Aging Society
少子化の話題が多いが、少し前のNewsWeek Jan30で"The End of Retirement"というCover Storyで、これからの時代は定年退職した後も働く社会になることが書かれていた。
少子化とは日本だけのことではなく、大体、どこの先進国でも見られる現象で(ただし、日本が最も進行している)。そこで、
"One unavoidable solution:putting older people back to work, whether they like it or not."
になる。少子化で国の産業が危ない、だから子供を増やさなくてはならない、というのではなく、少子化なのだから、定年退職のみなさん、どんどん働いてくださいというわけである。
おーそうだよなと思った。なんか今の日本では、ワカイモンにいかに負担をかけようか、高齢化社会なんだからワカイモンの負担が大きくなるのは当たり前、シカタガナイではないかという話がまかり通っているが、年寄り世代が働けばいいのであった。しかも、そうしたことは、どの先進国でも試み初めているようだ。このNewsWeekの記事でも、日本企業の三菱やキャノンは、もうすでに退職の再雇用制度を始めていると書いてある。
2007年問題というものがある。団塊の世代で一番数が多いのが、昭和22年(1947年)生まれになるという。その人々が60歳で定年を迎えるのが2007年になる。このため、日本の労働人口がごっそりなくなるという問題である。
しかしこんなもの問題でもなんでもなく、団塊の世代が働き続ければいいじゃんということなのであった(当面は、であるが)。もう、学校卒業して、会社に就職して、定年まで働いて、定年後は年金で暮らすというライフスタイルは、どの先進国でも変わらざる得なくなってる。そして、他の国と同様に、日本でもいくつかの企業は、そうした方向に制度やマネジメントを変え始めている。アメリカでも、定年後も仕事を続けたいという人は数多いという。
これは当然といえば当然のことなのだが、なぜかこうした記事は日本語版には出ない。そして、なぜかこの国では、少子化は宜しくないとか、高齢者にはもっと福祉が必要だ、そのカネは、消費税を上げてまかなおうみたいな話ばっかりなる。
もちろん、少子化は宜しくなく、高齢者への福祉も必要であろう。それは、どの先進国も抱えている共通の課題である。しかしながら、それでもまあ、どの国でも明るい未来の展望を開いていこうとしている。ところが、この国では「だから」国民に負担をかけざる得ない、「シカタガナイ」というお先真っ暗の話になっていく。これは、一体なぜかと思う。むしろそうしたことよりも、定年後も仕事を続けたいという希望は日本でも多い。定年退職後の再雇用を、たんなる「再雇用」扱いにせず、もっと充実したものにする方のことが必要なのではないか。
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