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April 19, 2005

BBC、日本は虚偽で偽善だと報道する

 イギリスのBBC Newsが読売新聞を挙げて、日本人は中国への侵略を反省していないと書いている。"The row over Japan's past and future"というこの記事を読んでみると、この記者が言いたいことは、次の部分であろう。

"And Japan's largest national newspaper, the Yomiuri Shimbun, in what I take to be blatant disregard for the known facts, has called on its readers to celebrate, because the new textbooks have cut out all mention of one of the greatest of all the humiliations inflicted by Imperial Japan on its neighbours: the use of large numbers of women in conquered Asian countries as sex slaves for the Japanese army. "

 ようするに、読売新聞が従軍慰安婦についての言及が教科書からなくなったことを良しと評価していることが、この記者には納得ができないのであろう。

 なんでイカンのかと思う。教科書に従軍慰安婦のことについての記述を載せる、載せないは教科書の自由ではないのか。

 上記の文章に続いて、

It was right to set the record straight, I read, because the accusations "had been shown to be untrue".

Surely I thought modern Japan could not give in to the poison of such deceit and hypocrisy ever again.

と書いてある。ははあ、ここだなと思った。つまり、何が納得できないのかと言うと、読売新聞が、従軍慰安婦が真実であるかどうか立証されていないから、教科書に従軍慰安婦の記述がないのは良いことであると判断していることが、"deceit"(虚偽)で"hypocrisy"(偽善)だとBBCの記者は書いているのだ。

 しかしながら、よくわからないのが、"the use of large numbers of women in conquered Asian countries as sex slaves for the Japanese army."の記述だ。

 日本軍兵士による強奪、略奪、強姦、一般市民の殺戮があったことは事実である。しかし、軍の制度として"sex slaves"(性的奴隷)なるものがあったわけではない。

 民間の公娼業者が行う「軍慰安所」というものはあった。これは職業としての公娼であり、給与が支払われるものであるが、なかには悪徳業者もいたし、「身売り」やひどいこともあったであろう。この悪徳業者がやったことの責任まで、日本国政府および後の世の日本人すべてが負わなくてはならないというのだろうか。あの戦争で起きた一切合切の不幸は、すべて日本国の責任であるというのだろうか。

 あの戦争について謝罪すべきものは謝罪し、そうではなかったものはそうではなかったとするのはしごくまっとうなことだと思う。BBCのこの記者には、それがわからないらしい。

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「経済・政治・国際」カテゴリの記事

Comments

BBCは「公正中立」を重んじる余り、戦時でも政府に批判的な報道をするほどです。フォークランド戦争しかり、今回のイラク戦争でも「敵軍」とか「我が軍」でなく、「イラク軍」や「イギリス軍」とか。少しsnobが行き過ぎなんではと思ってしまいます。

ところで、今回の反日デモとイラク戦争を契機とした反ブッシュ・デモの参加者とは顔ぶれが実に良く似通っているのに驚きます。どちらも20代から30代にかけての世代が中心で、ピクニック気分で参加しているところはそっくり。参加者に普段から国際政治に関心の高い人は多くなさそうに見えたのですが。

経済格差など社会的不満の捌け口という解説には今一つ説得力はなし。そんな人達があんなに豊かでノホホーンとした顔つきはしていないよ。

これだけの共通点がありながら、反ブッシュがそれほど荒れないのに反日はなぜあんなに暴徒化するのか?専門家もメディアもこういう疑問に答えてくれないのでしょうか?

「市民の力」が大きな役割を果たすようになった時代だけに、この疑問は解決して欲しいですね。

Posted by: 舎 亜歴 | April 21, 2005 at 12:54 AM

「反日」運動は、「反グローバル化」運動と似ていますね。「反グローバル化」運動では、スターバックスやマクドナルドの店舗が襲われています。中国の「反日」は、憎むべき日本の企業が最近多く中国社会に進出してきたことへの反動なのかもしれません。これは中国の「反日グローバル化」市民運動のひとつと考えることができるのかもしれません。

Posted by: 真魚 | April 21, 2005 at 02:24 AM

月曜日だったかNHKで
専門家?(名前失念)が

デモは当初、きれいに印刷されたプラカードを
用意するなど大学生が主導であった。

そこに、ネットやメールで情報を受けた
多くの人間が参加。

規模が大きくなり統制がとられない状態に。

商店を破壊したなどの容疑で逮捕された
15人(ほど?)は大学生ではなく
すべて労働者か失業者。

と解説してましたよ。

Posted by: ルイージ | April 21, 2005 at 12:21 PM

国際世論からの非難を受けたからか、昨日の土曜日は中国政府はデモ封じに必死でしたね。日本大使館の前にあれだけ警官を配備すりゃあ、そりゃあデモもできないでしょう。しかし、その抑圧された大衆心理はどこに向かうのか注目していきたいですね。

今回の出来事は、政府側からすれば反日はもう民衆を統合する政治的道具できなくなったのと、政府が民衆を管理することができず、管理するとなるとなると従来どおり力で押さえ込めるしかない、ということが明らかになったということですね。

Posted by: 真魚 | April 24, 2005 at 01:05 AM

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