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September 2005

September 28, 2005

深夜の『花とアリス』

 先々週あたりから、休みなしの働くだけの日々になっている。先日の連休もノンストップで働き続け、今週も連日連夜の深夜帰宅である。常日頃から働き過ぎはイカンと思っているのであるが、イカンと思っていても、ワタシ個人がイカンと思っているだけで、世の中はそうした個人の思惑とは別に慌ただしく回っていく。自分もまた、好むと好まざるとに関わらず、その慌ただしさの中に巻き込まれていく。やれやれと思いながら、毎日が過ぎていく。気がついたら、夏は終わって秋になっていた。これから一歩一歩、秋が深まっていく。

 このところ、夜中にDVDで岩井監督の『花とアリス』を見ている。もう何度も見てきた映画であるが、ここんとこずっとDVDを出してくることはなかった。しかしまあ、今の仕事だけの毎日に対する反動からなのか、こうしたほのぼの学園ものを見たいとムショーに思うようになって、それで『花とアリス』をひっぱり出してきて見ている。見ながら、つくづく、あー高校の頃は楽しかったなあと思ったり、思い出したくないことを思い出したり(笑)。大人になってしまった我が身を省みると、やっぱりあの頃は自由だったと思う。

 ハナとアリスの2人を見ていると、「人」に対する自然な関心と好奇心があるよねえと思う。なんでもない、ある意味、ごくありふれた平凡な日常なのに、なぜあの頃はそれでも楽しく充実感があったのだろうか。歳をとっていくと、「社会とはこういうものだ」とか「人とはこういうものだ」とか「仕事とはこういうものだ」とか「生きるとはこういうものだ」みたいな固定観念がますます強固になっていくだけだ。それらはいわゆる、社会人としての経験や蓄積なのであろう。しかし、そうしたものが、毎日の「楽しさ」や「おもしろさ」をなくしているのだ。

 夜中にオジサンがこうした映画を見ているというのは、なんかそれはそれで「良くない!」という気がしないでもないが、まー別にあやしげなDVD(って何?)を見ているわけではないし。そうやって、秋の夜は更けていくのであった。

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September 24, 2005

国の借金795兆円

 総選挙の論点は「郵政民営化」であった。その結果、自民党が圧勝した。それでは「郵政民営化」を行なうのかというと、当然ながら行なうであろう。しかしながら、これから数年間の間で自民党が行なうであろうことは「郵政民営化」だけではない。ざっと挙げてみると、まず増税であり、憲法改正であり、年金破綻の表面化であり、アメリカの指示による自衛隊の海外派兵の本格化である。これらはすべて、今回の選挙では話に出なかった、そんなことを国民は承認した覚えはないと言っても、自民党が圧勝してしまったので承認されたということになってしまった。

 かつて半世紀前、政府もマスコミも「日本は勝つ、神州不滅」とさかんに言い、国民もまた勝つものと信じてたが、その実体は日本軍の敗北につぐ敗北であり、ついに国家が壊滅したという出来事があった。太平洋戦争の降伏は、日本人全員の降伏であったが、今の日本の破局は、誰もが破局に向かうというわけではなく、こうした状況下でますます利益を得る側もある。つまりよく言われているように、冨の全体のパイそのものが増えることがなくなってきたので、これまでそれなりに均等に配分されていた冨が、これからは多く得る側と少なく得る側に分かれていくということだ。この差が広がっていく。この傾向が、今回の総選挙で変わることなく、むしろ急速に今後も進んでいくであろう。

 竹中平蔵経済財政相は、景気の現状を「企業部門と家計部門がともに改善し、緩やかに回復している」と述べた。これもまた半世紀前の大本営発表と同じとしか思えない経済財政相のコメントだ。個人消費は「緩やかに増加」しているそうである。「緩やかに増加」とはなにを言っているのかさっぱりわからない。なにゆえ、かくも不毛な言葉をしゃべっているのか。同日22日、財務省は、2005年6月末現在の国の借金(債務)残高が、前年度末より14兆2821億円増の795兆8338億円となり、過去最高を更新したと発表したという。これからの日本は、重税と年金なし、国軍となった自衛隊の兵士はアメリカの先兵として世界各地でゲリラやテロリストと闘い、さらにIMF管理下に置かれるというという行くところまで行くしかないのであろうか。

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September 18, 2005

今必要なのは民主党の民営化だ

 民主党の新しい代表になった前原誠司氏のウェブにある「前原誠司の基本姿勢」を読んでみた。

 新生民主党は「闘う政党」になるとのことである。「闘う」というのは、何に対して「闘う」のであるか。もちろん、小泉自民党と闘うのであり、現状の民主党の前に立ちはだかる様々な障害と闘うのであろう。しかしながら、この「闘う政党」というスローガンを見ただけで、ナニカチガウとゆーか、あーこれまでの民主党と同じだと思った。国民は別に「闘う政党」というものを求めているわけではないと思うのであるが。

 「自民党型旧来政治を打破すること」と書いてあるが、そもそも自民党型旧来政治は、小泉純一郎によって打破されてしまったのであって、むしろアフター・コイズミの状況をいかに捉えるかが必要なのだと思う。「国民の誇りと自信を取り戻し、国民一人一人の多様な幸せを実現できる社会。」と書いてあるが、これはなんか自民党が書きそうなスローガンだけど、民主党もこういうことを言うんだなあと思った。もちろん、悪いことではない。

 ただ、今の有権者の中には、民主党はなにか中国・韓国とつながっているのではないかというイメージがあって、それが民主党を今ひとつ信用できない要因になっている。こうしたネガティブなイメージは、きっぱりと打ち消す必要がある。「国民の誇りと自信を取り戻し云々」と言う前に、新しい民主党は中国・韓国をどう考えるのか。靖国神社参拝をどう考えているのか、愛国心というものをどう考えるかといったこともきちんと明確にすることが重要であろう。ささいなことかもしれないが、そうしたささいなことを有権者は気にするものだ。

 ようするに、民主党のナニが悪いのか。それを徹底的に国民から聞くということが必要であろう。民主党は、労働組合や各種業界のための政党ではなく、国民のための政党であることをまず全面に大きく打ち出すべきだ。とにかく、なりふりかまわず党の問題点をたたき出し、それをひとつひとつ解決していくことが必要であろう。民主党以外の外部のコンサルティング企業も活用すべきだ。これら手法は、企業の組織改革や体制改革で行なっていることであって、政党も企業も変わりはない。民間の技術、民間のノウハウを導入すべきなのは、役所や官庁である前に政党自身なのである。今必要なのは、政党の民営化なのだ。いっそのこと、新しいスローガンは「民主党を民営化します」であってもいいと思う。党の人事も収支決済も透明化するであろう。今回の選挙で、議員の数が減ったのは余剰人員の削減だったと思えばよい。あやうく菅直人が代表になりかけたが、それも避けることができた。今が民主党の変革のチャンスだ。党の代表が40代なのだから、30代を中心とした民主党改革プロジェクトを発足することができるのではないか。

 今回の選挙では、自民党はアメリカのBBDOという調査会社を使っていたようであるが、民主党もアメリカの調査会社や政治コンサルタントを雇うことをしてもよいと思う。党員以外の外部スタッフを幅広く活用すべきだ。特に、メディア対応の専門スタッフは絶対に必要だ。さらに演説原稿を書くスピーチライターも必要だ。政治とは言葉である。政治家とは、言葉で人を動かす人なのだ。だからこそ、世界の政治には名文や名演説がある。日本では、政治の言葉が貧しいものになっている。まずは言葉から、しっかりとしたものにしなくてはならない。

 「インターネット、 IT を駆使して国民とつながる 」については言うまでもなく進めて欲しい。ウェブやブログを使っての情報発信は当然のことだ。政治でネットを使うことができない公職選挙法は即刻改正すべきだ。メディア専門の部門を作り、インターネットでのテレビ局やネットラジオ局をオープンして欲しい(Podcasting対応にしてね)。それらのメディア局は、民主党のちょうちん持ち番組ではなく、むしろ民主党批判もOKにして、広くオープンに日本の政治、世界の政治を扱うものであって欲しい。自民党議員にも出演してもらって、語ってもらうのもいいだろう。そもそも、そうしたことは本来はマスコミの仕事であるのだが、今の大手マスコミは国民の側には立っていないので、それならば自分でメディアを作るしかない。

 それらのメディアを通して、年金はとうの昔に破綻しているから、国の年金をあてにしない人生計画が必要だとか、国債は紙くずになるかもしれない。日本の銀行の預金金利がこれほど低いのはなぜか。株価が下がっても、大多数の日本人は株を資産の中に入れているわけではないので全然困らない。教育は崩壊している。それでいて教育費が異常に高い。アメリカへの過度の依存関係は危険である。小選挙区制には問題がある等々、伝えるべき真実は山のようにある。

 そして国民の側も、民主党を育てるという意識が必要だと思う。なにしろ、戦後60年間、(その間自民党ではない時期もあったけど)事実上自民党の独占政権体制であったのだ。一度も与党になったことがない民主党に、多少の至らぬ点があるのは当然ではないだろうか。自民党は支持しないが、民主党では不安だ、だから自民党に投票しましたというのではなく、「不安な民主党」を「不安ではない民主党」にしなくてはならない。それをやるのは民主党の側なんだから、有権者たる国民はそれをただ黙って待っているだけでいいというわけではない。そんなことでは、100年たっても民主党は万年野党のままであろう。

 民主党を育てるのは、なにも民主党のためにやるわけではない。我々国民は、国民・生活者を中心としたマジョリティのための政党を、本気で持つ気があるのかということだ。あるのだったら、若干の不安がある民主党を優れた政党に育て挙げ、将来の政権与党にしていくしかない。我々国民の生活のために、国民の側に立ち、国政を任せることできる政党が必要なのである。そのために、民主党は民間企業の組織改革の手法を導入し、民主党に投票した支持者がオーナーである政策立案運営組織のような政党になるべきだと思う。新しい党首は、こうした柔軟な発想を持った人であって欲しい。

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September 13, 2005

勝ったのは、自民党なのか

 シンプルに考えてみたい。今回、小泉総理は「郵政の民営化に是か否か」とだけ問いかけていた。民主党は、郵政民営化には反対していたわけではないのであるが、「それ以外にもアレコレある」と言っていたので、有権者には「なんか民営化反対なんじゃないか」と思われたのかもしれない。いずれにせよ、小泉総理は「あなたは郵政民営化に賛成しますか」と(だけ)国民に尋ねたのであり、国民の大多数は「賛成する」と答えた。

 今回の自民圧勝は、小選挙区制による現象であると考えることができるであろう。ワン・イッシューの選挙で選挙民の支持を集め、歴史的な大勝を果たすというのは歴史上よくあることなのかもしれないが、小選挙区制度では、こうした自民党投票者さえも予測できなかった自民圧勝が起こるようだ。もちろん、これは逆の場合もありうる。有権者の民主党への支持が高ければ、小選挙区制では民主党圧勝ということも起こりえた。そのことを期待していたのが民主党の岡田代表であろう。しかし、その「読み」は甘かったというわけである。

 東京では、民主党の当選は菅直人氏のみであり、あとは比例で6人が当選したぐらいである。東京都でさえこうだったのだ。こうなると、自民党への批判政党に投票したい場合は、共産党に投票するしかないということになる。しかし、それはあまりにも極端なことであろう。今回の選挙で見えてきたことは、民主党の崩壊と共に、実は従来の自民党もまた解体の方向へ流れ始めたということだ。その意味では、小泉総理の自民党をぶっ壊すというのは正しかったということであろう。だからこそ今回の選挙は、小泉総理の勝利だと言われている。

 しかしながら、先日アニメの『SAMURAI7』をNHKのBSでやっていて最終回まで見て、このアニメの原作である黒澤監督の『7人の侍』のラストシーンで志村喬の演じる勘兵衛が語るあの有名なセリフが、やはり『SAMURAI7』でも使われたので印象深く思っているからなのかもしれないが。勝ったのは、自民党なのだろうか。むしろ、自民党はこれで国民の過剰な期待という重荷を背負ったように見えるし、無党派層の支持が次回の選挙もあるとは限らない。

 今回の郵政民営化は、無党派層の大多数にとって自分の利害に直接関わらなかったからこそ自民党への投票になったもの、税金や年金という自分の生活の利害に関わるものが対象になった場合、すんなりと自民党を支持するとは思えない。しかし、いやでもそれらについての政治的判断をしなくてはならない状況になっている。その時、今回自民党を歴史的大勝利に導いた有権者は、どのような反応をしめすであろうか。小泉総理の次の総理は、そのことを深く実感するであろう。

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September 10, 2005

公職選挙法は改正すべきだ

 衆議院選挙について、直前の今、思いつくままにつらつら書いてみたい。

 マニフェストについて、先日いろいろ書いたが、なんだかんだ言ってもやはり民主党のマニフェストは自民党のものより良かったと思う。役人の作文をそのままもってきた自民党のマニフェストなど、もはや国民が読むことを前提にしていないことは明白である。そもそも、自民党は国民はマニフェストなるものを読んで政治を考えたり、投票を決めたりすることはしない。こんなもん、読むヒマのあるヤツはいないと思っているのであろう。

 しかしながら、とりあえず良しと思う民主党のマニフェストであるが、なにゆえこれほど国民的支持を受けないのか。なぜ、民主党は伸びないのか。これは岡田党首にカリスマ性がないからではなく、スタッフの問題だと思う。なぜ、有能なスピーチライターやメディア対応専門のスタッフを採用しないのかと思う。

 アメリカの政治では、いかに優秀なスピーチライターやメディア対応のスタッフ、コンサルタントを雇えるかどうかで、ほぼ決まる。ジョージ・W・ブッシュというアメリカ歴代大統領の中でC級かD級クラスと言ってもいい人物でさえ、合衆国大統領をやっていられるのは側近のスタッフが優秀だからである。特に、ブッシュの側近中の側近、次席補佐官のカール・ローブこそ、ブッシュを大統領にした男だ。この人物なくして、ブッシュはなかった。この人物こそ、(現実の政治なのだから、ダーティ・トリックが悪いとは思わないが)様々な悪事をして民主党を落とし込み、共和党大統領を作った人物である。ローブは、最近、機密情報漏洩事件で窮地に追い込まれている。この出来事は、悪事のカタマリのようなブッシュ政権を象徴する事件であったので、別の機会に書きたい。

 小泉政権の選挙対策には広告代理店が関わっているが、民主党はどうなのかと思う。もちろん、広告代理店を採用すればいいというわけではない。日本の政治には、アメリカように専門のスピーチライターや政治コンサルタントが政治家をサポートする仕組みになっていない。このへん、そもそも日本の政治の何が問題であるのかというと、「政治」が国民に与える情報が乏しい、もしくは大手マスコミ記者クラブという枠組みしかないということである。もっと、多種多様でたくさんの情報のやりとりがなければ、おかしいではないかと思う。

 選挙でいつもうざったく思うのが、朝の通勤時での駅前演説であった。なんでネットでやらんのかと思う。ネットでの選挙情報のやりとりの邪魔をしているのが公職選挙法である。今の公職選挙法では、ウェブもブログも全然使えない。全国各地を遊説するよりも、ポットキャストで何時間でも延々と演説なり対談なりができるのに、それが使えない。我々、投票者は、それらを自分のパソコンなりiPodなりで、いつでも好きな時に見たり、聴いたり、読んだりすることができる。そうしたことが可能な世の中になっている。新聞とテレビだけがメディアである時代は、もう終わったはずだ。それなのに、新聞とテレビが政治情報をこれまでと同じ枠の中に押さえている。大手マスコミは、(一部を除き)自民党支持である。そして、大手マスコミは、(一部も除かずみんな)自分たちが世論を主導していると思い込んでいる。日本の政治が変わることができない原因のひとつはここにある。

 衆院選候補者のブログの更新ができない。民主党のホームページが公示後にページを更新したということで、総務省がそれは公職選挙法上問題があると言ってきたという。この国は、かくも、バカバカしいことをやっているのである。

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September 05, 2005

『ザ・ホワイトハウス(The West Wing)』の輸入盤DVDが届いた

 先日、アメリカのテレビ番組『ザ・ホワイトハウス(The West Wing)』について書いた。DVDは、アメリカではフォース・シーズンまで販売しているが、日本ではなぜかまだファースト・シーズンまでしか売っていないである。もちろん、待っていればそのうち後のシーズンのものも出るであろう。しかし、すぐに見たいではないか。ファースト・シーズンの最終回で、銃に撃たれたチャーリーじゃあなくってマーティン・シーンのバートレット大統領はどうなったのであろうか(そりゃ死ぬわけはないけどさ)。ううっ気になる。今すぐにセカンド・シーズン以後を見たかったら、アメリカまで行って買ってこいつーのか。

 と思ったのだけど、今の時代はたいへん結構なことにアマゾンで買える。アマゾンと言っても、アメリカのアマゾン・ドット・コムで米ドル支払いで買うのではなく、日本のアマゾン・ドット・コムでも輸入DVDを扱っているのである。さっそく、検索して、ワンクリックをポチッと押したことは言うまでもない。

 それが今日届いた。いやあ、いい時代になりました。その昔、スタートレックTNGの見逃したエピソードを、サンフランシスコへ行った時、マーケットストリートのNordstromの地下のビデオショップで探して買ってきたものであったけど。そんなことは、インターネットがまだ普及していかなった時代の話になってしまった。当然、リージョンコードはアメリカ・カナダ向けなので、日本国内用のDVDプレイヤーでは見れない。そこで、パソコンで見ている。このドラマは、会話のテンポが速いのであるが、まー英語の字幕で見れば、ストーリィもそれなりにわかるものである。

 話は変わって。今年の初めに、僕は南部のアメリカを知らないので、そのうち昔のようにリックを背負って、ちょっとアメリカ南部へ一人旅に出ようと思っていると書いたが、もしかしたらそれが実現しそうな感じになってきている。南部と言えば、ニューオリンズだなと思っていたら、歴史的な大惨事になってしまった。南部は、アメリカのもうひとつの魂の場所である。

 この事態は、ブッシュ政権が作ったと言ってもいいだろう。救援活動が遅れたのは、ルイジアナとミシシッピ州の州兵の約3分の1がイラクに派遣されていたためである。以前から危険視されていたニューオーリンズの堤防の補強は、イラク戦争のために予算が削られていたという。そこに、今回のハリケーンが来襲した。南部は共和党の支持地盤であるが、来年の中間選挙では民主党支持に変わる州が多いのではないか。

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September 03, 2005

118億円の使途不明金

 9月2日の読売新聞によると「経済産業省所管の特別会計などで表面化した「支出実態のない予算付け」が、各府省庁の一般会計などでも横行していたことが明らかになった。」という。その額は、昨年度だけで118億円であるという。これは、財務省が全府省庁に洗い出しを命じたことに対する報告をまとめたものであって、いわば各省庁が自己申告してきたものなので、実際はもっとあるだろうなと思う。

 それにしても、バブル崩壊以後、低迷と混乱に突き進む日本になって10年以上の年月がたつのに、まだ役所の実態はこうだったということに、もはや脱力感以外のなにものも感じられないのであるが。これまでがこうだった、ということは、抜本的な改革を行わない限り、これからもこれが続くものと見てまず間違いない。そして、郵政民営化はすぐにでもやりたいそうであるが、こうしたことへの抜本的な改革をやるつもりも意思もないのが今の政府である。僕はつくづく思うのであるが、「郵政民営化はあらゆる改革につながる本丸」というコトバと、中央官庁で使途不明金118億円あったということをどうするのかということが、どこでどうむすびつくのかさっぱりわからない。なにが、どういう改革になるのか。

 自民党のウェブには、小泉改革の成果として、「数字はウソを言いません。長く経済を苦しめた不良債権問題は、小泉政権下でトンネルを抜け出し、GDPは実質、名目ともプラスに転じました。」と書いてあるが、小泉改革の成果ではなく、公的資金をあれほど大量に投入したのであるから不良債権問題は解決の方向に向かわない方がおかしいであろう。しかしながら、国のカネ(つまりは税金)を投入したことなど自民党のウェブには書いていない。あれは、なかったことにしたいのであろう。

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September 02, 2005

もう一歩、いや数歩の民主党

 民主党のマニフェストは評判がいい。自民党の「コレコレをやります」というだけの120の公約とは異なり、8つのポイントに絞って、「いついつまでに、コレコレをやります」と期限を明記している。ホームページの使い方も自民党と比べて圧倒的にセンスがいい。マニフェスト発表記者会見の動画は、なんか画面が小さくて、これはナニかと思ったが、ウェブでのマニフェストの説明はよくまとまっていると思う。

 今回、民主党のホームページをつらつらと見ていて、民主党の公式ホームページの方でネット献金をやっていること気がついた。これはアメリカの政治ではよく見られる献金方法で、日本の政治にも早く導入されないかと思っていたのであるが、民主党はこれを行っていたことは知らなかった。先の大統領選挙での民主党のトップランナーであった(マスコミによって失脚させられた)ハワード・ディーンの特徴は、ネットを最大限に使い、オンライン献金によって政治資金を得るシステムを作ったということだ。ウェブページにディーンの主義主張が書いてあり、クレジットカードで献金ができるボタンがついていて、ディーンに賛同する人はカンタンに献金ができるようになっていた。これにより、これまで政治献金をしたことはない人々が数多くディーンに献金したという。民主党のネット献金では、クレジットカードは使えず、郵便振り込みになっているようだが、これはもっと大々的にアピールしてもいいと思う。ディーンは、ブログでのメッセージを重視し、またディーンを支持する若者たちも自分のブログで政治について活発に議論をしていった。2004年の大統領選挙は、インターネットが政治に影響を与えるようになった初めての選挙であった。

 日本の民主党も、もっと積極的にネットを使うべきだと思う。誰のために政党なのかと言えば、それは当然、国民のための政党である。岡田党首は、小泉総理との討論を要求しているようであるが、そんなものはもはや茶番であってどうでもいいことだと思う。実質的に、あの小泉総理と「討論」なるものができるかどうか、わかりきったことではないか。つまり、民主党は政治的ショーとして小泉総理との討論を要求しているのである。このへん、岡田党首はなにか勘違いをしているように思う。話すべき相手は、国民であり、特に若い世代ではないか。極端なことを言えば、今、日本国民というのは、大別するといくつかのグループに分けられる。年収2000万円以上の高額所得者などが自民党を支持するのは当然であって、そうした人々に民主党を支持して欲しいと言うもムダであろう。あるいは、某宗教政治団体支持者に民主党を支持して欲しいというのも意味はない。むしろ、民主党は、無党派が多い40代以下の中間階層世代に焦点を絞り、そうした人々にもっと情報を発信するべきであろう。

 その意味では、民主党のマニフェストでも改革による明るい側面しか書いていないのが気になった。「8つの約束」と書いてあるが、その内容をさらに読んでみると、自民党の120の公約と同じような「やります」式の内容になっている。これを読んでいると、やるのはいいけど財源はどうするのかと思うことばかりであった。12月までに、イラクから自衛隊を撤退させるとあるが、このことによる日米関係の悪化はどう対処するのか。そのことについては書いていなかった。イラクから自衛隊を撤去させて、アメリカとイギリスがどう思うかは、カンタンに想像がつくであろう。だからこそ、アメリカとイギリスに対する外交というものが重要になってくる。しかしながら、そうしたことは全く存在しないかのように書かれているのだ。そうしたリアル感のなさが、民主党の欠点であろう。

 つまり、マニフェストとは、政策の内容と、その実行期限を明記するだけではなく、その政策によるネガティブな部分も明記する必要があると思う。明るい未来だけではないはずだ。負の側面もある。社会政策として、それは当然である。そうした負の側面について、どう対処していくか。そこまで記載しているマニフェストであれば、おおっこれは!!と高く評価したい。

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