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June 17, 2004

リリィシュシュのすべて

 ネットの書き込みと殺人というつながりのある映画として、岩井監督の映画『リリィシュシュのすべて』がある。この映画は、見ていてそうとう辛い。今の中学生は、これほど追いつめられているのかと思う。見終わった後は、激しく鬱になる。この鬱は、数日間続く。半月ぐらい、ずーと鬱になった。それほど、この映画は痛い。自分はもう中学生という時代を遙か昔に終わっていて良かったような、あの時代に戻りたいような、そんな気持ちになる。僕は当時、空手オタクみたいな少年で、中学時代はあっという間に過ぎてしまったような気がする。僕は身長が大きい方だったし、とりあえず武術やっていたのでイジメにあうこともなかった。ここまでイタい中学時代ではなかったと思う。それでも、いろいろあったけど。(遠い目・・・。)

 この映画は、最初は近所のTSUTAYAで、岩井監督のなんか中学生の心情を描いた映画ということで「ふーん」という感じて手にとって、なにげなく借りてみたのだけど、見始めてそのままズコーンと鬱の奈落の底に落ち込んでしまったという映画である。DVDを自分で買おうと思ったが、ネットで調べてみると、特別映像がついている特別編はもう品切れで入手不可、通常版の方も店で見つけるのはむずかしいということだった。それでも渋谷のHMVに言ってみたら、なんとあっさりと通常版のがあるではないか。で、買い求めて、その後、何度か見て、またもや激しい鬱になる。

 『リリィシュシュのすべて』と『THE END OF EVANGELION』の2つは、自分がこれまで見た映画の中で最も「見終わった後で、ものすごく落ち込む、鬱になる、死にたくなる」映画のベスト2と言えよう。(最近、これに紀里谷和明監督の『CASSHERN』を追加してベスト3と呼ぼうかと思っている。)

 『リリィシュシュのすべて』をまた見ようという気には今はちょっとならない。とりあえず、明日も仕事がある。これを見ると、心がアッチの方に行ってしまって、いつ戻ってくるか自分でもわからない状態になるので見るのは危険。それでも、近いうちにこの映画についてまとまったものを書こうと思っている。

 長崎の事件で、大人はネットは危険とか、モラルが必要とか言っているけど、そうした対応しかできない大人たちを見ていると、なんかものすごく無気力になってくる。自分たちの子供の頃になかったメディアが、今子供時代であるこの子たちにとってどのような意味を持っているのか、それでわかるんスかと思う。

 いっそのこと、『リリィシュシュのすべて』上映会をやって、親と教師が一緒にこの映画を見るというのはどうか。しかし、そういうことはやらないだろうなあと思う。「保護者は、子どものネット利用に積極的に関与し、危険性や有害性を指摘するよう努力すべきだ」という発言を見て、あーそうですか、はい、はい。大人は自分を変えようとはせず、とにかくひたすら子供を管理すればいいと思っている。

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Comments

私も昨日の夜見たのですが私の中学時代はここまでひどくはなかったと比べてしまいました。考えたくなくってフカヨミせずにみたので鬱になるほどではありませんでしたが、考えなかった自分に後悔することに・・・

Posted by: wonbat | December 08, 2004 12:36 PM

wonbatさん、コメントありがとうございました。

僕はこの時以後、見返していません。見たいなと思うことは何度もあるんですが、見るとまた鬱になることはわかっているんで。自分の中学時代はこうではなかったし、今の実際の中学生もここまでの状況ではないとは思うし。岩井監督が思う「14歳のリアル」なんでしょうけど。
だた、今の子供たちは、こういうツラさはあるんだろうなと思うし、それが自分はこの歳になってわかったというのもなんだし。唐突に、足利へ行って、鉄塔を見上げてみたいなとか思ったりするし。リリィシュシュとエヴァを比較して論じたものを書いてみたいとは思ってはいるんですが。

Posted by: 真魚 | December 08, 2004 04:47 PM

リリィシュシュのすべてを本で拝見しました。映画は高校生のときに借りようとしたことはあったんですがいまだにみてません。本だけでかなり鬱です。読み終わったあとやばいと思いました。わたしは今20歳でついこの間まで学生をしていたから、いじめのところはショックでしたが受け入れることはできました。こういういじめとかは現実にありえない!!とまでは思わなかった程度ですが。そてよりもリリィシュシュに洗脳されてる感がやばい。そして私も洗脳されかけました。世界を客観的に見てしまいます。ネットもいまやもうひとつの現実として存在していて、ずっとこの世界に浸っていると、どっちがどっちかわからなくなる人がいてもやっぱり仕方ないのかもしれません。

Posted by: riri | October 14, 2005 05:50 PM

こんにちわ

原作本と映画では話が少し違います。映画では美しい風景や岩井監督のハンディカムを使った独特の映像があって、それらもまたあの子たちの心情を見事に表現しています。リリィシュシュに洗脳されているというよりも救いを求めているのではないでしょうか。この世界は生きていて楽しいとは言えないことも数多くあるし、しかしそれでも純粋なものを求めようという気持ちからだと思います。

20歳ですか。これからですね。自分の20歳の頃何を考えていたのかよく覚えていないのですが、今でも僕は自分はリリィシュシュが言っていた透明なエーテルを感じることできるだろうかと時々自問します。

Posted by: 真魚 | October 15, 2005 03:10 AM

こんにちわ。リリィシュシュで検索していたらここにたどり着いてつい書き込んでしまいました。
確かに重いですよね。
でも私この映画すごく好きなんです。不安定で純粋な心の持ち主達。言葉で表せない美しさ。見ているときは美しいものに触れている感じで心がふるえました。
もう私は成人しているのに、こういった考えは一般的に見ると歪んでるのかもしれませんね。
EVAの最後も、すごく好きです。

Posted by: ayaayan | December 09, 2005 05:01 PM

こんにちわ。コメントありがとうございます。

歪んでいるということはないと思います。確かに、大人になっても、リリィシュシュやエヴァを見てなにかを感じる人もいれば、そうでない人もいますけど。田園風景の中で、ウォークマンでリリィシュシュを聴きながら叫び出す星野君の心情は、大人になった今の方が切実によくわかります。EVAの最後のシーンでのシンジ君のあの行動は、生きている実感を確認したいという気持ちだったのかもしれませんね。それがああした行為になってしまったのは、星野君と同じなのかもしれません。

Posted by: 真魚 | December 10, 2005 02:26 AM

昨日、小説版を古本屋で偶然見つけて、衝動買いしました。で、なんとなく検索してたら、コチラにたどり着きました。
映画は高校生のころに見てて、多分、自分の見てきた映画史上もっとも印象深い作品です。。。DVD(通常版ですが)も持ってます。
映画版は圧倒的な映像美にやられ、小説版は淡々とした独白にどきどきでした。どちらも素晴らしいです。両方見て読んでやっと気づく伏線があったり。。。
星野の狂気と弱さがとても痛い。

Posted by: 大学生 | December 14, 2005 06:35 PM

はじめまして。こんにちわ。

星野も久野さんも蓮見も津田さんも、みんな弱さや脆さを抱えて生きていて。でも、みんな同じかというと、おのおの違っています。星野と蓮見は同じような感性を持っているのだけど、沖縄に旅行した後、この2人は違う方向に進むようになります。向こうの世界に行ってしまった星野と、こちらの世界に留まった蓮見。それは、空を飛びたいと願った津田と、自ら髪を切ってまでも自分を貫き続けた久野の違いもそうですね。星野はあまりにも純粋だったが故にああなってしまったのかもしれません。でも、それは、それじゃあ蓮見は純粋じゃないのかというとそうではなくて、結局、青猫を殺すしかなかった。もし、蓮見が殺人事件で逮捕されたら「この子は真面目でおとなしい子でした」としか大人は見ることができないでしょう。

Posted by: 真魚 | December 15, 2005 01:54 AM

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