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January 26, 2006

ライブドアの失敗から学ぶべきこと その1

 ライブドアの失敗から学ぶべきこととは、例えば、エライ人と会う時は、スーツ着て、ネクタイをしめようとか、やばいことをメールでやり取りしているのならば、メールサーバは外国に置こうとか、お上の査察があった時は、すぐにディスクを爆破できるようにしておくとか(これからはウイルス対策だけではなく、当局の立ち入り検査時のための仕掛けもセキュリティ対策のひとつだな)、いや、そーゆーことじゃなくて。

 とどのつまり、ホリエモンの逮捕とは、ライブドアがソフトバンクから受け継いだ「説明会経営」の破綻であったと思う。では「説明会経営」となんだったのか。ここで強調しておきたいことは、時価総額という考え方は間違っていないということである。今のマスコミや世間の論調では、本業での売上よりも遥かに超える時価総額がつく、これはケシカラン、株価はその企業の売上の実体に反映しているべきだという声が多い。

 しかし、それでは新興のベンチャー企業は、どこからカネをもってくればいいのかということになる。資本金があるだろとか、売上げからもってくればいいではないかと思うかもしれないが、それではワカイモンが起業ができない。アイディアとやる気はあるけど資金がない、そうしたワカイモンの起業をしやすくしなくてはならない。

 従来の方法では、銀行から借りるしかなかった。しかし、当然ながら銀行から借りるには、担保が必要である。つまりは不動産とか資産がなくては銀行は貸してくれない。借りれば金利もあるし、そもそも返済しなくてはならない。それでは、自前の資金などないワカイモンは、どうしたらいいのか。アメリカでは、若者の起業が新しい技術とビジネスを生み出し、産業の活力になっているのに対して、日本ではなぜそうならないのかという背景がある。すべては、ここから始まった。従来の大企業と銀行中心のやり方ではダメだということから、東証マザーズや大証ヘラクレスができたのではなかったか。個人投資家が新興のベンチャーに資金を提供することができるようにしてきたのではなかったか。

 問題なのは、ライブドアは、そうした仕組みを「悪用」して、ひたすら時価総額を上げていくこと「しか」しなかったということにある。時価総額とは、その企業が将来生み出すであろうと思われる価値に対する期待値である。本来、時価総額で得た資金を使って、IT企業としてのやるべきことをやっていくことが必要であった。しかし、ホリエモンには、その「IT企業としてのやるべきこと」の中身がカラッポだったわけで、だから「説明会経営」であった。

 いや、企業買収は次々と行なっています、そちらの方では利益を上げていますというのならば、ライブドアとはファンド屋なんだなというわけで、それではファンド屋としてのライブドアへの期待値はどうなのかという話になる。時価総額がイコール企業の収益であるかのように見せかける手においては、ホリエモンは天才であった。しかし、天才的であったかもしれないが、プロの機関投資家はライブドアに投資していない。素人の個人投資家にしか通用しないごまかしであった。彼は「時価総額世界一になる」と言っていたというが、時価総額で世界一になってどうしようというのか。時価総額というものは、砂上の楼閣のようなもので一瞬で水泡に帰す。だからこそ、経営者も株主もそれをよく知っているから、実際の企業収益を上げていこうとするわけである。

 しかしながら、ホリエモンはそうしたことはしなかった。法の目をくぐるということと、法律に違反するということの区別がつかなかったのではないか。個人投資家たちも、自分が投資する会社の財務内容まで調べることはしてこなかった。さらに、マスコミと政治家がホリエモンを持ち上げていた。つまりは、みんな考えて判断するということをしなかった。

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Comments

ライブドアの事業について色々メディアで語られていますが、もう少し”冷静”、もうすこし”リサーチ”をしてもらいたいなと…

ライブドアの面白いところは若手のマネージャーに責任をもたせ、社長が彼らに一任し、買った事業を改善し、新しいビジネスを作らせる所にあると思います。

成功もあれば失敗もある。失敗したプロジェクトに参加するベンダーはすごい迷惑を受ける。関わる社員にも。場合によっては破産や解雇など。トラディショナルな会社から見ると…

私は日本に来てから買収されて失敗した会社、またその会社がまた買収され成功した会社にこの7年間時間を費やしています。また、2回目の買収後、他の会社を買う側にも立っています。結構勉強になっています。会社を買収する、されるは複雑なプロセスです。買われる側が買う側に出す情報の質。買う側の思惑と現実のずれ。そのずれがどのように埋まっていくのか?

ライブドアの悪いところは基本的な会計ルールをフォローしていない。別にここはライブドアだけの問題ではない。西武も長年同じような会計問題を隠してきた。日本の監査制度の問題だと思う。上場している外資でここまでルールを曲げることは難しい。監査のレベル、モラルのレベルの違いかも。

ライブドアのマネジメントにはもっと地道にビジネスを成功させながら伸びて欲しかった。

MikeRossTky

Posted by: マイク | January 26, 2006 at 12:02 PM

国際会計基準が日本でも採用されれば、数多くの企業の財務にボロがでるのでは。ライブドアの事件は監査機関の罪も問われるのではないか。今回の事件は日本の会計検査の甘さや東証のシステムの不備など、数多くの問題を浮かび上がらせました。

Posted by: 真魚 | January 26, 2006 at 11:01 PM

どんな監査基準を使っても、監査している会社がちゃんと監査しなければ問題は解決しない。

東証は5年前、海外の取引システムの導入を考えた。そのシステムの導入を行わなかったと同時に新しいシステムの構築を始めなかった事が今回の不備に…

マイク

Posted by: マイク | January 28, 2006 at 10:06 AM

ライブドアだけではなく、東証も全面的に変えて欲しいですね。システムもインドあたりから買ってきた方が富士通がやるより優れたシステムになるのでは。

Posted by: 真魚 | January 28, 2006 at 07:47 PM

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