« 日本政府はなぜイラク戦争を支持したのか | Main | 『太陽の黙示録』を読んでいます »

October 01, 2006

中近東の未来

 以下は、マレーシアのASEANさんのブログ「亜瀬庵・内見聞・徒然草」の9月30日のエントリー「Mutual understanding is a castle in the air!?」についての私のコメントです。長くなるので、私のブログでエントリーにしました。

ASEANさん、

 まず、マイク・ロスのブログで私がコメントした内容については、あれは「米国国内に限った話としてはテロの脅威は軽減したとは思いますが、それはアフガンやイラクの中にそうした脅威を”押し込めた”に過ぎないと思います。」というASEANさんのご意見に対して、米国国内のテロの脅威は軽減したかもしれませんが、アメリカ市民の自由は失われている。ブッシュ政権のテロ対策はおかしい。合衆国憲法違反である。これは、アメリカ市民にとってもハッピーな状況ではない、アメリカの国内だって困っているのですとコメントしたまでのことです。

 これはASEANさんが言われる通り、アメリカ国内のことです。しかしながら、今のアメリカのタカ派的外交は、ブッシュ政権における民主主義への考え方、市民社会への考え方、社会的正義の考え方が基盤になっています。ASEANさんが問題にしているのは米国の外交政策であって、国内政策ではないとのことですが、一国の中で内政と外交は連動しています。外交を考えるためには、内政で何が行われているのかを考える視点も持つ必要があります。これは、民主党政権であったとしても同じです。

 ここまで書いて、以下のASEANさんの記述に気がつきました。

>> 苺さんのブログでも頻繁に使用される言葉に「テロと戦っている」というのがありますが・・・それは米国の外での話であって米国内で戦っている訳ではありません(予防行動のことではなく具体的な戦闘行動という意味です)。
他の主権国家の中で戦っている・・・ですから、イラクやアフガンニに押し込めている。。。というのは間違ってはいないはずです(こうしたこと自体が出来るのは米国しかないのですから・・・)<<

 これは、苺さんは米国在住の方ですから「テロと戦っている」というのは、アメリカ国内と国外双方のことを意味します。つまり、国内のテロ対策プラス国外での軍事行動のことです。保守派はそれらを総称して「テロとの戦い」と表現します。この言葉をもって、ブッシュ政権は国内の憲法違反と国外の国際法違反や他の主権国家の侵害などを行っているのです。テロリストをイラクやアフガンに押し込めているわけではありません。押し込められるものでもありません。テロリストは世界にネットワークがあります。9.11以後もインドネシアやインドやロンドンでテロは起きました。ですから、この「押し込めている」という表現がよくわからないのですが。

 それでは、ASEANさんがエントリーの中で挙げられていることについて、私なりの意見を述べたいと思います。ちなみに、私の意見はイコール米国民主党の見解ではありません。あくまでも私の意見です。しかし、私の意見はアメリカのリベラリズムであるということに否定はしません。

>> だとするなら、どうして現在のイラクは、シーア派、スンニ派、クルド人という統一したイラク人ではなく、分断した状況に陥って権力争いの常であるテロの応酬状態になり、治安維持の為の増員を考えなくてはならない事態になっているのでしょう?<<

 イラクは、国民国家ではないからです。日本も江戸時代までは幕藩体制でしたが、明治維新によって国民国家に自らなりました。これについては、以前私がブログに書いた以下のエントリーをご参照ください。

「一番悪いのはイラクである」July 20, 2004
http://night-news.moe-nifty.com/blog/2004/07/post_8.html

 上のエントリーで私が言いたいことは、排外主義的ナショナリズムと民族的自尊心とは違うということです。イラクの人々が自分たちの部族や宗派のことだけではなく、広く世界の視野をもって、世界の中のイラクという視点を持つことが必要なのだということをイラクの人々自身が理解しなくては、今のイラクの内戦はなくなりませんし、イラクの未来はないです。

 ご承知のように、アフガニスタンはアメリカの傀儡のカルザイの政権になりました。これはかつての南ベトナムのゴ・ディン・ジエム政権やフィリピンのマルコス政権のようなものです。ASEANさんが挙げておられるアメリカ外交の矛盾は正しいです。アメリカは、フセイン政権やタリバン崩壊後のことなど考えもせず、独裁政権が消滅すれば自然と民主主義国家ができるだろう程度の認識しかありませんでした。ブッシュ大統領がよく例に出した戦後のドイツと日本の復興は、ドイツも日本も国民国家だからこそ可能でした。しかしながら、イラクもアフガニスタンも国民国家ではありません。

 それでもなお、なぜアメリカは、アフガニスタンやイラクに軍事行動を行い、中近東に民主主義国家をうち立てるという理念を掲げたのかというと、それがアメリカン・イデオロギーであるとしか答えようがありません。アメリカは革命から生まれた国です。革命時代の思想を今なお持ち続け、それを世界に普及させること(悪く言えば「押しつけること」)がアメリカ合衆国のmissionであると考えるのがアメリカン・イデオロギーです。(ただし、保守本流やリバータリアンはこうは考えません。彼らはモンロー主義であり、他国に介入することなどやめるべきだと考えます。)

 よって、ASEANさんの言われる、アメリカは国内事情だけの話で、他の主権国家に対して武力介入したのではないかというのは正しい見方です。より細かく言うと、国内のイデオロギーで世界に向かって武力介入をしていくのです。革命のイデオロギーとはそうしたものなのです。革命国家のイデオロギーとは、人類普遍の考え方であるとしていますから、他の国には通用しないとは思わないのです。これはソ連を見てもわかります。アメリカもまた革命国家の国ですから同じです。アメリカは、このmissionをもって、1898年の米西戦争以後、世界に介入してきました。そして、今現在、イラクへ介入しているわけです。

 その意味で、イラク戦争はベトナム戦争に続く、アメリカにとって本格的なイデオロギー戦争なのです(実際のところは、石油利権とかイラクの国土復興作業の受注利益とかありますが、それらはメインではありません)。何度も書きますが、これはアメリカの国内都合です。そもそも、戦争とはやる側の国内事情によって行われるものなのです。そして、イラク戦争の結果について言えば、ベトナム戦争の結果と同様、アメリカの敗北は必至の状態になっています。ブッシュ政権は、まだやるつもりのようですが。

 まずアメリカとは、こうした国なのだということを理解しなくてなりません。これはもう、ものすごく迷惑なことなのですけど、こうした国なのだからしかたありません。ようは、こうした迷惑な超大国であるアメリカに対して、その他の国はどうすればいいのかということです。

 それでは、どうすればいいのか。アメリカを非難するだけではダメだと思います。今のアメリカは間違っている、これは世界の心ある人々が本心では思っていることです。しかし、だからと言って、嫌米感情を高ぶらせ、悪いのは欧米だとテロに走ることが正しいとは思えません。嘉永6年(1853年)に浦賀にペリー艦隊が来た時、日本はアメリカに来てくれといって来たわけではありません。それでも、アメリカはやってきました。アメリカが来たことにより、日本はそれまでの社会の姿を根底から変えることを余儀なくされました。国内で数多くのテロや戦いがありました。明治10年(1899年)に日本史上最大規模の内乱になりました。そうやって、統一した国民国家を作ってきたのです。

 他の東アジアの諸国はどうでしょうか。シンガポールのリー・クワンユーやマレーシアのマハティール・ビン・モハマドや、インドのマンモハン・シンはどうでしょうか。彼らは嫌米感情を高ぶらせて、露骨にアメリカに敵対することを口にしたり、行ったりしてきたでしょうか(マハティールは時々言っていたな)。それよりも、排外主義的ナショナリズムを持つことなく、広く国際社会に目を向けて、アメリカの「迷惑」を巧みにかわし、日本など他の国との関係を持ち、自国の発展に努めてきました。今のベトナムは、資本主義国かと思うぐらい外国の企業誘致に熱心です。タイのタクシン・チナワットは経済政策が優れていたと思いますし、現在のタイは経済成長をしています(まあ、こういう事態になりましたが)。アジアは、侵略してきた西洋に対して戦い、反感を持つだけではなかったのです。自らを変革して発展させ、欧米中心の国際社会の中で、それでも高い経済力と独自の地位を築き上げてきたのです。

 中近東の不幸は、こうした東アジアの指導者のような人物がいないということです。イラクのマフムード・アフマディネジャドやヒズボラのナスララやハマスのメシャルたちは、ひたすら欧米を批判するだけです。自分たち社会や文化の問題点や改正すべき点を考えようともしません。そして、より強い軍事力さえあればそれでいいと思っています。彼らには、自国の民を守ったり、職を与えたりして、食わせていく、平和で安定した市民社会を作るという指導者のやるべきことの基本中の基本がひとつもわかってはいません。こうした人々に、国をまとめ、社会のインフラを整備し、教育を高め、産業を興し、外国の優良企業を誘致することができるでしょうか。彼らは、リー・クワンユーやマハティールの足下にも及びません。そして、今の中近東がこうであることは、アメリカやイギリスの課題ではなく、中近東自身の課題なのです。

 私は、こうした上記のことが一番よくわかっているのはASEANさんではないかと思うのですが。いかがでしょう。ASEANさんこそ、嫌米感情を持つことなく、客観的に東アジアと中近東の比較ができる方ではないのでしょうか。

|

« 日本政府はなぜイラク戦争を支持したのか | Main | 『太陽の黙示録』を読んでいます »

「経済・政治・国際」カテゴリの記事

Comments

真魚さん、おはようございます。

ご丁重なエントリーをありがとうございます。
仰りたいことは非常に良く理解出来ました。

特に”アメリカ・イデオロギーである”という部分は・・・はい。

押し込める・・については
アラブ系による米国内でのテロは・・という主語を付けるべきでしたね。
テロの拡散に関しては、英国、インド、インドネシアでのテロを拡散とは呼ぶにはちょっと・・
テロネットワークの存在にしても(アルカイダがそうであるように)
確固としたモノではないと思いますが、テロを実施しやすくなった、と言う事は出来ると思いますね。
それも、米国が原因というならば、米国の軍事力行為に実際はそれ程信頼を持つ必要がなくなった結果であるとは思います。

続きはMSNですので、トラックバックは出来ませんが、リンクを張らせて頂いた上で
僕のブログに書かせて頂きます。

ありがとうございました。

Posted by: asean | October 02, 2006 at 11:31 AM

ASEANさん、

「テロを実施しやすくなった」というのはその通りだと思います。インターネットなど情報通信技術やボーダーレスな金融サービス業の発展は、テロリストたちにも大きなパワーを与えました。これに対してアメリカがやっていることは、空振りというよりも全然見当違いのことをやっているわけです。巨大な軍事力があればタリバンやフセイン政権を叩き潰すことはできますが、テロリストの自爆テロには無力です。ブッシュはテロとの戦いを「新しい戦争」と言いました。これは、その通りなのです。問題なのは、ブッシュが今やっていることは、新しくもなんともない「古い戦争」のままであるということです。今行わなくてはならないことは、本当の意味でのテロとの戦いですね。そして、それはアメリカだけがやることではなく、国際社会全体の課題なのだと思います。中近東の民主化とか、すぐにはできそうもないことをナンタラカンタラ言うから、世界の国々も「じゃ、アメリカだけやれば」となってしまうのです。今やるべきことは、テロとの「新しい戦争」なのです。

Posted by: 真魚 | October 02, 2006 at 11:45 PM

真魚さんが言うように中東の指導者が欧米批判に終始していたとは思いません。この問題に関する限り、現代の中東の不幸の始まりはイラン革命だと強く信じています。それまでは中東でもトルコとイランが「脱亜入欧」の輝かしい成功例でした。ケマル・アタチュルクとレザ・パーレビ1世が西欧化、非宗教化、近代化のためには。例えば官憲に女性のチャドルを力づくで剥ぎ取らせるほど手段を選ばなかったのはよく知られています。そう言えば、先日もストロー前英外相がベール着用禁止発言で議論を呼びました。

トルコはNATO、EUとの関係を深めるなど脱亜入欧路線が成果を収めつつありますが、イランではシーア派宗教勢力が権力を握ってしまいました。パーレビ王政下では赤十字のイスラム版となる赤新月旗がイランだけは赤獅子太陽旗だったほど。そこまで非イスラム化を進めていました。これが神権体制に代わったことは、単なる親米政権の崩壊以上の危機をもたらしています。イスラム原理主義の台頭は、イラン革命を契機としてです。パーレビ王政の継続、あるいは西欧型民主政権がイランで誕生していたなら、中東はずっと良い世界であったはずです。

ちなみにトルコとイランの脱亜入欧は日本をモデルにしています。ということは現在のイラン神権政治はイデオロギー上は日本の敵です!!!

しかしながら、日本人にこうした認識の持ち主は殆どいません。昨今はあれだけ、愛国心だの日本人のアイデンィティーだの、日本という国の成り立ちだのがやかましく議論されているにもかかわらず。これは嘆かわしいです。

東アジアについてはどうでしょうか?リー・クアンユーもマハティール・ビン・モハマドも、アジア金融危機までは盛んに「アジアの価値観」を強調し、自らの強権政治や鞭打ち刑まで正当化していました。中国共産党政権や韓国のノ・ムヒョン政権は今でもアジアの価値観を主張し、欧米や日本イ対決的です。

インドは東アジアと違うのでは?人種、歴史、文化などではむしろ中東、特にイランやアフガニスタンとの関係が深いです。そのうえ、「血と肌の色はインド人だが、思考と趣味は英国人」というエリートを何世代にも育成してきた国です。

この記事に関連して、こちらのブログではliberal interventionismとイスラムと民主主義について書く予定ですが、また北朝鮮が騒がしくなりました。予定はどうなるか?そろそろ中国についても何か書かねばと思ってはいますが。

それとこちらのマケインの記事でインターネット民主主義に触れていますが、これは真魚さんの得意分野だと思うのですが。

Posted by: 舎 亜歴 | October 09, 2006 at 10:53 PM

>現在のイラン神権政治はイデオロギー上は日本の敵です!!!<
いや、普通に知ってるでしょ。世界の政治に少しでも興味がある人にとっては。敵かどうかは認識の問題だけど。
で、世俗的国家イラクは日本の、アメリカの味方だった訳ですよね?それも、テロとは関係がないのにテロとの絡みを含ませつつ潰されたとw
世界はHappyになった?

単純化しすぎでない?

Posted by: ルイージ | October 10, 2006 at 09:37 AM

こっちは、テロ戦争後の現状。
読売社説[アフガン混迷]「『失敗国家』にしてはならない」
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20061006ig90.htm

マイクさんの期待は5年たっても裏切られっぱなし。悲しいけれど、これって現実なのよね…

Posted by: ルイージ | October 10, 2006 at 09:50 AM

ルィージさん、

<<マイクさんの期待は5年たっても裏切られっぱなし。

5年以内に問題が解決。ドイツや日本ではWWIIが始まってから戦後”期待”される結果が出たのにはもっと時間がかかっていたとおもうのですが?

成功しているところ(クルド地域など)もあれば、うまくいっていないところもあります。敵が何もしないわけでは無いわけですから。

MikeRossTky

Posted by: マイク | October 14, 2006 at 04:26 PM

舎さん、

イラン革命は確かに不幸だったと私も思います。結局。ここで逆に戻ってしまいました。ロシアのピョートル大帝は、宮廷内でのそれまでの東洋風の服装を禁止したそうです。日本でも断髪廃刀令をやりました。つまり、国家が権力をもって強制的に西欧文化を導入するわけです。なぜそうするのか。西欧に対抗するためには、そうしなければならないと指導者が判断したからです。今、中近東の未来にとって注目すべき場所はどこか。それはイラクでもイランでもなく、アラブ首長国連邦のドバイだと思います。ドバイは石油関連産業で発展してきましたが、石油に頼ることなく国際金融のセンター都市として変わろうとしています。また、リゾートやショッピングなどの観光都市として変わろうとしています。

イラン革命以前にもっと不幸だったのは、そもそも石油が出たということだと思います。石油がなければ、誰も中近東に関心を持ちません。石油が出るから、自分で努力をしないでカネが降ってくる。だから、本気でイスラム教の教義を現代に適応させようとか、産業を興そう、教育を高めようと思わないのです。中近東にとって最大の不幸は石油ですね。結局、今の時代は、必要なものは知識や技術であって、広大な領土とか自国内に豊富な天然資源があるということは、それだけでは富でもなんでもありません。

シンガポールなど小さな島でしかありません。マレーシアもそうです。しかし、それらの国が今、アジア経済の要になっています。インドは地理的には東アジアではないですね。しかし、東アジア経済圏の中で重要な一角を占めています。インドの経営者で興味深いのは、もともと社会主義の影響が強いですから、国内の貧民階層をいかに豊かにするかを意識しているということです。日本の戦後の松下幸之助みたいなものです。インド国内の購買力が高まると、これは巨大なマーケットが出現することになります。政治的な価値観は対立していても、経済では「ひとつの世界」になっています。それがやがて政治的な価値観を変えていきます。

マケインのインターネット民主主義は選挙目当てのフレーズですね。「インターネットなんとか」というのは、まだまだ一般民衆ウケしないです。

Posted by: 真魚 | October 14, 2006 at 09:21 PM

ルイージさん

先月のJapanTimesの見出しに"U.S war on terror killed more Americans than 9/11"というのがありましたね。ようするに、そういうことなんです。クリントンがどうだった、こうだったとか言っていますけど、今のブッシュ政権のやっていることは、こういうことなんです。

Posted by: 真魚 | October 14, 2006 at 09:25 PM

真魚さん、

<<U.S war on terror killed more Americans than 9/11

アメリカは第二次世界大戦中に、真珠湾攻撃でなくなった人の数と比べるとどのような見出しになるでしょうか?

イギリスは空爆で殺された人とイギリスの軍隊が関与して殺された人の数を比べると?

真魚さんの発言はなにを指摘しているのでしょうか?

MikeRossTky

Posted by: マイク | October 14, 2006 at 10:52 PM

Mike,

I'm just talking about the truth.
The truth teach us the failure of the Republican government.

Posted by: 真魚 | October 15, 2006 at 01:16 AM

真魚さん、

すなわち、死人の数で成功・不成功を判断しているわけですね。

第二次世界大戦は大失敗と言う事ですね。

アメリカは本国が攻撃されてもいないのに、ノルマンディーに上陸し、ドイツの国境も越えたわけですかし、真珠湾攻撃で受けた被害以上の被害を日本に与えたから失敗とみなすわけですよね。

イギリスの場合、ヒトラーがイギリスに与えた被害と比べものにならない被害をドイツに与えたわけですから、これも失敗ですよね。

その上両国は、自国の兵士が自国が攻撃されて殺された人の数以上の犠牲を出したわけですから、これも失敗だったと判断すべき要素なのですよね。


MikeRossTky

Posted by: マイク | October 15, 2006 at 08:47 AM

真魚さん、

ドバイに注目するところは真魚さんらしいです。ところで私が気にかかるのは、最近のエジプトの存在感が薄いことです。

言うまでもなくエジプトはアラブ文化の中心ですが、石油は余り産出せず、農業、観光、交通(特にスエズ運河)、考古学で国が成り立っています。アラビア語学習のテキストの多くが聖地メッカではなくエジプト標準語です。

アラブ世界を代表する頭脳もそろっていて、中世からのイスラム系のアル・アズハル大学、アラブ近代国家の国立カイロ大学、そして欧米式教育のカイロ・アメリカン大学といった優秀な大学があります。これだけタイプの違った一流大学があれば、イスラム式であれ欧米式であれ優れた人材を育成しているわけです。

となると頭脳立国は充分にできるわけで、そこから中東全体への波及効果が期待できます。今やナセルやサダム・フセインのような過激民族主義ではアラブの盟主になれません。ドバイは古くから貿易で発展していましたが、文化ではエジプトの影響力に及ばぬところ。危険な国やテロ集団に基軸対処する一方で、エジプトのような国で穏やかな改革を進めてゆければ、中東もインドや東アジアに劣らぬ有望な地域となるはずです。

Posted by: 舎 亜歴 | October 15, 2006 at 11:28 AM

Mike,

通常、軍事作戦では自軍での死者の数を事前に予測します。自国の側の死人の数というのは作戦の成功・不成功の重要な基準です。軍隊であっても作戦でのコスト管理が要求されます。

ブッシュは、アメリカの若者を何人殺せばテロとの戦いに勝利したと言うのでしょうか。軍事作戦とは、作戦目的があります。なにをもって作戦完了とするのかが、明確に規定されていなくてはなりません。それがなくては戦争はできません。そうしたものはないのならば、そんなことに莫大な国家予算と若者の命を投入することを承認した連邦議会の良識を私は疑います。

Posted by: 真魚 | October 15, 2006 at 12:25 PM

真魚さん、

<<軍事作戦では自軍での死者の数を事前に予測します。

確か、リベラルの方々は何万人ものアメリカ軍人が亡くなるとイラク戦争前に予測されていたと思うのですが…


<<ブッシュは、アメリカの若者を何人殺せばテロとの戦いに勝利したと言うのでしょうか。

及び

<<なにをもって作戦完了とするのかが、明確に規定されていなくてはなりません。

またまた、変わった定規をお使いですね。イラクにイラク人がイラク人の為の政府が成立すれば成功とみなすと思うのですが。その様な政府が成立するのには時間がかかると思います。

もっとちゃんとブッシュ大統領の言っている事を聞いたらどうですか?あまりリベラルのサイトで書いていることばかり読んでいると陰謀説のとりこになりますよ。

MikeRossTky

Posted by: マイク | October 15, 2006 at 04:49 PM

Mike,

>>リベラルの方々は何万人ものアメリカ軍人が亡くなるとイラク戦争前に予測されていたと思うのですが…

だから、やめろと私は当時CompuServeで言っていましたが・・・・・・。

ブッシュはそう言っていましたが、そうすると次期政権が共和党ならば続行するわけですね。イラクにイラク人がイラク人の為の政府が成立するまで、アメリカの若者には死んでもらうわけですね。それでは、共和党の大統領候補者は選挙では、はっきりとそう主張してもらいたいものです。

Posted by: 真魚 | October 15, 2006 at 10:01 PM

真魚さん、

同じように、やめろと幾人の人が第二次世界大戦前にアメリカやイギリスの指導者に言ったのでしょう?

日本、ドイツ、イタリア相手の戦争は間違えだったのでしょうか?

MikeRossTky

Posted by: マイク | October 15, 2006 at 10:03 PM

そして日本は、悪の枢軸w

マイクさんは本当に単純でいいよね。

ちなみに私は
戦争に勝ったら正しいと思ってますよ?

日清後の三国干渉、臥薪嘗胆>日露へと
政治も民衆もおかしくなるのが戦争だとも
思いますけどね。

Posted by: ルイージ | October 16, 2006 at 12:30 PM

ルィージさん、

単純っていいですよ。悪は悪。善は善。

以前、私は”人権”と言うコンセプトを使った政治はナイーブ、単純すぎると思っていました。

今、リベラルの方々は”人権”と言うコンセプトを放棄して、複雑な関係を人権を剥奪するシステムにをサポートする。

北朝鮮に資金を与え、話を続け、協定を結ぼうとするのは誰?

過激イスラムに”声”を与え、資金を集める機会を作り、自由に活動する機会を与えるのは誰?

キューバ、ベネズエラなどの指導者を迎え入れ、会話を持ち、英雄扱いにするのは誰?

この国々の”人権”をニュアンスを使って無視するのは誰?

単純で結構です。

MikeRossTky


Posted by: マイク | October 16, 2006 at 10:21 PM

真魚さん、

イラク開戦反対の根拠は「戦略的合理性」だけからですか?というのも、反戦運動には多くの過激左派がいました。彼らは市民運動の名の下に、サダム・フセインを帝国主義に立ち向かう正義と称え、ブッシュを石油利権の親玉とこき下ろしたような人物の集まりです。

そもそも「人間の盾」に参加した人達は「強大なアメリカ」にこれ見よがしに立ち向かう自己満足しか考えていない連中も多いです。

確かに国際市民運動は対人地雷やリオ会議で大きな役割を果たしました。その後は増長してGATTシアトル会議では蛮行を働きました。イラクでアメリカが彼らに屈すれば、それこそテロリストが世界の市民を見方につけたかのようになってしまいます。

こちらの側面を議論する記事や論文は見かけませんが、市民の良心という皮を被りながら目的の怪しい勢力は増長させてはならないと思います。テロリストは彼らを巧みに利用します。

イラクの犠牲者については、開戦という方針ではなくそのやり方に不充分な点があったためというのが広く受け入れられているはずですが。

エジプトのコメントも忘れずに。

Posted by: 舎 亜歴 | October 17, 2006 at 12:24 AM

舎さん、

エジプトよるアラブ統合は困難だと思います。舎さんもご存じのように、ナセルはアラブを統合しようとして失敗しました。第三次中東戦争での敗北は政治的にもダメージが大きかったです。サダム・フセインはナセルの尻尾のようなものです。中近東には、かつてのオスマン帝国のような大帝国の復興の夢がまだ残っています。しかし、そんなものは時代錯誤です。アラブ・ナショナリズムでは、これからの時代は成り立たないと思います。ドバイはこのことがよくわかっているのです。エジプトも含めて、中近東諸国の例えば本の出版量ひとつをとっても、欧米やアジアには及びません。知識立国をめざそうとしてもまだまだのところがあります。共通のアラビア文字があるのですから、国によって言語が異なるアジアやヨーロッパよりも、ずっといい条件にあるはずです。それなのに、なぜそうした状況なのか。帝国へのノスタルジアをなくし、経済や金融を統合し、なぜ我々は欧米やアジアより遅れているのかと本気で正面から取り組むようになる必要があります。民主化云々というのは、その次ですね。中近東には、その前にやるべきことが数多くあります。

Posted by: 真魚 | October 17, 2006 at 01:57 AM

Mike,

Bush said we must stay the course in Iraq.
However......

"The Insanity of 'Staying the Course' in Iraq"
http://www.alternet.org/waroniraq/42741/

Insanity、狂気、愚行 まさに、その通りです。

Posted by: 真魚 | October 17, 2006 at 02:29 AM

とりあえず、敗戦以前の日本は
悪役だったということでw

私たちのご先祖様は、世界規模の極悪人だったので
子々孫々まで正義の味方に奉仕していきましょう。

>単純で結構です。

勘違いヤローは迷惑なんじゃ○○。
良心回路発動中

Posted by: ルイージ | October 17, 2006 at 11:32 AM

ルィージさん、

国民と政府、指導者は一緒でしょうか?

政府、指導者は歴史の流れの中で。流れが変われば、政府、指導者は変わる。

第二次世界大戦は沢山の国の流れを変えたとおもうのですが。歴史の流れがポジティブに変われば、国民の良いところ、人間の良いところが。

中東ではなかなか、良い流れが…

良い、悪いは単純に。

MikeRossTky

Posted by: マイク | October 17, 2006 at 10:57 PM

>国民と政府、指導者は一緒でしょうか?
あのね、日本近代史をしっかりみれば
わかるんですよ。

当時の日本には、政治、軍部だけでなく民間にも
戦争熱に冒された人々が確実にいたという事実が。
>日清後の三国干渉、臥薪嘗胆>日露へと
政治も民衆もおかしくなるのが戦争だとも
思いますけどね。<
この意味は、日本の近代史を
勉強してもらえればわかります。
でも単純に善悪でしか見られない人には
わかりません。
当時の臥薪嘗胆という言葉に込められた
歴史的意味がわかりますか?

Posted by: ルイージ | October 18, 2006 at 12:13 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/36163/12115328

Listed below are links to weblogs that reference 中近東の未来:

» イスラムと民主主義 [グローバル・アメリカン政論]
去る9月25日にアメリカに亡命中のイラン人グループが運営するレジーム・チェンジ・ [Read More]

Tracked on October 18, 2006 at 08:22 PM

« 日本政府はなぜイラク戦争を支持したのか | Main | 『太陽の黙示録』を読んでいます »