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January 28, 2007

NHK大河ドラマ『風林火山』

 今年のNHKの大河ドラマの『風林火山』って結構いいなと思う。自分の大河ドラマのベストを挙げよと言われたら、まずは『飛ぶが如く』と『花神』というシバリョーの幕末維新もの、次に『炎立つ』や『独眼竜正宗』(どっちも渡辺謙だな)となるが、今年の『風林火山』は良いではないか。内野聖陽って、全然知らなかったんだけど、いいじゃあないですか。文学座の人だったのか。

 私は、このところ中国の武侠ドラマを、レンタルDVDで見まくっている。それらを見ていると、中国の時代ものはいいよなーと思ってしまうのであるが、こうして気合いの入った戦国時代ものを見ると、いやあ、日本のものはいいですよねーと思ってしまう。なんというか、中華料理と日本食の違いというか、中国の武侠ものの絢爛さと比べて、日本のものは「質実剛健」ということをずっしりと感じるわけですね。ちなみに、『The West Wing』や『StarTrek』などを見ると、アメリカの良質のドラマはいい、日本ではとてもできない、とか思ってしまう。日米中と、ぼーだーれすってゆーか、ちゃんぽんな、ワタシ(笑)。ようするに、いいものはいい。

 毎回、ドラマが終わった後でチェン・ミンの二胡の音楽を背景に、ドラマの関連の史跡を紹介する「風林火山紀行」を見ていると、ああ日曜日が終わったなという気持ちと、甲州を旅するのもいいなと思ってしまう。

 この、大河ドラマを見終わると、日曜日が終わったという気持ちになるのは、その昔、毎年、大河ドラマを見ていた頃そうだったなと思う。この数年、というか、かなりの長い期間、大河ドラマを見ることはなかった。今年は良さそうなので、毎週見ているが、この見終わった時の気持ちというのが、子供の頃、親と一緒に日曜の夜、大河ドラマを見ていた時と同じだなと思う。チェン・ミンの曲を聴くと、それを思い出す。

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Comments

>大河ドラマを見終わると、日曜日が終わったという気持ちになる

この日はこの後でインド特集があったのですが、インドに関心の高い真魚さんが見逃してしまった?

ところでそれほど中国にはまっているなら、あの「歴史認識」という語のニュアンスが何なのかわからないものでしょうか?やはり日本のナショナリストたちが声高に叫ぶように中華史観の押し付けなのか、それとも全く違うものなのか?よくわかっていないままに議論されています。

よく中国は歴史を重視すると言いますが、世界のどこにも歴史を重視しない国はありません。イギリスの大学では歴史は優秀な学生が集まりますし、public school boysがギリシア・ローマの古典を徹底的に叩き込まれているのは余りによく知られています。アメリカは建国の理念を誇らしく世界に広めようとしています。となると中国の歴史重視とは諸外国のものとどのように違うのでしょうか?

大河ドラマでは、意外な人物として明智光秀を主人公にするのも面白いかなと思います。そもそも織田信長の指揮下でレジーム・チェンジに邁進していた光秀は、どこで何を間違ってショッカーになってしまったのか?そう言えば大河ドラマでは藤岡弘が二度、信長を演じています。本能寺の変の時に信長が変身すると・・・・・・。いくら史実を大胆に変えてしまう大河ドラマでも、そこまでは無理でしょうか?

ところで山本勘助は若いときから隻眼でびっこをひいていたのでしょうか?まあいいか。史実を大胆に変える大河ドラマなら。

舎さん、

この日のNスペは、新しい内容ではなかったので少し見てやめました。NYタイムズのフリードマンが出ていたようですが、これはフリードマンが数年前から言っていたことで、NHKが取り上げるのは遅すぎます。これもフリードマンが書いていますが、例えば上海や大連で何が起こっているのかにも注目すべきです。まあこれもNHKが取り上げるのは何年も後になるんでしょうけど。

中国の歴史については、以前も書きましたが、西洋の歴史学とは違います。中国の歴史学には、ランケのような近代歴史学がありません。西洋では、神による創世から最後の審判まで一直線にひとつの時間軸が続いていますが、中国では王朝が変われば、別の時間軸になるようなものです。ですので、中国側からすれば「歴史認識」というのはおかしな話です。そもそも、清朝中国には、大日本帝国よりはるか以前からイギリス、オランダ、フランスなどが侵略行為を行ってきました。しかし、今の中華人民共和国は、例えばイギリスがアヘンを売りつけたことを、今日の対英外交の懸案にしているでしょうか。

つまり、中国による日本への非難とは、正しくは中国民衆の「民衆感情」というものです。漢族の人々で、蒙古族の残虐行為や満州族の残虐行為を覚えている人はさすがに少ない(13世紀のモンゴルのことなど、さすがに覚えている人はいないでしょう)でしょうが、20世紀の日本軍による残虐行為はまだ覚えている人がそれなりにいます。感情として日本を憎む、というのは理解できることです。しかし、それ以上、それ以下のいかなるものでもありません。

むしろ、歴史認識の問題だとしているのは日本の側です。これには二つの側面があります。ひとつは、歴史認識の問題ではないものを、日本(の左翼)が歴史認識の問題だと言うので、中国側も歴史認識の問題だと言ってくるのです。もう1点は、最近の日本(の右翼)はあの戦争は正しかったと言うので、中国側がムカッとして、歴史認識の問題ではないのに歴史認識の問題だと騒ぐのです。

話は変わりますが、イギリスの学校ギリシャ・ローマの古典教育をやりますが、本来、グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国の人々にとってローマは侵略者なのでは。むしろ、ウェールズ、スコットランド、イングランド、アイルランドの歴史をやるべきなのでは。ジュリアス・シーザが侵略したブリテン島には、先住民のブリトン人と古代ケルトの文化と伝統があったのでは。しかし、イギリスがローマに侵略行為の謝罪を求めたという話は聞いたことがないな(ローマ帝国はもうないし)。

本能寺の変については、光秀がというより、どのような政治勢力が光秀に謀反を行わせたのかということが重要です。最近の研究では、背後にイエズス会の動きがあったという説がでています。信長が日本の支配者になった場合、イエズス会としてはやりにくくなるとでも思ったのでしょう。イラク戦争でのブッシュとチェイニーは、オイルカンパニーや建設会社や軍事企業の代理人にすぎないように、光秀もイエズス会に利用されていた、とも考えることができます。

歴史でなく感情の問題なら、それを素直に言って欲しいものです。大体、中味がないものに高邁な語彙を当てはめるから事態がややこしくなるのです。こちらの以前の記事でも中国人の歴史観など話をわざと難しくしてくれますね、あちらの人は。

http://newglobal-america.tea-nifty.com/shahalexander/2006/12/post_0f9a.html

そう言えばかつて元イギリス兵が日の丸を踏みつけた時、ギボン大先生のご高説を持ち出してイギリスの歴史認識などという講釈を垂れてくる御仁など皆無でした。

>イラク戦争でのブッシュとチェイニーは、オイルカンパニーや建設会社や軍事企業の代理人にすぎないように、光秀もイエズス会に利用されていた、とも考えることができます。

どちらも余りしっかりとした根拠がありません。

ところで、武徳大観は新記事がまだのようですが、そろそろライダー・キックぐらいできるようになりましたか?

ただ私が恐れているのは、真魚さんがショッカーの特定をしばしば誤ることです。まさに悪の怪人を相手に決めると本当に格好よい技なのですが。

何せあの「スペインの英雄」は風車を巨人だと思い込んで突っ込んで行ったそうです。そして頭から小麦粉をかぶって真っ白になったとか。

格好良い必殺技も相手を間違えると失笑、爆笑、激笑のネタ以外の何物でもなくなります。何?もう一度は真っ白になった?それはお気の毒様。今度そんなことになったらいつでも連絡して下さい。頭から暖かいお湯をかけてきれいに洗ってあげますよ。

しかし小麦粉ならともかく、汚物でもかぶった場合は私にはお手上げです。

ともかくライダー・キックを仕かける相手を間違えないで下さいね。オイルカンパニー云々を言い続けるようだと危ないなぁー。本当に必殺技が「ウハ、アハ、ギャハ」のネタになってしまいますよ。

舎さん、

中国の知識人でもわかっている人はわかっています。しかし、少なくとも歴史学の分野では、中国はまだ欧米の知的水準で議論ができる段階ではありません。よく、中国と日本の共通の歴史認識を持つとか言われていますが、議論の認識の土台にすら立っていないと思います。

武徳大観はどうするか考えています。色々、諸事情がありまして。日本国内の武林(中国武術界)は狭い世界ですので、どの流派の拳法をどのように習っているかで所属の組織が大体わかります。まあ、わかってもいいんですけど。門外不出の規則とかありまして、一ヶ月ぐらい前に初段になったのですが、まあ、いろいろあります。

これまでExxon Mobil Corporationがブッシュ政権に地球温暖化を圧力をかけているというのは公然の(不都合な?)事実として知られています。産業構造の変換というのは、いやがうえでもビジネスからみになることは避けられません。

そもそも今の時代に東洋武術に関心を持つというのは、ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャと変わりません。九代目松本幸四郎の演劇はまだ見ていませんが。私もラ・マンチャの男でありたいと思っています。

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