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April 20, 2005

絵に描いた餅

 竹中経済財政相は19日の経済財政諮問会議で、4半世紀後も日本が経済力を維持するため必要な改革課題をまとめた「日本21世紀ビジョン」を報告したという。

 この最終報告書は、まだ経済財政諮問会議のサイトに置かれていないようなので、どのようなものか内容の全文はわからないが、アサヒコムの記事を読むと、構造改革を怠ると、日本は将来的には閉ざされた「元経済大国」なるとしている。少子化で人口が減っても、高齢者の労働力の活用、技術革新などによる年率2%の生産性上昇などを図れば経済成長率は年率1%台半ばを確保できるという。

 そして、こう書いてある。

"「官」の機能の縮小、消費税引き上げによる財政の健全化、社会保障改革なども進めることで、知的開発の拠点化、高齢者の自立、ゆとりと個人の能力の向上などが進み、経済が順調に成長。1人当たり実質消費も年率2%伸びる社会(になる)"

 しかし、こうしたことをしなければならないということは、もはや誰でもわかっていることであり、それも以前からわかっていたことなのではないか。むしろ「官の機能の縮小」「財政の健全化」「社会保障改革」などといったことを「どのように行うか」ではなく、「なぜできないのか」を問うべきなのではないかと思う。

 構造改革は、なぜできないのか。なにがネックになって、日本は変わることができないのかという観点からのアプローチが必要なのではないだろうか。なぜ、つぶれるべき銀行に巨額の公的資金を投入したのだろうか。なぜ、道路公団は改革できないのだろうか。なぜ、年金制度や国民健康保険制度は破綻しているのだろうか。そして、改革がなにひとつ行われることはなく、結局国民への増税になっているのはなぜなのだろうか。

 現状では今、日本は資本主義でも民主主義でもなく、旧ソ連型の社会主義階級社会になりつつある。なぜそうなっているのか。これを考えることから、本当の改革は始まるはずであると思うのだが、政治家のセンセイも学者のセンセイも、そーゆーことは考えたくないようだ。

 経済財政諮問会議のサイトで、「日本21世紀ビジョン」のワーキンググループの会議資料をpdfで見ることができる。これらの資料に目を通してみると、どれも統計やらグラフやらが多数あったり、いかにも学者や官僚が書くような文章で、何を言っているのかよくわからん。理解できないお前のアタマが悪いんだと言われそうであるが。なるほど、こうした資料を見ながら会話をしているんだなあと思うけど、なんだかなあ。

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Comments

このところ、当ブログで「骨太」なテーマが議論されているのにコメントがないのはさびしいです。kakuさんの反日運動のせいもあってブログがにぎやかなようです。

なぜ日本では「官の縮小」がすすまないのか?財政の専門家では満足な答えを出せそうでない。結局のところ、地方の選挙民が中央にたかっているのが問題というのはよく知られるところ。これは官僚や財政家の下地であるケインズ経済学では解決できない。

答えの鍵はcivic voluntarismにありそう。これについてはマイクさんのブログで私がコメントを記しています。

いずれにせよ、専門バカの議論では解決できないと思います。この問題は・

日本人は、中国や韓国の理不尽な行動には大いに反応するのに、国の理不尽なことにはなぜか黙る、仕方がないという反応を示します。アメリカの経済誌「フォーブス」のアジア太平洋支局長のフルフォードは、日本は民主主義ではなく社会主義国家だと書いています。私は国が変わることはもう不可能だと思っています。財政破綻が起きて、日本国はアルゼンチンのようにクラッシュして終わっても、日本人が終わるわけではありません。この政府は早く終わりにして、「小さな政府」にして、若者にお金が回るようにして、リスクテイクをして様々な産業を起業していくようになれば、今世紀の後半あたりから日本は復活します。

>kakuさんの反日運動のせいもあってブログがにぎやかなようです

そうそう、小日本メ!…って、舎先生、形容詞のつける位置が間違っていますよぅ(←細かい)。

>「日本21世紀ビジョン」

私も読みました。私はむしろ、ここに書かれている“この改革を終えた後の姿”に「嘘つくな!ホントの事言わんかい!今以上に経済的格差は広がります、それが“努力の報われる”社会です、だけど流動性も生まれますから~、と堂々と説明せい!」と思いました。

いやですね、卑怯ですね、姑息な嘘は。大衆はアホだからわからんわい、と思っているんでしょうか。そう思うあんたたちが一番アホやわ、と言うてやりたいわあ。と、朝から飛ばすkakuであります。

kakuさん、

「日本21世紀ビジョン」は、最終報告もそうですが、あの専門調査会の先生方の資料を見ると、大学院生のレジュメみたくなんかいろいろ書いているんですけど、どこにも「年金制度はもう破綻している」とか「日本の銀行の金利の低さは、もはや預金者相手の金融サービス業ではない」とか「不良債権の最大の問題はアングラマネーに流れていったこと」とか「なぜ銀行をつぶすことができないのか」とかいった本当のことが書いていないんです。なにが問題であるのか正しく理解しなくては、正しい解決を考えることはできません。ところが、本当のことを誰も言わないんですよ。ようするに、政府の主催する経済財政諮問会議というものは、なんの役にも立たないんです。

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