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January 25, 2005

自由なきアメリカ

 「自由」という言葉をちりばめたブッシュの就任演説であるが、今のアメリカほど「自由」なき時代はないであろう。今、アメリカは国家が国民を監視する体制へと移行しつつある。ブッシュは、演説で「世界平和を達成する最短の道は全世界に自由を拡大することだ」とか「全世界の人々に自由が行き渡ることを宣言する」と言ってたが、実際にやっていることは自国の市民の自由の制限である。ブッシュ共和党政権は、いかにアメリカ市民の権利を侵害しているかということについては、以下の2冊にくわしい。

『消えゆく自由』ナット・ヘントフ著 集英社(2004)
『9.11以後の監視』デイヴィッド・ライアン著 明石書店(2004)

 さらに最近、決定的な本が出た。1月5日のHowWired Japanのニュースの記事"「テロ対策ビジネス」の実像をえぐる新刊書"で、"No Place To Hide"というタイトルの本の紹介があった。この記事を読んで、これはおもしろそうだとアマゾンに注文していたのだが、先日この本が届いた。まだ、内容を読んでいないが、パラパラと拾い読みしてみるとおもしろそうだ。

"No Place to Hide: Behind the Scenes of Our Emerging Surveillance Society" by Robert O'Harrow,JR FreePress(2005)

 ブッシュ政権はテロ防止の名目で、アメリカ市民のざまざまな自由を侵害している。ブッシュ政権は、市民から建国の根本的な理念である自由を奪い、国家による監視社会を作ろうとしている。興味深いのは、監視プログラムやデータマイニング・プログラムの技術を開発している民間企業が国家(テロ対策のために、国民を監視するのは当然だと考える保守的な政府高官)と連携し、市民の自由を侵害し、国民を監視する監視社会を作ろうとしているということだ。好むと好まざるに関わらず、市民は消費者としての情報を民間企業に管理されている。この民間企業のデータベース技術が、政府のテロ対策と称する国民監視の意図と融合し、新しい管理社会が出現しているのだ。

 ABC Newsは、このRobert O'Harrow,JRの"No Place To Hide"を大きく取り上げ(FOX Newsでは絶対にやらないだろう)、最近、特集番組"No Place to Hide: Freedom and Identity Peter Jennings and the Fight Against Terrorism in the Digital Age"を放送した。この番組の中で、Peter Jenningsは、民間企業のセキュリティ技術やデータ分析技術を用いて、政府は市民のプライベート情報を管理しようとしていることを述べている。(ABC Newsは、有料でネットで見ることができる。)

 今、アメリカは、共和党政権のもとで、新しい情報テクノロジーが市民を統制し監視する自由なき社会になりつつある。"No Place to Hide"については、読了後また書いてみたい。

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「経済・政治・国際」カテゴリの記事

Comments

真魚さん、

スーパーボウルのこの宣伝は見ましたか? 

http://www.herosalute.com/states/big_game_ad_QThi.html

アメリカってすばらしい国じゃないですか?この宣伝を見るたびに目頭に涙がたまります。

マイク

Posted by: マイク | February 13, 2005 at 10:22 PM

Mike,

"For your service and sacrifice, we thank you."
It is natural that everyone think so. Therefore, we must not use their service and sacrifice for the profits of specific company and a political party.

Posted by: 真魚 | February 13, 2005 at 11:31 PM

マイクさんのblogより
>ベトナム戦争から戻って来た兵士は全くこのようなサポートは無かった。
>軍服を着て大学のキャンパスを歩いていたらつばを吐かれた経験をもつ人も。

「アメリカってすばらしい国じゃないですか?」
というより
「アメリカってまともな国になったよね?
以前に比べれば」
って感想かな。

あと2/8の「政府を批判すると…」を読んで

『リベラル思想とはなぜこのように、自分の好きな団体や機構が不具合を起こした場合、それを庇ったり、もしくは”攻撃”してくる人を逆に攻撃するのだろう?』

読んで感じたことが

私がいろいろニュースやblogを読んでいて
まさしくマイクさんと正反対の感想を日頃抱いている点です。

「リベラル思想」を「(日本の)保守・右翼」に置き換えて感じています。
あと、ブッシュが政策変更している点を無視して
ケリーを茶化したりする保守の方にも。


これは、現実がどうこうではなく読み手の問題ではないでしょうか?

すべての情報を集め、統計を取らなければ
どちらが「否定する傾向」が多いのか不明です。

ということは、いわゆる
「被害妄想」ってやつではないかと。
お互いに。

Posted by: ルイージ | February 14, 2005 at 10:51 AM

アメリカが不自由な国っていうのは、ありとあらゆる自由が法律で規制されているところだと思います
アメリカの法律は厳しすぎるし、犯罪を防ぐための法律ってのが多すぎるのです
それが日常生活を不自由にしてしまっている
アメリカ人の若者なんて、とても明るく自由に生きています
しかし、そんな彼らは何らかの法律にひっかかったとき刑務所送りです
例えば、ちょっと怒鳴っただけでハラスメント罪とか、電柱を蹴っただけで器物破損、クラスメイトをふざけてはたいたぐらいで傷害罪など

日常生活のどこで刑事罰になるか分かりません それはモンスター被害者の出現かモンスター通報者(人のあら捜しが趣味の保守派)によって実現されてしまいます

日本もそうなるのでしょうか?そうなりつつまります

Posted by: あかやん | September 13, 2008 at 09:49 AM

あかやんさん、

人類の、どこの国にもある共同体社会というのは、一般的に「言わなくてもわかる」規範や慣習や制度によって成り立つ社会です。しかしながら、アメリカは他民族社会で人工的に作った国ですので、基本的に言葉(法律)で伝えなくてはわからない社会です。そのためにどうしても煩雑な法治社会になっています。しかし、その反面「言わなくてもわかる」という面はありません。私はアメリカへ行くと開放感のようなものを感じるのですが、このへん、「言わなくてもわかる」ということを前提とする日本社会との違いだと思います。

これまで日本は「言わなくてもわかる」諸々のことがわかって、守っていさえすれば、比較的に自由で煩雑な法律がない共同体の社会でした。しかしながら、最近の急速な社会変化が、そうした共同体社会を崩壊し続けています。

Posted by: 真魚 | September 15, 2008 at 12:36 AM

あかやんさん、

アメリカって一枚岩ではないので、一概に法律が厳しいとは言えないと思います。

リベラル色が強いところに行くと、政府が自由から庶民を守らないとと言う概念が強く、”ハラスメント罪”などがよく用いられます。特に大学内では”Hate Crime"の名の下、簡単な発言が重要犯罪扱いになります。

保守色が強いところに行くと、自由を政府から守るという概念が強く、単純な犯罪を見逃す、個人の土地内での行動についてとやかく言わないなどが見受けられますが、他人の自由を奪う”犯罪”を行うと牢屋送りになります。犯罪を繰り返すと社会から追放される仕組みに。

MikeRossTky

Posted by: マイク | September 16, 2008 at 10:26 AM

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