On the Road 7
これが目的でアメリカに来たわけではないが、ぜひとも見なくてはと思っていたアル・ゴアのドキュメンタリー映画『An Inconvenient Truth』を見てきた。
思っていた以上に、地球温暖化の説明というよりも、ゴアのPersonal history的な側面が多い内容だった。映画が終わった後、拍手をしている人が多かった。こうしたところが、さすがNY市民のみなさんである。心ある人はもうわかっているのだ。我々は、何をすべきなのかを。見たのはEast Houston StreetのLandmark's Sunshine Cinemaという劇場で、イーストビレッジの近くなので、そうした感覚がある人々が多い場所だからなのかもしれない。共和党支持者は、この映画を見ないだろう。
環境問題は日本でもよく知られているが、アメリカではほとんどの人が知らない。この映画は、劇場公開だけではなく全米の学校で授業のひとつとして見せる必要がある。
もうひとつ映画を見て感じたのは、ゴアって話がおもしろい人だったんだなということだ。この人は副大統領候補の頃は、話す内容が真面目すぎて人が集まらないと言われてたそうだ。それが、この映画ではユーモアもあるおもしろい人なのであった。この映画の宣伝のために、Saturday Night Liveなどに出たりしているが、そこでもコミカルなキャラクターを出している。
CO2と地球温暖化は「科学的」に無関係であるという批判にも、ゴアはこの映画の中で答えている。「科学的」という装いの背後に石油会社とのつながりなどがあったりしている。ゴアは、若いときからこの手の科学者のfakeを指摘し続けてきたのである。
この映画のタイトルが示しているように、これは「事実」なのである。しかし、ある人々にとっては「Inconvenient」なのである。つまり、この映画を批判しているのは、ゴアが語っていることが事実ではないから批判しているのではなく、「Inconvenient」だから批判しているのである。そのこと自体が、まさに「Inconvenient」を意味している。
« On the Road 6 | Main | On the Road 8 »
Comments
The comments to this entry are closed.
TrackBack
Listed below are links to weblogs that reference On the Road 7:
» 温暖化の神 [mikerosstky]
温暖化の神 [Read More]
>環境問題は日本でもよく知られているが、アメリカではほとんどの人が知らない。
そうですか?アメリカ政府は核拡散防止とからめて温暖化防止のために原子力利用を支援するという政策をとっているようですが。
昨年11月にワシントンでボドマン、エネルギー長官の講演を聴いた際にもこうしたコメントはありました。あの有名なナン・ルーガー・イニシアティブによってロシアの核を軍用から民用へと転換しようとする政策は超党派のものです。
実はこれから、こちらのブログでインドに関する記事を投稿する予定ですが、そこでもニコラス・バーンズ国務次官補が民間核開発の支援による温暖化防止という政策を述べています。
>共和党支持者は・・・・
ボドマン長官もバーンズ次官補もれっきとした共和党政権の要職にあるじんぶつですからねぇ・・。ハードコアの保守派と産業界が温暖化を否定しているのは事実ですが。
Posted by: 舎 亜歴 | June 18, 2006 01:40 PM
舎さん、
大学出は知っているでしょう。しかし、一般大衆は知りません。一般大衆の方が数は多いです。この映画は、ゴアがアメリカ市民に向かって述べているメッセージの映画です。
原子力では廃棄物の問題があります。それよりももっとクリーンなenergyが必要です。
『An Inconvenient Truth』をもう一度見てきました。後ほど、それについて書きます。
議会も共和党も環境問題を本気で考えているとは思えません。ゴアも映画の中で、アメリカが京都議定書に不参加なのを批判しています。
(union squareからアクセスしています。ここの無線LANは電波が強くていいです。マンハッタン全部を公共無線LANで覆ってくれるといいのですが)
Posted by: 真魚 | June 19, 2006 06:39 AM