へ回ってみると、どうもこれは民家ではないのではないかと思い始めてきた。酒と書かれた印が掲げられているし、食堂(?)みたいな部屋もある。民家にしては、なんかへんだなと思う。よくわからん。(あとで自宅で、みんぱくのウェブサイトで見たら、これは、酒幕(しゅまく)という旅人の相手の居酒屋みたいなもののようだ。1920年当時の建築物だというので、「ホジュン」の時代よりはるか後の時代ではないか。まあ、変わらない風景だったのであろう。)

 もっと、「ホジュン」に浸っていたかったのであるが、帰りの新幹線の時間もあるので、みんぱくを出て、万博記念公園の中を歩く。みんぱくは、万博記念公園の中にあるのである。

 ちなみに、この万博記念公園の中を歩いたのは初めてであった。ほほう、これが、アレか、と初めて太陽の塔の実物を見た。

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 記録映像で何度も見てきた、日本の戦後史のビックイベントであった大阪万博である。太陽の塔の前にして、万博とは一体なんであったか、というか、万博に始まり、80年代のバブル崩壊で消えた、戦後日本のお祭り騒ぎとは、一体なんであったのか、と考えようかと思ったのであるが、歩き疲れて、どうでもいいやという気分になって、ベンチに座って缶コーヒーを飲みながら、ただひたすらぼぉーと太陽の塔を眺めていたのであった。

 というわけで、東京の自宅に帰り。夕食は、新大阪の駅で買った駅弁を食べた。

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June 01, 2008

『トム・ヤム・クン』を観る

 今、最も注目すべきアクション俳優は、タイのトニー・ジャーであることは、そっち方面の人々の間では常識であると言ってもいいことであるが、このトニー・ジャーの主演第二作目の『トム・ヤム・クン』について、あーなんかそういう映画があったな程度のことしか記憶になかった。第一作目の『マッハ』は見ているが、見た当時は、今のように武術にそれほど思い入れしていない時だったので、こりゃあ、すげえアクションだ、と思ってそれでオワリであった。

 最近、アクション映画でスタント専門にやっている人たちのブログをよく読んでいるけど、その中でトニー・ジャーの『トム・ヤム・クン』はとにかくスゲエと書いてあって、そーか、そーだったのかと、さっそくYoutubeで見てみると、これは確かにスゲエ、のであった。

 話は少し変わるが、関節技というのは、かつての武術の中で大きな意味を持つ技である。しかし、柔道は柔術から柔道になった時に関節技がなくなってしまった(訂正します。講道館柔道にも関節技はあります)。それから、空手には関節技はない(と言っていいかどうかはいろいろあるが、とりあえずない、とする)。今の日本の武道で関節技があるのは、合気道と、その源流である合気柔術である(くどいようであるが、柔道にも関節技はある。)外国の格闘術で言えば、寝技での関節技を多用するのはブラジリアン柔術であろう。逆から言えば、今の時代に古流にあった関節技を見ることは、それほど難しいということなのである。

 そういうわけで、関節技について、漠然というかぼぉーと考えているのであるが、Youtubeで『トム・ヤム・クン』のいちシーンを見て驚いた、というか感動してしまった。見事な関節技なのである。特に、相手の蹴りをああ捌くというのは、生まれて始めて見た。ここのシーンのことは、DVDの特典で、アクション指導監督がインタビューで語っている。

 ここのシーンのアクションは、これまでにないものにしたいという監督の希望があって、トニー・ジャーが古式ムエタイの先生になにか技はないかと尋ねたという。そこで、今は使われていないが、古いムエタイには象の型を使った関節技があると言われ、トニー・ジャーはその型を学び、さらに自分で工夫をして新しい関節技を考え出したそうだ。なるほど、確かに、あの手の動きは象の鼻に似ている。それにしても、シャム拳法というのは、象の動きからも学ぶということに驚く。中国拳法もそうなんだけど、とにかくまあ、アジアの格闘術というのは、動物や昆虫の動きから学ぶんだよなあ。

 とにかく、この40人以上はいる相手に片っ端から関節技をかけていくシーンと、1台のカメラが途切れることなく長回しで、フロアーを登りながら次々と敵を倒していくシーンは、アクション映画の歴史に残る名場面と言っていい。これほどの見事な映画でありながら、この映画のことがあまり知られていないのはタイの映画だからなのか。

 この映画での中国に対する見方も興味深い。密猟、密輸、人身売買、海賊版DVD、そして珍味嗜好と、中国が徹底的に悪い連中になっている。タイから見た中国のイメージがわかっておもしろい。こんなこと、日本の映画じゃできないよなあ。

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