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June 13, 2004

もう経済成長はやめよう

 子供の出生率がさらに低下したという。出生率は今度もさらに低下するだろう。介護施設を充実させて、働く女性の育児体制を整えるとか、会社での育児休暇を男性も取りやすくするとかいろいろ言われているが、子育てにカネがかかるという現状も大きな要因になっている。しかし、結婚や子育てにカネがかからないようになると、社会は経済的に困ることになる。具体的なデータを見たわけではないが、日本経済の中での育児産業や教育産業の占める割合は決して小さくはないであろう。

 であるのならば、

 少子化をなんとかしたい--->子育てにカネがかかる現状を改善したい--->子育てにカネがかからないようにする--->育児産業や教育産業は衰退する--->日本経済の成長はさらに下がる、という図式になるはずである。

 さらに、当然のことながら、

 親が子育てに力を注ぐ--->これまでのような仕事中心の生活をやめる--->労働時間を少なくする--->企業活動は低下する、ということなのである。

 労働時間が減れば、収入も減る、子供にカネがかかれば、その分、どこかを切りつめなくてはならない、ということになるが、その一方で、メディアがさかんに新製品を買えと煽るのは矛盾している。今必要なのは、貧乏でも心豊かに暮らす価値観であるが、そんな価値観をもたれては困るのが経済なのである。

 つまり、少子化をなんとかする、ということは、経済の成長をもうやめようということなのだ。なにゆえそうはっきりと言えないのか。戦後のモノがなかった時代には、モノを作れば作るほど売れていた。一面の焼け野原にビルを建てたり、橋を架けたり、道路を造ることは意味があった。あるいは、朝鮮戦争の時は、軍需物資が大量に必要だったので、これもまた作れば作るほど売れた。日本人がまだ貧しかった時代には、産業の発展には意味があった。

 しかし、バブル経済すら崩壊した今、もはや、これ以上、なにをしようというのか。もちろん、成長すべき産業は成長すればいいと思うが、これ以上の経済成長は無理をしているとしか思えない。企業は、無理矢理に需要を創り出し、消費者に無理矢理買わせているとしか思えないことが多々ある。国は、従来のやり方を変えることができず、まだ高度成長やバブル時代の目標を掲げているとしか思えない。人々が、新製品を買わなくては経済が回転しないという構造そのものを変えるべきだ。

 企業は利益を上げなくてもいいとは言えず、お役所も企業収益が上がらないと法人税収が上がらず、よって行政に支障がでるというのはわかる。しかし、今の子育てにカネがかかる現状を、カネがかからない状況に変えようというのならば、上記の図式になるのは理の当然であって、その当然のことを踏まえてものを考えなくてはならないではないかと思う。

 少子化、非婚化、フリーターの増加などが意味することは、もう無理な経済成長はやめようということだと思う。日本は、そうしたポスト産業社会の状態になりかけているのに、社会を運営する側の人々がそれに気がつかず、相変わらず高度成長やバブル時代の価値観しか持っていない。

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