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March 2008

March 30, 2008

ダメダメの国の未来

というわけで、久々のエントリーは例によって、robitaさんへのコメントです。


robitaさん、

ちょっと間があいてしまいました。

首相のリーダーシップがない、ということについて漠然と考えてみます。結論から言いますと、この「首相のリーダーシップがない」ということについて、「だから何なの」ということなんじゃあないのかと思います。「首相のリーダーシップがない」というのは、「だからコレコレができません」と言っているだけです。しかしですねえ、本当は現状を考えると、そんな悠長なことは言っていられないはずなんです。

国というのは、英邁で優秀な政治家がリーダーとなり民衆を率いていくものである、という考え方がここにあるとします。この考え方は、これはこれで正しいです。確かに、その通りです。で、今の日本の現状を見ると、なんか、あの政治家はちっとも優秀じゃあない、これは文句を言わなくてはならない、批判をしなくてはならない、なぜならば、「国というのは、英邁で優秀な政治家がリーダーとなり民衆を率いていくものである」のだから。そうでない政治家はビシビシ批判して、「英邁で優秀な政治家」になるようになってもらわなくては困ります。それが民主主義によって選ばれた政治家の務めなのだ、ということなのではないかと思います。

しかしながら、上記のような考え方では、永遠にマスコミは政治家を批判し、国民は政治に不満を感じるだけ、になるでしょう。なぜならば、英邁で優秀な政治家なんているわけないじゃあないですか。そんな人物は、歴史的に非常に希です。まず、いないと思った方がいいでしょう。つまり、ダメダメの政治家がいて、ダメダメの国民がいる、みんなダメダメなんじゃん、というのが国の真実の姿なんです。で、それじゃあ、政治家もダメダメで、国民もダメダメで、じゃあどうなのということなんだと思います。

ここで突然、隣の国の韓国の話になります。韓国というのは、韓国好きのワタシが見ても、これはどうもダメダメだよなあというのがマンサイの国なんです。マンサイの国なんですけど、オレたちは、日本人や中国人より優れているんだ、優等な民族なんだと自分たちを鼓舞し、とにかく、ダメダメどおし、みんなが協力して、いいものを創っていこうという情熱というか気概というか熱気があるんです。喜怒哀楽が激しいというか。週末は、カルビをほおばり、キムチを食べて、焼酎飲んで、さあ来週もガンバって働くでぇ!!イルボンに負けてたまるかぁ!!と意気を高める。ココですね、今の日本人と韓国人の最大の違いは。

民族が危機に立った時、その国の中では、指導者が悪いとか、政治が悪いとか、世の中が悪いとか言っているだけにはなりません。政治家だろうと、庶民だろうと、とにかく、おのおのがおのおのの立場や場所で助け合い、協力しあって、その危機を乗り越えようとするものです。

政治家はバカでもなんでもいいんです。そりゃあ、優れた政治家であった方が良いのはあたりまえです。しかしながら、優れた政治家というのは、めったにいません。まず、いないと思った方がいいでしょう。バカな政治家しか、今のこの国は生み出すことができないのならば、それはそれでいいじゃあないですか。そのバカな指導者を掲げて、国民みんなが、なりふりかまわず、わからないことはわかる人に訊きまくり、できないことはできる人にやってもらい、とにかく、みんなでこの危機を乗り越えようとしないと、国の危機というものは乗り越えることはできません。みんな人間なんですから、みんなダメダメなんです。そうしたダメダメの集団が、今目の前にある危機を乗り越えるには、みんなが協力し合うしかないじゃあないですか。

今のこの国は、そういう状態になっていません。そうなっていないというのは、みなさん、危機が迫っていると実感をしていないからでしょう。危機というのは、それが危機であるということがわかる想像力と、その危機を乗り越えようとする意志がなくては、乗り越えることはできません。今の日本にないのが、その想像力と意志です。マスコミは政治家を批判し、国民は政治に不満を感じるだけというのは、まだ余裕があるというか。ヒマしてるというか。本当は、そんなことをやっているヒマなんか、ないはずなんですけど。

まあ、細かく言うと、危機だ危機だと言っても、本当に危機になるのは、先日も申しましたように、robitaさんのお子さんの世代が父親、母親になる頃です。まあ、これも先日申しましたように、もうこれはカクテイというか、なんともしようがもうないのですけど。これを今現在の時点で「まだゆとりがある」と思っていいのかどうかは、さまざまだと思います。しかし、少なくとも、次の世代に対して責任を持つべき人たちは、今、何を考えるべきか、ということは言えると思います。

ローマ人やイギリス人ならば、小さくて貧乏な国から始まって、やがて大国になり豊かな国になったのならば、その豊かさがこれからの100年も続くように、後世の子孫も豊かな国に住むことができるように、いろいろな仕組みを必死になって作るでしょう。豊かさなんて、砂上の楼閣みたいなもんなんですから。その砂上の楼閣を、100年たっても、びくともしない盤石なものにする必要があります。そこまでやって、初めて本当の「豊かな社会になりました」ということなんです。実際、ローマ帝国や大英帝国はそうであったわけです。しかしながら、まー、我が愛する日本人というヒトビトは、そーゆーことができる民族じゃあなかった、ということです。

戦後日本というのは、大体おおざっぱに言って、大東亜戦争が終わって、生き残った若者や少年たちの国だったんだなあと思います。保険制度にしても、年金制度にしても、そうですね。この世代にためにあるようなもんです。しかし、それは当たり前なのかもしれません。この世代が、戦後日本を作ってきたのですから。robitaさんのご両親の世代やワタシの親の世代です。それらの世代とともに、経済大国日本は終わるでしょう。そうなって初めて、ありゃあ、目の前に危機が迫っているんじゃん、もうダメじゃん、と知るのではないでしょうか。

そこまで行かなくてわからんのですか。もっと前からやっていれば良かったじゃあないですか、と言いますと、人間ですから、みんなダメダメなんですよ。試験勉強だって、テストの前日から始めるしぃ、夏休みの宿題だったって、やり始めるのは夏休みの最終週ぐらいからじゃあないですか。人間の集団というものも、そういうもんなんですよ。

そうなった状況の時、人口の減少と高齢化と財政破綻により、GDPが第5位か6位ぐらいに落ち込んだ日本で、何が大切なのかというと、ダメダメどおしが協力しあう心や、生きていく熱意なんじゃあないかなと思います(ひと昔前の少年マンガのテーマですね)(笑)。で、このへん、やっぱり今の韓国を見ていると、それらがマンサイなんですねえ。

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