フランシス・フクヤマの新刊本
散歩がてらに、紀伊国屋書店新宿南店へ行く。ここんとこ洋書はアマゾンでしか買わないので(だって安いし)、最近、6階の洋書売り場に足を向けることはなかったのだけど、まあ行ってみるかと訪れてみると、フランシス・フクヤマの新刊"America at the Crossroads: Democracy, Power, And the Neoconservative Legacy"を発見。おーそういえば今度出るんだったな、もう出たのかと思い。どーすっかなあ、アマゾンで買った方が安いだろうなあ。でも、いっかなー。すぐ読みたいしなあ。でも高いだろうなあ、500円くらいの値段差ならいいかなーとか思いながら結局購入。
今、アメリカの言論界では、イラク戦争の泥沼化の責任を問う声が高い。ネオコンとその外交政策への批判が強まっている。先日も、ポール・イートン元陸軍少将がラムズフェルド国防長官の辞任を要求することがあった。軍部だけではなく、「イラク戦争とは、一体なんであったのか」という問いかけが各方面から挙がってきている。外交の専門家では、元父ブッシュ大統領補佐官ブレント・スコウクロフトやクリントン政権の国務長官だったマドレーン・オルブライトも、ブッシュ政権のイラク政策がいかに間違ったことであるかを述べている。
シカゴ大学の地政学者ジョン・ミアシャイマーは、現在のアメリカの外交政策を批判し、ブッシュ政権はあまりにもイスラエル寄りであることを主張している。ミアシャイマーは、ヘンリー・キッシンジャーやコンド リーザ・ライスと同じリアリズムの観点に立つ人であるが、そのリアリストのミアシャイマーでさえ、今のアメリカの外交政策があまりにもイスラエル寄りなのでそうとう頭にきたのであろう。ちなみに、彼は当初からイラク侵攻には反対していた。フクヤマも、タカ派でネオコンと同じグループと見られてきたが、今ではこの本の中でネオコンの外交政策を批判している。ただし、アメリカの言論界でイスラエル批判をするとかなりヤバイことになるので、フクヤマは内心そう思っていても、イスラエル批判までも書くことはなかったようだ。その点、ミアシャイマーは「よくぞ言った!」ということになるのだが、今後どうなるかが注目される。いずれにせよ、もはやアメリカ外交におけるネオコン時代は終わりに向かいつつある。
さて、フランシス・フクヤマの本を買って、エスカレーターで4階に降りて、大前研一さんの新刊が出てたよなあとか思いながら、岩波新書の棚の前を通ると、なんと柄谷行人の『世界共和国へ― 資本=ネーション=国家を超えて ―』(岩波新書)を発見。これは、知らなかった。この人のことだから、カントとマルクスだよなあと思う。でもって「世界共和国」となると、なるほどーと内心うなずいちゃうのであるが、なににうなずくのか自分でもよくわからないが、とにかくこれは読まねばならんと、さっそく購入した。
自宅に帰り、アマゾンでのフクヤマの新刊本の値段を見ると・・・・・げっこんなに値段が違う。うーむ・・・・。
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