« テロとの戦いは戦争ではない その2 | Main | CBS騒動はパジャマを着た人々の時代の始まりか »

September 22, 2004

ジョン・ケリー、熱弁す!

 目前に迫った大統領選挙。民主党ジョン・ケリーは、ようやく今回の選挙の本当の論点にフォーカスを合わせてきた。今まで、自分がいかにベトナム戦争で功績があったかを主張してきたケリーであった。あんた、マクナマラの『フォッグ・オブ・ウォー』を見ていないのかと思っていたけど、20日のニューヨーク大学での演説は、まるで身体をスマートにして、品のいい背広を着たマイケル・ムーアみたいなスピーチだった。徹底的にブッシュを批判しまくり。

"National security is a central issue in this campaign. We owe it to the American people to have a real debate about the choices President Bush has made… and the choices I would make… to fight and win the war on terror."

 そうなんだよ。国家安全保障がこの選挙の争点なのだよ。この1点がポイントなのだ。

"That means we must have a great honest national debate on Iraq. The President claims it is the centerpiece of his war on terror. In fact, Iraq was a profound diversion from that war and the battle against our greatest enemy, Osama bin Laden and the terrorists. Invading Iraq has created a crisis of historic proportions and, if we do not change course, there is the prospect of a war with no end in sight."

 うーむ、オサマ・ビンラディンを"our greatest enemy"と言っちゃってるよ。(ただし、この場合は「我々が直面した最強の敵である」という意味だと解釈できる。)(関係ないけど、ずっと昔、アメリカのプロレスに日系悪役レスラーでグレート東郷というのがいたな。)こんなことは、共和党は絶対言わない。こういうことを言うから、「リベラルはやっぱり・・・・・。」とか言われるんだろうなあ。しかし、現状のコースを変えなくては、戦争の終わりは見えてこないことは事実。

"It is never easy to discuss what has gone wrong while our troops are in constant danger. But it's essential if we want to correct our course and do what's right for our troops instead of repeating the same mistakes over and over again."

 共和党は、「ケリーだって、最初はイラク戦争に賛成していたじゃあないか」と言うが、日本には「過ちを正すのに、はばかることなかれ」(It is never too late to mend. )ということわざがある。これについては、このスピーチでも、

"Two years ago, Congress was right to give the President the authority to use force to hold Saddam Hussein accountable. This President… any President… would have needed the threat of force to act effectively. This President misused that authority."

 つまり、2年前に議会が大統領にイラク戦争を行うことを承認したけど、それは、どの大統領だって効果的に軍事力を行使する必要があると思ったからそうしたのだ。しかし、ブッシュはその権限を正しく使わなかったじゃないか、と言っている。でも、こうなることはわかっていたと思うのだけど。はっきりいって、連邦議会にも責任があると思うのだが、あえてつっこまないことにしよう。

"If George W. Bush is re-elected, he will cling to the same failed policies in Iraq -- and he will repeat, somewhere else, the same reckless mistakes that have made America less secure than we can or should be."

 もし、ブッシュが再選したら、彼はまた同じ過ちを繰り替えすであろう、とケリーは熱弁する。もはや、このスピーチは熱弁であった。スピーチの映像はC-SPANで見ることができる。

 ちなみに、このC-SPANは、たいへんよいアメリカ政治情報のソースである。これはケーブルテレビ各社が資金援助をしている非営利団体が放送しているアメリカの政治専門チャンネルで、議会や議員の記者会見やドキュメンタリーなどをCMなしでノーカットで流して、視聴者側に判断をゆだねるという方針をとっている。アメリカ政治を知る第一級の情報の宝庫と言えよう。しかも、なんとずばらしいことに、この番組はインターネットでも無料で見れるのだ。なんていい時代になったのだろう。

 ということはさておき、ケリーのスピーチに戻ると、

"George Bush has no strategy for Iraq. I do."

"George Bush has not told the truth to the American people about why we went to war and how the war is going. I have and I will continue to do so."

"Today, because of George Bush's policy in Iraq, the world is a more dangerous place for America and Americans."

 ここでさらに、
"Shame on you. Bush!!"
と言えばおもしろかったが、そういってもおかしくないスピーチであった。言って欲しかった。(そうなるとアジ演説になるけど)

|

« テロとの戦いは戦争ではない その2 | Main | CBS騒動はパジャマを着た人々の時代の始まりか »

「経済・政治・国際」カテゴリの記事

Comments

<<"George Bush has no strategy for Iraq. I do.">>

具体的にそれはなんでしょう? 

マイク

Posted by: マイク | September 22, 2004 at 06:46 AM

”Kerry called on Bush to do a much better job rallying allies, training Iraqi security forces, hastening reconstruction plans and ensuring that elections are conducted on time. But his speech was thin on details, with Kerry saying Bush's miscalculations had made solutions harder to come by.”

”Bush cited Kerry's four-point plan and dismissed it as proposing "exactly what we're currently doing.”

http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&e=3&u=/ap/20040920/ap_on_el_pr/politics_of_iraq

YahooでAP通信でのレポートを読んだんですが、これが熱弁じゃ、本とに”しゃ~ない”ね。

マイク

Posted by: マイク | September 22, 2004 at 07:23 AM

”共和党は、「ケリーだって、最初はイラク戦争に賛成していたじゃあないか」と言うが、日本には「過ちを正すのに、はばかることなかれ」(It is never too late to mend. )ということわざがある。”

ケリーって何回”Mend"してるの?

予備選で… 党大会の前で… 党大会が終わってから… 民主党サポーターの前でのスピーチで… 一般の人の前のスピーチで… 軍人団体の前で…
 
尽きないね。 だから選挙戦はもう終わったも同然になったんですよね。Typical Liberalだ!

マイク

Posted by: マイク | September 22, 2004 at 07:28 AM

great は、単に「大きい」「程度が激しい」という意味の語なので、「ネガティブな意味もある」のではなくて、ポジティブかネガティブかは、great が修飾する単語次第ということだと思いますよ。

Posted by: 大樹 | September 22, 2004 at 05:19 PM

>>great は、単に「大きい」「程度が激しい」という意味の語<<

ご指摘、ありがとうございます。
そうですね。"great"自体には、「ネガティブ」も「ポジティブ」も意味はありません。"great"のあとに続くワードと、文章全体のcontextによって、「ネガティブ」か「ポジティブ」かの意味になりますね。ご指摘の通りです。

記事の文章の記述を訂正致しました。

ホームページを拝見致しました。すがやさんの本に解説を書かれた方ですか。
すがやさんとはニフティのFCISでお世話になって以来お会いしていませんが、お元気でしょうか。

Posted by: 真魚 | September 23, 2004 at 01:08 AM

マイク、

さっきABCNewsのNightlineを見ていたら、その中で共和党の選挙コンサルタントの人が、今回のケリーのスピーチはフランスのアメリカ批判と同じであると言っていた。それを聞いて、僕もそうかもしれないと思った。そもそも、ケリーはこうしたスピーチを半年前ぐらいにやれば良かった。今この時期に、このスピーチでは、確かにpunch lineがないと僕も思う。

では、民主党はどうすればいいのか、ちょっと考えますね。
I still think that このスピーチはこれはこれで良かったんだと。
However, 共和党への反論になっていないことは、I agree.

Posted by: 真魚 | September 23, 2004 at 01:20 AM

<<今回のケリーのスピーチはフランスのアメリカ批判と同じであると言っていた。>>

ケリーとフランスを結べつけるのは、別に内容がそうだからと受け取ってはいけませんよ。フランスはアメリカでは昔からNegativeな見かたをされています。だから今回の選挙ではケリーがフランス人の親戚を持っているとかフランス人的な顔だとかと良く言われています。

ケリーの問題はLiberalなこれまでの実績なんですよね。特に彼は上院議員という直接責任を取る必要の無い政治的団体に長年埋っていまして、”Nuance"的な考え方を良くしています。Liberalとしては都合が良いのですよね。その場その場で都合のよい問題定義と問題解釈をして色々と法案をだしたり、他の人の法案をサポートしたり(ケリーの場合自分の法案がほとんどない!)。

しかし、大統領という地位では責任を取った形で活動を行わなければならない。一度決めるとそれをやり遂げる必要があるんですよね。国をリードするって事は国と言う”チーム”の監督だからみんなをまとめて前に進む必要があるんですよね。そのようなリーダーシップは上院では育たないですよね。

大統領選挙戦でそれを見せられるのが州知事です。カーター、リーガン、クリントン、ブッシュIIなどが良い例だと。

民主党が今抱えている問題の一つとしては、州レベルでのリーダーが少ないって言う問題です。次の選挙、ヒラリーが民主党の候補となるのは見え見えですが、共和党の州知事には勝てないと思います。

マイク

Posted by: マイク | September 23, 2004 at 08:00 AM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/36163/1492184

Listed below are links to weblogs that reference ジョン・ケリー、熱弁す!:

« テロとの戦いは戦争ではない その2 | Main | CBS騒動はパジャマを着た人々の時代の始まりか »