« 学校はアレもコレもやりません | Main | 続シンゾー・アベのダブルトーク »

April 16, 2007

その手には乗らない中国

 中国の首相の温家宝が来日して、日本政府の過去の歴史への反省とおわびの表明を積極的に評価していると述べたことについて。

 このことを、現在、アメリカで出ている慰安婦問題と重ね合わせてみると、アメリカは日中関係をこじれさせようとしているのに対して、中国は、その手には乗らないと言っているように見える。

 なぜ、アメリカは日中関係をこじれさせたいのかというと、何度も書いてきたように、日本を再軍備させて、在日米軍を削減させたいとしているからである。そのためには、日本にとって北朝鮮と中国は脅威でなくてはならない。経済はともかくとして、政治的には日中関係はこじれたままであって欲しいのである。ただし、ややこしいことに、アメリカとしては北朝鮮には関与せず、中国と日本でなんとかして欲しいとしているので、日本が中国や北朝鮮とあまり敵対関係的な関係になってしまっても宜しくないのである。

 現在、アメリカは対日関係を大きく変えようとしている。アメリカとしては、日本がこれまでのように対米依存のままでは困るのである。おそらく、アメリカは台湾独立問題からも手を引くであろう。アメリカは、アジアでのこれまでのような影響力を小さくしようとしている。ただし、これはアメリカの世界覇権力が低下しているからではない。アメリカは、20世紀での世界戦略のままでは、これからの時代はもう通用しないことがよくわかっているのだ。だからこそ、新しい時代の世界観へ転換しようとしている。この自己革新のパワーこそ、アメリカのパワーであると言ってもよい。

 ちなみに、かたや、わが日本国は、従来のままの対米依存であり続けたいとしている。戦後半世紀、対米依存以外のことはやってこなかったので、ここでいきなり一人立ちせよと言われてもできないのである。さらに言えば、同じアジアのアメリカ依存国家だった韓国は、このへんあっさりしていて、在韓米軍が韓国から撤退するとなると、軍事の切れ目は縁の切れ目(うん?)とばかりに、アメリカから距離を置き、マイウェイを歩み始めている。

 中国は、アメリカのこの思惑がよくわかっているので、この手に乗らないのである。本質的に、中国政府は慰安婦問題などどうでもいいと思っているであろう。もちろん、オモテだって「どうでもいい」とは言えないが、大国というのは、歴史のことを、とやかく言わないものなのである。どこの国も、同じようなことを抱えているということがわかっているのだ。よく、中国は、政策として国内の民衆の政府への不満を反日感情に向けさせるようにしているという意見があるが、そんなことは江沢民の頃の話であって、今の胡錦涛の中国は、そんなことをしても国際社会からバカにされることがわかっているのである。

 逆から言えば、中国はこの種のことを言わなくなった、本気で日中関係を改善しようとしているということに、今の中国は超大国化の道を歩んでいることがよくわかる。その一方で、慰安婦問題にこだわり続ける韓国政府はどうなのかというと、中国とは違うなということがわかるのである。これはこれで、韓国はそうであることは理解できることではあるが。

|

« 学校はアレもコレもやりません | Main | 続シンゾー・アベのダブルトーク »

「経済・政治・国際」カテゴリの記事

Comments

真魚さん、

慰安婦の問題を取り上げているのはリベラル民主党議員Mike Hondaです。アメリカ政府ではありません。この人は昔からアンチ日本歴史で知られている元教師です。Occidentalismのブログでも取り上げられています:http://www.occidentalism.org/?p=533


またWikipediaでも:http://en.wikipedia.org/wiki/Mike_Honda

Honda is most famous for introducing resolution AJR 27, which demanded Japan to apologize and compensate for its WW2 actions.

Rep.Honda has consistently supported the causes of civil rights groups, such as the NAACP and Human Rights Campaign. However, he has drawn criticism for his refusal to criticize human rights violations in China, a stand he explains by saying that he believes "things can change" in the country. Honda visited China in 2001.

リベラルのブログがリベラルの議院に踊らされている… 

もう少し実態を調べてから記事を書いた方がよいのでは?

慰安婦問題はアメリカ政府が動いているのではなく、超リベラルカリフォルニア議員がわめいているだけの問題です。

MikeRossTky

Posted by: マイク | April 16, 2007 at 10:57 PM

Mike,

マイク・ホンダ議員がthe House of Representativesで従軍慰安婦問題で日本を非難しているだけなのではなく、アメリカ政府が日本を非難しているのですけど。
http://www.dnaindia.com/report.asp?NewsID=1087328

保守派のワシントンポストのGeorge F. Willも日本を非難しています。
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2006/08/18/AR2006081801026.html

Francis Fukuyamaも日本を非難しています。
http://www.project-syndicate.org/commentary/fukuyama2

LA Timesも日本を非難しています。
http://www.latimes.com/news/printedition/asection/la-fg-abe27mar27,1,3450674.story?coll=la-news-a_section&ctrack=2&cset=true

なんと、私がSan Franciscoにいる時は、いつも読んでいるChronicleも日本を非難しています。
http://www.sfgate.com/cgi-bin/article.cgi?file=/chronicle/archive/2007/03/09/EDGRJN7AU41.DTL

ホンダ議員がわめいているだけの問題なのでしょうか。
もう少しメディアを調べることをお勧めします。

Posted by: 真魚 | April 17, 2007 at 01:07 AM

これについては日本人が騒ぎ過ぎと思います。アメリカの一般世論はこの問題に殆ど関心がありません。ましてやこれは下院決議ではあっても、外交で権限が優越する上院のものでもありません。

ホワイトハウス、国務省、国防総省からの要請でも何でもありません。

問題を大きくしたのは安倍首相がわざわざ、こんなものに反論などしたからです。合衆国大統領の立場に立てば、日米間にはより優先順位の高い案件が多いです。アメリカの一般世論の関心がさして高くもないこの問題に過剰反応する日本の政治家にもブロガーにも私は怒り心頭です。

Posted by: 舎 亜歴 | April 17, 2007 at 02:56 AM

真魚さん、

Mike Hondaと言う、リベラル・歴史無視の元教師が提出した議案に対してのリアクションです。その反応に対してリベラルメディアリアクションを起こしている。それについて真魚さんが書いている。リベラルの連鎖ですね。事の起源を無視して皆が日本をアタックしていると書いては…

George Will氏の社説はちゃんと読みましたか?他の社説と違いますよ。

舎さんが書いているように、”アメリカ”はこの事について感心はもっていません。George Willのように”Confederate Flag"と同等の位置づけとアメリカが理解を示すのが当たり前と説明するのが正しいのでは?

慰安婦問題で証言した女性について調べてみてくださいね。リベラルの方々がいかに問題を”作っている”事が良くわかると思います。

MikeRossTky

Posted by: マイク | April 17, 2007 at 08:28 PM

真魚さん、

ところで、1961年9月14日のDonga Ilboで韓国政府が国連軍に提供する慰安婦の募集を宣伝している事はご存知ですか?自国の政府が国連軍向けに…

慰安婦問題って簡単な問題ではないんですよね。

MikeRossTky

Posted by: マイク | April 17, 2007 at 08:34 PM

舎さん、

ことはホンダ議員のみの騒ぎなのか。上記で紹介した記事にもあるように、

"We appreciate that the apology was made. It is a step forward," said Tom Casey, deputy State Department spokesman.

"But I think this is a very difficult issue and we certainly would want to see the Japanese continue to address this and to deal with it in a forthright and responsible manner that acknowledges the gravity of the crimes that were committed," he said.

と国務省が言っていることは見逃せません。また、シーファー駐日米大使は「河野官房長官談話から後退すれば破壊的な影響を与える」と述べ、アメリカ政府として事態を憂慮していることを明らかにしています。

今起きていることは、これまでのように、民主党議員やオオニシ記者が騒いでいるだけのことではありません。そもそもの始まりは、リベラルのニューヨークタイムズが、ではなく、ワシントポストが安倍総理を非難したということが重要です。保守派は、日本の歴史認識を政治的に利用し始めたということが重要なのです。繰り返しますが、保守派が言っているのは、従軍慰安婦そのものを非難しているのではありません。従軍慰安婦問題に対する日本の対応のまずさを非難することで、これを政治的に利用しているのです。その意味で、ホンダ議員やオオニシ記者より、やり方が狡猾で政治的なレベルが高いですね。まあ、保守派はそういうもんです。念のため、もう一度繰り返しますが、ホンダ議員が騒いでいることを、ブッシュ政権も取り上げて、日本に謝罪要求をしている、という構図であるように見えて、実はアメリカ政府が意図しているものは別のことなのだということです。このカラクリが見えませんか。

ここに、アメリカの対日関係の変化があります。6カ国協議での合意を見てもわかるように、アメリカはこれまでのような日本が対米従属するだけの日米関係を変えようとしているのです。

ちなみに、アメリカの一般世論は日本のことなど、そもそも無関心ですね。アジアについては、中国と北朝鮮の関心が高く、政治的には日本などまったく相手にされていません。

Posted by: 真魚 | April 19, 2007 at 12:57 AM

Mike,

従軍慰安婦が問題なのではなく、アメリカ政府がそれを持ち出して日本を批判することが問題なんですけど。
うーむ。レベルが高くて理解できないのかな?

Posted by: 真魚 | April 19, 2007 at 12:59 AM

Mike,

日本が過去の歴史行為について朝鮮に謝罪すべきことについて、韓国が朝鮮戦争やベトナム戦争の時になにをやろうと関係ありません。

Posted by: 真魚 | April 19, 2007 at 01:10 AM

真魚さん、

<<そもそもの始まりは、リベラルのニューヨークタイムズが、ではなく、ワシントポストが安倍総理を非難したということが重要です。

ワシントンポストの社説がそもそもの始まりですか?

<<ホンダ議員が騒いでいることを、ブッシュ政権も取り上げて、

リベラル議員が議会で公聴会を企画・実行、それに対して韓国・中国ですごい反応があり、外務省が反応をし、それに対してリベラルメディアやブログがブッシュ政権が日本を非難したと反応する。

歴史を曲げることは、そんなに時間をかけなくても可能なんですね。

MikeRossTky

Posted by: マイク | April 19, 2007 at 06:31 AM

Mike,

>>それに対してリベラルメディアやブログがブッシュ政権が日本を非難したと反応する。

産経新聞の古森義久氏は親米保守の人ですが・・・・。

http://mikerosstky.spaces.live.com/blog/cns!65DFD4754018BC2A!2598.entry


Posted by: 真魚 | April 30, 2007 at 12:24 AM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/36163/14696008

Listed below are links to weblogs that reference その手には乗らない中国:

« 学校はアレもコレもやりません | Main | 続シンゾー・アベのダブルトーク »