投票へ行こう
政治のことでよくわからないことのひとつに、公明党がなにゆえ与党の様な顔をして、自民党の隣に座っているのかということがある。いや、与党の様な顔をしてというが、実際に与党なんだからそれでいいのかもしれないけど。なんか、気がついたら、いつのまにか公明党が政権の座にいた。それもどうも、国民の承諾があったとか、国民の大多数がそれに同意してそうなったようには思えない。少なくとも国民の一人である僕は、そんな覚えはまったくない。とにかく、なんか気がついたら公明党が与党になっていた。
このへん、なんでかと思い、公明党のホームページを見てみた。どうやら「1999年(平成11年)7月7日、小渕首相(自民党総裁、いずれも当時)は公明党の神崎代表に連立参加を要請するための党首会談を呼びかけてきました。」とのことだった。
では、なにゆえ、自民党は公明党を必要としたのか。それは、選挙による自民党の獲得議席数では、自民党単独で議会の最大議席数政党にはなれないため、公明党と組むことにより自民党は最大議席獲得数政党(のようなもの)になれるからそうしたんだと僕は思っていた。
しかし、選挙による獲得議席とは、有権者による投票の結果であることを思うと、自民党が公明党と組む理由は、実は獲得議席ではなく、獲得票数にあると考えなくてはならないことに先日気がついた。
つまり、1990年代の末あたりから、もう自民党は単独で政権を維持するだけの票数を得ることができなくなっていたのだ。そこで、自民党は公明党と組むことにした。なぜ、公明党なのか。公明党は、創価学会の信徒による安定した高い票数が常に確保できるからである。つまり、公明党支持者は投票率が高いからだ。
今日は、参議院選挙の投票日である。僕は、選挙の度にいつも不思議に思うことがある。なぜ、今のIT時代の世の中でも、投票というものが、何月何日の何時何分から何時何分の間に、どこどこの場所へ本人が出向いて、投票用紙に記入するということをしなくてはならないのだろうか、ということだ。しかも、僕たちは候補者の考えについてよく知っているとは言えない状態での投票である。候補者の意見を、あんたが知らないとは言わせない、候補者の意見は街頭演説なり、講演会なりで十分に述べてきた。それをきちんと聞いてこなかったあんたが悪い、と言うかもしれないけど。フツーの会社の勤め人が、街頭演説や講演会で候補者の意見を聞くなんてことがそうカンタンにできるわけないではないか。いや、その気になればできる、お前は政治への関心が低いからそうなんだと言うかもしれないが。わざわざそうした気にならなければ、候補者の意見が聞けない、投票ができないという時点でもう今の時代に合っていない。
このまるで明治時代から基本的には変わっていないかのような選挙のやり方、投票のやり方を、今後も10年、20年続けるつもりなのだろうか。今現在、改定しようという動きはない以上、今後もずっとこのままなんだろうなと思う。よく今のワカイモンは選挙に無関心だと言われたりするが、こうした仕組みでは無関心になってしまうのは当然のような気がするのだが。僕がムカッ腹が立つのは、もしこれが企業の商品販売だったら、こんな時代遅れの方法はとりゃしないということだ。今の時代には、販売促進なり宣伝なりマーケティングなりといった、消費者が購買行動をとるようにさせるさまざまな技術がある。
本質的に役所は、投票率が高かかろうが、低かろうが全然関係ないので、投票率を上げよう、そのためのシステムを考えようという意思がまったくない。ならばいっそのこと、選挙と投票を民間のプロモーション会社に委託してもいいのではないかと思う。もちろん、ある特定の政党なりグループなりに有利になるような操作は契約違反である。その会社への支払いは投票率に従うものとし、ある一定以上の投票率でなくては支払いはなし、それ以上の投票率になれば支払い額も上がる、逆に違反行為がひとつでもあれば支払いなし、という契約にすれば、その会社はシンケンに投票率アップに努めるだろう。もはや今の世の中は、企業の金儲けにならなければ、もう物事はシンケンには行われないということに大きな問題を感じるのであるが、事実なのだからしかたがない。
いずれにせよ、投票に行かない、投票率が低くなる、ということは、たとえ何があろうとも投票場に行って公明党に票を入れる宗教団体をバックに持つ政党の獲得票の比率が増し、結果的に自民党の勝利になるという構造になっている。この構造を成り立たなくさせるのは、誰もが投票に行くことだ。投票行為は民主主義の基本だとか、なんだとかいうコムズカシイ理屈よりも、なんかムカツクじゃないか、僕たちが棄権することが、自民党と公明党の有利になるなんて。もちろん、私は確固たる考えと信念を持って自民党を支持しています、公明党を支持していますという人はいる。それはそれで正しい。正しくないのは、投票率が下がれば下がる程、今の与党の有利になるという仕組みだ。こんなものは破壊すべきだ。
だから、今日は投票へ行こう。
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