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July 01, 2007

コレだけです

robitaさんの「コレだけなんです」のコメントを書いていたら、またもや長く・・・・・・。というわけで。

>>そんな簡単なことができないほど、政治を困難にさせているのは、いったい誰なのか。いったい何なのか。

これは、国民の意識というか、「例えば子供二人が大学まで行けますという給与と物価の世の中であって欲しい」という願いを、本心から強烈に持つ人が少ないんです。なぜ少ないのか。そういうことを願う人というのは、やっぱりこれから家庭を持つ世代というか、20代、30代の世代だと思うのです。しかし、彼らこそ政治の世界では圧倒的な少数派であって、票の数としても小さな割合です。人数としては、数は多いですよ。しかし、政治的勢力としては、まったくの無力です。政治的に無力になっているのは、robitaさんが書かれているように、政治に無関心、選挙に無関心だからです。

自分で書いておいて、こう言うのも何なんですが、「例えば子供二人が大学まで行けますという給与と物価の世の中であって欲しいだけ」というのは、書いている一方で、これは無理だなという思いもあります。これが可能なのですかと問われれば、「まあ、現状では不可能ですね」と答えざる得ません。もちろん、やりようはあるんです。しかし、これを本気でやろうとしたら、かなり(かなりですよ、かなりの)根本的な変革になります。道州制にすることや、外国からの輸入規制を見直すことが必要ですね。

例えば、住宅ひとつをとってみても、外国の建設資材を使うなどすると、もっと安くなります。結局、日本の家の値段を上げているのは、土地の利用や建築についての役所の規制ですね。ここを変えることで、もっと大きくて安い家に住むことができます。家が大きくなれば、家具や家電も買い換えたりして需要が出てきます。大きい家に住めだなんて、アンタ「立って半畳、寝て一畳」じゃなかったんですかと言われれば、あう、あう、と言うしかないんですが(アシカか)(笑)。本質的に、都市生活者の生活を改善することが必要なのです。生活の質を上げて、コストを下げることは可能なんです。

それがなぜできないのか。それは、もう高額ローンで家を購入した中高年世代や、それなりに充実した年金をもらっている老人世代が、そんなことを本心から願うわけがないではないですか。今の産業構造では若者に未来はないんですけど、その産業構造の中で、しかるべき安定したポジションを作ってしまった人々が、その産業構造を自分から壊すようなことをするわけがありません。

お父さんが会社で働いてもらう給料で、家が買えて、子供たちは大学まで行けた、そんな30年前にはできたことが、今の若い世代にはできません。それは30年前のワカイモンは努力したが、今のワカイモンは努力しないから云々という話ではありません。産業社会の構造的な問題なのです。構造的な問題であるからこそ、若者たちは自分の力ではどうしようもできないことがわかっているのです。30年前のワカイモンであった人々たちが、今やエスタブリッシュメントとなり、この世の中を変えたくないのです。

ここちょっと表現がややこしいのですが、この「この世の中を変えたくないのです」というのは、別に既得利益を守りたいとか、お前らワカイモンには利益はやらないぞ、とかいった能動的なものなのではなく、その、なんというか意識していないというか、意識できないというか、想像の範囲外になるというか。自分たちの生活以外のことは意識しなくなるんです。別に、悪気があってそうしているわけでもなくて、そうなっちゃうとしかいいようがないのですけど。

そして、これが日本では、この問題が大きなムーブメントにならない理由でもあると思います。ヨーロッパだと、若者問題や格差問題は、その当事者たちだけではなく、中高年の大人たちもしっかりと関心を持つので、比較的に社会問題としてフォーカスが向けられます。ところが日本だと、大人たちというか、正規雇用で安定した職業を持っている人たちは、非正規雇用者の問題について関心を持たないですね。そして、結局、ワカイモンは政治的には無力ですから、そのまま放置されるということになります。

そこで、ワカイモンの側は、ああ、今の現実はそうなのかと安易にリョーカイして、ニートをやっていればいいや、というかニート以外に道はないみたいなところに追い込まれているわけです。で、じゃあ、既得利益を獲得とした正規雇用で安定した職業を持っている人たちの側どうなのかというと。それを必死に守り抜こうという熱意といか意志があるのかというと、それはないわけで。つまり、今の日本って、なににおいても、さらっとしているというか、淡泊というか、熱意みたいなものはないですね。むしろ、今の日本人でそうしたものを持っているのは若い女性たちではないでしょうか。篠原涼子のテレビドラマの「ハケンの品格」も、そうした熱意や活力を感じますし(実際は、ああじゃないだろというのはありますが)。ここから階級闘争というものは生まれません。そもそも「とうそう」などという意識すらないんですから。ここに、なぜ今の日本では、これだけの格差社会なのに、左翼が政治的勢力を持ちえないのかということの理由のひとつがあるように思うのですが、その話はすっとばしまして。

そして問題だけが残され、さらに深刻化していきます。

>>「ひっぱたきたいのは、この国の歪んだ現状」と仰る、その「歪んだ現状」を直すのにはどうしたらいいんでしょう。

答えはカンタンです。この現状を変える有効な政策案と、その政策を実行できる政治力。その二つを持っている政党を支持し、大多数の人々がその政党に投票すること。コレだけです。なんども言いますが、コレだけなんです。その政党は、どこの政党なのと言えば、今どこにもありません。そういう政党を育てることを、この国の国民はしてこなかったのですから。民主党ではダメですかといえば、ダメでしょうねえ。だからみなさん、民主党に投票しないわけですし。もちろん、自民党では、なおさらですねえ。

国民にとって、政治とは歌舞伎の役者を「育てる」ようなことと同じです。歌舞伎や文楽の世界には、見巧者という言葉がありますね。応援や批判のやじを飛ばす観客の人たちのことです。批評をするお客さんですね。舞台というのは、役者や芸人がつくっていると共に、観客が作っているのです。良い観客がいて、良い舞台になります。良い役者が育ちます。日本人は、おまかせ文化だと前回申しました。その「おまかせ日本人」は、「おまかせ」なのだけど、見巧者でもある。そうしたものになって欲しいと思います。民主主義とか、主権在民とかなんとか、とかいった西洋からの借り物の制度ではなく、堂々と、うちらは政治の見巧者なんどすえ(なぜに京都言葉?)となればいいのです。

現状を変えるということは、1年、2年でできることではありません。5年、10年、20年、30年のスパンで見る必要があるのです。ですから、現状が良くないので政治を変えようでは、泥棒を捕まえてから縄を編むようなもので、実際はもう手遅れなんです。本来は、国にカネがあったバブル時代に着手すべきことだったんです。カネがなくなってきた今になって、カネがかかる改革をやっていこうというのが土台無理な話なのです。

しかしまあ、現状そうなわけですから。ここから進んでいくしかありません。半世紀の戦後日本の、何が良くて、何が間違っていたのか。段々とわかってきたわけですから、今から縄を編むしかありません。

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Comments

真魚さん、いつもありがとうございます。
話が尽きませんね。
私もあとで自分のほうに書きます。

Posted by: robita | July 04, 2007 at 02:54 PM

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